五島列島は九州の西にある列島で、島の数は大小合わせて152あり、全島が長崎県に属している。
2018年6月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界文化遺産に登録された。
キリスト教が禁じられていた時代に、その信仰を守ろうとした人々が移り住んだ島というイメージがある場所で、実際にはどうなのかと思い、ツアーを利用して行ってみた。
長崎港から出たジェットフォイル「ペガサス2」は1時間半後、五島列島の福江港に着いた。
福江島は五島列島の南西端にあり、五島列島最大の島。
港には地元の人たちが待っていて、大漁旗を持って出迎えてくれた。
降りた桟橋を進むと韓国からの観光客が帰りの船を待って並んでいた。
こんな島にまで来るんだ、と思いながら港を後にしてツアーバスに乗り、町の中に入って福江城趾、武家屋敷通りを車中から眺めながら島の南、鎧瀬(あぶんぜ)溶岩海岸へ向かった。
福江城(石田城)は幕末期に海防や異国船の来訪に備えるため、五島藩主が幕府に願って築城し、明治維新の5年前に完成した、日本で一番新しいお城らしい。
五島列島にお城があるとは知らなかった。
残念ながら中には入らずに車中からの見学だけだったが、大きな城跡で立派な石垣とお堀が続いていて、櫓の壁面の狭間(防御用の窓)なども見えた。
バスはそのまま進み、鎧瀬溶岩海岸に着いた。
この海岸は、鬼岳噴火時に流出した溶岩が約7kmに続いていて、名前の由来は逆臣に追われた五島藩16代藩主の鐙が切れた場所ということだった。
ゴツゴツとした溶岩なので歩きにくいけれど、黒い岩に亜熱帯植物の緑が映えてきれいだった。
もう少し空が晴れていれば、そこに青い色が加わってもっときれいになったのに、この日は曇り空で、海の色も少し暗かった。
しばらく散策してから鬼岳展望所へ。
鬼岳は標高315メートルの火山五島列島のシンボル的存在で、火山だが火山活動はなく、青々とした芝生の丘だった。
芝生だけなので遮る物は何もなく、ここからは360度のパノラマ、福江島の町並みをすべて見渡すことができた。
[展望所から見た福江島の町並み]
車で福江島を走っている間、車窓から見えた山一面にツバキが植えられていたことに驚いた。
元々五島列島には自生のツバキがあって、ツバキを前面に押し出して「五島の椿プロジェクト」として地域活性化を図ろうとする取り組みをしているらしい。
椿油や石鹸などが商品開発され、資生堂のシャンプー「TSUBAKI」にも五島の椿油が使われているようだ。
そのためこの山のツバキは資生堂が植林している、と説明があった。
あと、ガソリンスタンドを見ると電気自動車の充電スポットが多く、島では電気自動車が主流とのこと。
ガソリンが高いからかな?
この日の宿泊施設は「コンカナ王国」という、ワイナリー&リゾートホテルだった。
広い敷地にコテージやプールなどもあり、温泉もあった。
[コンカナ王国]
[コンカナ王国]
第一日目の行程は島の名所を回って観光しただけだったので、キリシタンについては触れられなかった。
そのためあまり特別な島といったイメージはなかった。