日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

エキノプス(ルリタマアザミ)

2024-06-30 07:00:00 | 植物

「エキノプス」が咲いていました。

伸びた茎の先端に薄紫色の手まりのような形の花が咲いて、ユニークな形です。

ネギボウズにも似ています。

葉っぱはアザミにそっくりで、トゲもあります。

だから、別名では『ルリタマアザミ』です。

エキノプスはギリシャ語で”ハリネズミのような”という意味のようです。

 

この花は、ずっと昔、数十年前に阿蘇の大観峰の展望所付近にたくさん咲いているのを見たことがあります。

初めて見た花だったし、一面に咲いていたのですごく感動したのを覚えています。

その時に、この花は『ヒゴタイ』だと教えてもらいました。

でもその後、園芸品店で同じ花なのに「エキノプス」となっていたので不思議に思ったことがあって、当時園芸書で調べたことがありました。

その結果、エキノプスには100種類以上の品種があって、ヒゴタイはその内の1つで日本と朝鮮が原産の花だったのです。

日本でも阿蘇山あたりの特定地域にしか自生してないとのことでした。

それほど貴重な花だったのに、現在では『ヒゴタイ』は乱獲などによって数が減ってしまって絶滅危惧種になってしまったようです。

 

園芸店で出回っているのは「エキノプス・リトロ」という品種で、日本には昭和初期に入ってきたようです。

その時に「ルリタマアザミ(瑠璃玉薊)」という和名になったそうです。

 


 

学名:Echinops

英名:Echinops

別名:ルリタマアザミ、ウラジロヒゴタイ

科名・属名:キク科 ヒゴタイ属

原産地:ヨーロッパ、西アジア

 

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ルリヤナギ(瑠璃柳)

2024-06-28 07:00:00 | 植物

「ルリヤナギ(瑠璃柳)」が咲いていました。

瑠璃という響きが気に入っています。

日本の伝統色である『瑠璃色』とは、濃い紫味の青色のことで、透明感がありながらも深みのある清澄な色です。

ルリヤナギ、ルリマツリ、ルリトウワタなど、言葉の響きも花の色もとってもいいですね。

 

ウォーキングコースでルリヤナギの花を見つけました。

ルリヤナギは樹高が1.5m~2mほどにもなるので、常緑低木の扱いなのです。

だから、たまたま花が咲いていたから気づいたけれど、もしも咲いていなかったら、ただの木だと思ってスルーしてしまったかもしれません。

ヤナギと名前に付きますが、ヤナギの仲間ではありません。

花の形はナスと同じ、色は薄紫、ルリヤナギはナス科なのです。

3cmほどの花は長い花柄の先にあって、うつむいて咲きます。

瑠璃色と名が付いていますが、花色はそれよりももう少し薄い紫色のように見えたので、ちょっと名前に無理があるかな? と思っていました。

そうしたら、ルリヤナギの瑠璃色は、花色ではなく果実の色のことなのだとか。(APG原色牧野植物大図鑑)

その果実は1cmほどの球形で、熟すと黒くなるのですが、よほど暖かい地方でないと結実しないようです。

この花(木)は鎌倉時代の頃、琉球を経て渡来したので、「リュウキュウヤナギ(琉球柳)」という別名もあります。

 


 

学名:Solanum glaucophyllum

英名:Waxyleaf nightshade

別名:リュウキュウヤナギ(琉球柳)、スズカケヤナギ(鈴懸柳)、チョウジカ(丁字花)

科名・属名:ナス科 ナス属

原産地:南アメリカ

 

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クマツヅラ(熊葛)

2024-06-26 07:00:00 | 植物

植物の科名を調べていると、『クマツヅラ科』というのが頻繁に出てきます。

クマツヅラとはあまり聞き慣れない名前なので、どのような花なのかと思っていました。

 

ウォーキング中にシソの穂に似たような花を見つけました。

その姿は、茎が何本も横に伸びて、とっちらかっているように群生していました。

花は穂状花序、まばらに小さな花が咲いていました。

 

ところがその花を拡大してみると、白と薄紫色のグラデーションで、なかなかのものだったのです。

そして、この初めて見た花が「クマツヅラ(熊葛)」だと知りました。

この花はヨーロッパやアジアなどで広く分布していて、日本でも古くから自生していたらしく、平安時代の書物にも載っているようです。

その当時は神事などで使われ、魔除の草として使用されていたり、漢方薬として止血剤や消炎剤などに利用されていたようです。

 


 

学名:Verbena officinalis

英名:Pigeon grass、Pigeon meat

別名:バベンソウ(馬鞭草)

科名・属名:クマツヅラ科 クマツヅラ属

原産地:日本、中国、ヨーロッパ

 

 

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「ユッカ・ロストラータ」と「レッドユッカ」

2024-06-24 07:00:00 | 植物

ウォーキング中に2種類のユッカの花(木)を見つけました。

実は『ユッカ』という名前の植物はありません。

ユッカとはキジカクシ科(リュウゼツラン科)、イトラン属(ユッカ属)の植物の総称になっています。

その種類は約40種もあるようなのですが、中でも有名なのがよく見かける青年の木と呼ばれているユッカ・エレファンティペスやキミガヨラン、リュウゼツランなどです。

 

40種類もある中のユッカ、最初は「ユッカ・ロストラータ」を見つけました。

花がびっしりと付いていて、とても立派な木で高さが2mくらいありました。

既に見ごろを過ぎてしまったのか、葉っぱの中にポロポロと落ちている花もありました。

 

ゴチャゴチャと咲いているのですが、一つ一つの花はうつむいて咲き、白い6弁でほんのりと薄黄色が入って、上品な花です。

ユッカ・ロストラータの花が咲くのは数年に一回とかで、すごく珍しいことのようです。

その花を見られたのですから、ラッキーでした。

ユッカ・ロストラータはユッカの中でも特に大きく成長する品種で、4メートル以上にもなるものもあるようです。

放射状に広がった葉は細くてトゲトゲしているのですが、その形がとってもきれいで魅力的です。

根元の様子などを見ると、ヤシの木のような雰囲気になっていて、他のユッカと比べて幹が太く、ワイルドな印象があります。

この木は生長スピードが遅く、1年で数センチしか伸びなくて、中にはその1cm伸びるのに何年もかかるものもあるのだとか。

 

学名:Yucca rostrata

英名:Beaked yucca、 Big Bend yucca

別名:ビッグベンドユッカ

科名・属名:リュウゼツラン科 ユッカ属

原産地:アメリカ南部、メキシコ北部

 


ユッカ・ロストラータと同じ場所には「レッドユッカ」もありました。

レッドユッカとは通称で、ユッカと名前は付いていますが、ユッカの仲間じゃないのです。

最初に記したように、ユッカはリュウゼツラン科ユッカ属の総称なのに、このレッドユッカはリュウゼツラン科ヘスペラロエ属なのです。

でも、姿がユッカに似ているからと、名前にユッカを入れたようです。

赤い花が咲くからレッドユッカとなったようです。

 

通称のレッドユッカとは別に、「ヘスペラロエ・パルビフローラ(Hesperaloe parviflora)」という舌を噛みそうな名前があります。

ヘスペラロエが『西部のアロエ』という意味、パルビフローラは『小さい花』という意味のようです。

北米の砂漠に自生しているので、乾燥と暑さには強いらしいです。

 

高さは1mほどで、細い葉とひょろひょろした花茎に赤い花を付けているので、遠くからでも目立ちます。

この花は毎年咲くようです。

 

学名:Hesperaloe parviflora

英名:Red yucca

別名:コーラルユッカ

科名・属名:リュウゼツラン科 ヘスペラロエ属

原産地:アメリカテキサス州~メキシコ

 

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ヤマモモ(山桃)の実

2024-06-22 07:00:00 | 植物

「ヤマモモ(山桃)」の実を見つけました。

赤い実がびっしりと付いていました。

ヤマモモという名前はどこから付いたのでしょうね。

実はモモとは似ても似つかないのに・・・

『ヤマ』は山に生えることを表し、『モモ』は丸い果実を意味する、という説があるそうです。

 

公園に植えられていたり、街路樹としても利用されていますが、完熟した実が落ちても誰も見向きもしないようです。

実が潰れて道路が汚れるなどとも言われてしまって、悲しいですね。

 

近所にある大きなヤマモモの木です。

木の下を見ると、実がたくさん落ちています。

 

でも、ヤマモモを栽培しているところもあるんです。

栽培されたヤマモモの実は生食のほか、加工してジャムや果実酒として販売もされています。

その実は貴重で『幻の果実』や『高級果実』と言われているほどなのです。

幻の果実とは、朝摘みのものが昼にはダメになってしまうほど日持ちがしないから。

高級果実とは、ヤマモモにはさまざまな栄養素が豊富に含まれているからなのです。

その栄養素とは、クエン酸・アントシアニン・β-カロチン・ビタミンB群などがあります。

これらは疲労回復、老化防止、生活習慣病の予防などにとても役立つのです。

だから、街路樹や公園のヤマモモの実を取らず、そのまま落として踏み潰してしまうなんて、もったいない話ですね。

 

 


 

学名:Morella rubra 

英名:Red bayberry

別名:ヤマウメ、ヤマモ、ヨウバイ(楊梅)、ヤモモ

科名・属名:ヤマモモ科 ヤマモモ属

原産地:中国、日本 

 

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