日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

オオケタデ(大毛蓼)

2022-08-30 07:00:00 | 植物

イヌタデを大きくしたような「オオケタデ(大毛蓼)」は背丈もあるし、濃いピンクの花が遠くからでも目立って、存在感いっぱい。

読んで字のごとく、大きくて全体に毛が多い。

 

 

元々は薬草として日本に入ってきたものが野生化してしまい、今では畑の隅や河原などでよく見ることができる。

薬草としては腫れ物や毒虫に刺されたときの民間薬として利用されていたらしい。

本当かどうか分からないが、マムシに噛まれた時の毒消しになるという話もある。

それで“ハデコブラ”という別名もあり、いつの間にかマムシがパワーアップしてコブラになってしまっている。

コブラって日本にいたっけ?

 

 

7~8ミリくらいの小さなピンクの花がぎっしりと集まり、穂状花序になって垂れ下がっている。

その穂が1株に所狭しとついているのだから、目に付くのは当たり前。

 

 


 

学名:Polygonum orientale

英名:Prince'sfeather、Kiss me over the garden gate

別名:オオベニタデ(大紅蓼)、ハデコブラ

科名・属名:タデ科 タデ属

原産地:東南アジア、中国、インド


 

タデ科の植物は多く、特によく目につく種類。

『イヌタデ』

道ばたや畑、荒れ地などでよく見られる。

草丈は低く、地面を這うように広がっている。

赤い茎、葉は長さ7~8mmで先が尖っている。

花序は5cmくらい、ピンク色でまれに白い花もある。

 

『オオイヌタデ』

空き地などで良く目につく、草丈は1mくらいになり、花色はピンク~白まで変化がある。

全体にイヌタデを大きくしたような感じ。

葉は15cmくらいあり、細長く尖ったような形はイヌタデと同じ。

 

 

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ガマ(蒲)

2022-08-28 07:00:00 | 植物

田んぼのような湿地に「ガマ」だけが見えた。

フランクフルトのような花穂がみごとだった。

 

 

目の前にこのような光景が見えたら誰でも一瞬、立ち止まるんじゃないかな?

本当にフランクフルトそっくりで思わずにっこりとしてしまう。

ずっと花が咲いた後にこの穂ができるんだと思っていた。

それで、何日か観察してみた。

 

最初は上部だけ茶色い花?が固まっていた。

下部はまだ緑っぽい、でも上下の区別ははっきりしていた。

 

上部の花は開き、下部も茶色になってきた。

 

上部はほとんど枯れて、下部がしっかりと穂になってきた。

 

まさかこの穂がすべて花だったとは・・・

フランクフルトの棒の先のように、穂の上部にあるものが雄花。

うまく出来ているもので、ガマは自家受粉を避けるために、雄花が先に開花し、雌花は雄花が散ってから開花する。

そして、ガマは風媒花なので、雄花の花粉は少しでも遠くへ飛ぶように上部に配置されている。

雄花が終わって、棒状の軸だけになったら下部に雌花の穂ができる。

これが「ガマの穂」と言われているもの。

茶色になっている部分はすべて雌花、触ってみると出来たての穂は結構しっかりとしていて硬かった。

それがだんだんと柔らかくなりふわふわになってくる。

秋になって果実が熟すと穂から綿のように飛び散るのが「蒲の穂綿」。

 

秋まではもう少しなのに、1本だけ穂綿になっていた。

 


 

学名:Typha latifolia

英名:Broadleaf cattail, Bulrush

別名:ミズクサ(御簾草)、キツネノロウソク(狐の蝋燭)

科名・属名:ガマ科 ガマ属

原産地 :インド

 


 

 因幡の白兎 

この神話には「蒲の穂綿」が出てくるんですよね。

あらすじをサクッと・・・

 

ある日、因幡の国のうさぎはサメにウソをついて向こう岸に渡ろうとしました。

でも、だまされたことに気づいたサメは怒ってウサギの皮を全部はがしてしまいました。

痛くてウサギは泣いていました。

そこへ大国主命という神様が現れ、「真水で体を洗い『蒲の穂綿』の上で転がるように」と言いました。

そうしたらウサギの毛皮が復活しました。

 

 

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マルバツユクサ(丸葉露草)

2022-08-26 07:00:00 | 植物

「マルバツユクサ(丸葉露草)」を見つけた。

ずっと昔、海の近くに住んでいた時、海岸近くの松林から海に続く砂浜に這うように広がって咲いていたのを思い出した。

あの頃はただ、漠然と見ていただけだったけれど、今じっくりと見てみると、通常のツユクサとは全く違っていることが分かる。

「マルバツユクサ」の特徴は、花は小さくて咲いているんだか蕾なのかもはっきりしない。

葉っぱは丸みを帯びて縁が縮れていて、基の方は茎を包んでいる。

全体に毛が生えている。

ほとんどの株が茎の頂の苞の中に隠れるようにして花を2個つけ、花柄を伸ばして咲く。

花はツユクサを小さくしたような形で、色は少し薄い青。

 

 

その他にも目に見えない特徴がある。

それは、この花はちょっと変わっていて、地上のほかにも地中にたくさんの閉鎖花をつける。

閉鎖花とは花びらが開かず、つぼみのまま自家受粉して結実するという花。

地下に閉鎖花をつけるのはこの「マルバツユクサ」やミゾソバなどが有名になっている。

また、それに対して地上に閉鎖花をつける植物もあって、こちらで有名なのはスミレやホトケノザなど。

 

 

株を一つ抜いてみた。

白い茎の節ごとに丸っこくて白いものがついている。

まだ少し小さいけれど、これが閉鎖花。

秋にはもっと多くのはっきりとした閉鎖花がつくようになる。

 

 


 

学名:Commelina benghalensis L.

英名:Jio Benghal dayflower, Hairy wandering-Jew

科名・属名:ツユクサ科 ツユクサ属

原産地:日本

 

 

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ガガイモ(蘿藦)

2022-08-24 07:00:00 | 植物

ウォーキングコースの途中にあるフェンスにヘクソカズラが絡まっていて、その隣にちょっと違う花もあった。

ヘクソカズラと同じような花、でも違う。

葉っぱは長いハート形、厚みがあってツヤもある。

それよりも花の内部にたくさんの毛があった。

何の花だろう、ヘクソカズラの変種かな?

そう思って、ハッと気づいた。

これは「ガガイモ(蘿藦)」に違いない。

 

 

「ガガイモ」のことは今まで写真だったり、ネット上での記事などで、ある程度は知っていた。

でも、実物を見たのは初めてだった。

というか、見たことはあったのかもしれないが、ヘクソカズラだと決めつけてしまっていたのかもしれない。

だから、こうしてじっくりと見て違いが分かって、嬉しくなってしまった。

 

 

今まで知っていた「ガガイモ」についてのあれこれ。

① 日本神話に出てくる。

花が終わるとアーモンド型の実ができる。

日本神話ではこの実を二つに割って小さな舟にして、それに乗ったスクナビコの神が日本にやってきて、国づくりに協力したと書かれている。

 

② 「ガガイモ」は風媒花。

実の中には風に飛びやすいように毛の生えたタネが入っている。

見つけると幸せになるといわれているケサランパサラン、実は「ガガイモ」のタネが飛んでいるのだとも。

 

「ガガイモ」には2700もの種類がある。

その中で日本に自生しているのがツル性のこの種類。

他は多肉植物の「ガガイモ」も多いようで、ここ数年の多肉植物ブームのためか、「ガガイモ」といえば多肉植物の方が有名になっている。

 

 


 

学名:Cynanchum rostellatum

英名: Panicled tick trefoil

科名・属名:キョウチクトウ科 イケマ属

(遺伝子に基づく分類後、旧ガガイモ科はキョウチクトウ科になり、ガガイモ属はイケマ属になった)

原産地:日本、朝鮮、中国、ロシア

 

 

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ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)

2022-08-22 07:00:00 | 植物

ウォーキングコースにある造園会社の入り口、庭石で囲まれたスペースには中央にサルスベリが配され、その周りはグランドカバーとして「ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)」が植えられていた。

ちょうど花の時期なので、小さなピンクの花が咲いていた。

「ヒメイワダレソウ」は上に伸びず、這うようにして横に広がるし、花も楽しめるので近年はグランドカバー用として販売されているようだ。

 

 

でも、「ヒメイワダレソウ」は植えてはいけない植物になっている。

それは生育力・繁殖力が強いため少しでも土があるとどんどん増えつづけてしまい、他の植物を枯らせたりして生態系に影響を与えてしまう、という理由かららしい。

それで現在では「生態系被害防止外来種リスト」に載っている。

これって、同じクマツヅラ科のランタナと似ている。

ランタナもこのリストに載っていたはず。

花の大きさは違うけれど、形はそっくりだし・・・

 

 

でも、「生態系被害防止外来種リスト」に載っていても、販売されているのだから駆除する気があるのだかどうだか。

 


 

学名:Lippia canescsns

英名:Lippia Carpet grass

別名:リッピア、リピア

科名・属名:クマツヅラ科 イワダレソウ属

原産地:ミクロネシア、ペルー

 


 

「ヒメイワダレソウ」の別名はリッピア、でも最近では『クラピア』という名前でイワダレソウの品種改良品が出回っている。

これはタネを作らないように改良されているので、増えすぎて困ったり、意図しない場所にタネが飛んだりするのを防ぐということで、芝生に替わる新しいグランドカバープランツとして導入しているところが多くなっている。

クラピアはまた、しっかりと根が伸びるので土壌の流出を防いだり、砂漠を緑化する目的などにも利用されている有能な植物にもなっているようだ。

クラピアを生みだした人が除草剤の研究者の『倉持仁志さん』、それで名前の倉持から「クラ」の文字を取り、リッピアと合わせて『クラピア』にしたらしい。

もちろんクラピアは「植えてはいけないリスト」には入っていない。

同じような花なのに片方は規制されている植物、もう一方は有能でどんどん推奨されている植物、いったいこの差は何?

倉持さんは10年以上もかけて改良品を生み出したらしいけれど、どんな魔法をかけたのでしょうね。

 

[クラピア]

 

花がそっくりなので、「ヒメイワダレソウ」と「クラピア」の区別は難しい。

見分け方として、開花時期はヒメイワダレソウの方が一足早く、花数はクラピアの方が多い。

また、ヒメイワダレソウのランナー(茎)は赤っぽく、クラピアに比べると細いなどの違いがある。

 

 

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