阿蘇五岳の一つ、烏帽子岳の山麓に「地獄温泉」という名前の温泉がある。
すごいネーミングだが、由来は温泉の裏山にガスが噴出して、草木の生えていない場所があるからだとか。
そこには「青風荘」という宿が一軒あり、別棟に日帰り施設の「すずめの湯」がある。
数年前の熊本地震のために休業していたが、昨年春に再開した。
まだまだ工事中のような場所もあるが、再開してくれたのはうれしい。
地震の時は道路が寸断し、宿泊施設も土砂に埋もれてしまったらしいが、唯一残った「すずめの湯」を復興の第一歩として再開し、以前は混浴だったが、「誰しもが気軽に入れる温泉」ということで、湯浴み着を着て入れるようになった。
細い山道をくねくねと走っていくと、手前には垂玉温泉があったが、こちらは未だに休業中らしい。
突き当たりに「すずめの湯」があった。
駐車場の上にある、日帰り温泉の受付は、木造の明るいおしゃれな建物だった。
震災後に新築したようだ。
こちらのお風呂は混浴の「すずめの湯」、男女別の「元の湯」と「たまごの湯」がある。
どの湯に入るかは選べるようになっていたので、今回は「すずめの湯」と「たまごの湯」の両方に入ってみることにした。
最初は「すずめの湯」から。
[受付棟]
番号付きのキーをもらい、ロッカーなどはその番号の場所を使うようになっていた。
受付後、奥のドアを出ると坂を下るようにして細い道があり、表示板通りに進んだ。
坂道から下の「すずめの湯」を見たところ。
ここから真っ白い温泉が見えて、ワクワクしてきた。
[女性用の更衣室の入り口]
表示は何もなかったが、扉を開けたら脱衣所だった。
脱衣所はあまり広くはないが、扇風機などはあった。
今回は水着を持参したが、持っていない場合は売店で湯あみ着を売っている。
奥の扉を開けたら湯船だけがあり、「すずめの湯」に入る前にここで掛け湯するようだ。
そのためだとしても十分に立派な湯船だった。
そして左にあるドアを開けたら通路のような休憩所らしきものがあり、その向こうに「すずめの湯」が見えた。
左側が熱めの湯、右が温めの湯。
ちょうど先客が出て行ったので、他には誰もいなく、のんびりと入れた。
ここは単純酸性含硫黄温泉。
足下から湧出していて、硫黄の匂い、源泉掛け流し、加温一切無しの温泉だった。
湯上がりのほてった体のまま受付棟に行き、次の「たまごの湯」を目指した。
[右側がたまごの湯]
「たまごの湯」は受付棟の前にある階段を上って行く。
こちらも新しく造られた場所で、外観も内側も木のぬくもりたっぷりだった。
浴室は明るくて開放的、シャワー設備なども整っていて、石造りの湯船からは阿蘇の景色が見えた。
震災後から「地獄温泉清風荘」は「地獄温泉青風荘」へと文字を変えた。
これは古き良きものは残しつつ、新しい風を受けて行こうという考えかららしい。
青風荘から少し下ったところにある、「垂玉温泉」の前に水量が多く、落差もあるダイナミックな滝があって、思わず車を止めた。
「金龍の滝」。
夕方は夕日に映えて、あたかも金色の龍が天に昇っていくように見えることか名付けられたらしい。