スペイン北西部にあるレオンはレオン県の県都で、かつてのレオン王国の首都が置かれていた街。
現在では、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路になっている。
そして、ステンドグラスが素晴らしい大聖堂があることで有名な街。
レオンでのホテルはバスターミナルのすぐ近く、ベルネスガ川沿いで、ホテル前の川を渡った先、1kmほどのところに街のシンボルの大聖堂があった。
大聖堂にはアンチャ通りを真っ直ぐ歩いた。
石畳の道には大勢のリュックを背負った巡礼者や観光客が歩いていた。
両脇の小さなお店をのぞきながら、のんびりと大聖堂まで歩いた。
大聖堂前の広場に着いた。
回りに建物はなく広場にそびえ立っている荘厳な大聖堂に圧倒された。
ゴシック様式の大聖堂は、13~14世紀にかけて造られたもの。
レオン大聖堂はラテン語で「pulchra leonina」(美しき大聖堂)と言われているが美しさよりも荘厳さの方が勝っていた。
残念ながらこの時はファサードの修理でネットが掛かっていたため、ファサードの素晴らしさは分からなかったが、入口の上部の最後の審判をモチーフにした彫刻は見ることができた。
[修理中の大聖堂入り口]
中に入るとステンドグラスがふんだんに使われていて、特に内陣を取り囲むステンドグラスとバラ窓のステンドグラスの美しさはため息が出るほどだった。
差し込む光の加減で見え方に変化があり、ずっと見ていても飽きなかった。
レオンの滞在は2日半を予定していたので、この日の見学は大聖堂だけにして、街を歩いた。
バルに入ったり、古本市をのぞいたり、川沿いの公園でのんびりしたりしてこの日を過ごした。
翌日はサン・イシドロ教会へ。
この教会は、中世セビリアの司教である「聖イシドロ」を祀ってあり、レオン国の歴代国王やその一族も埋葬されている。
数回改築されたため、ロマネスク様式、ゴシック様式、ルネッサンス様式がミックスした建物となっていて、特に丸天井に描かれたフレスコ画が有名となっている。
入り口が2つあり、右の方はサンティアゴ巡礼できない人のための入り口で、この扉から入れば行ったことになるらしい。
でも、左側に人がいて、そこから入るように言われたので、素直に入ってしまった。
ここは数人ごとにガイドがついて説明してくれたけれども、スペイン語だったので良く分からなかった。
廟(パンテオン)の内部は見事なフレスコ画がたくさんあったが、撮影禁止。
フレスコ画についても詳しく説明してくれたが、「新約聖書」と「生活の場面」が描かれているとだけしか聞き取れなかった。
この時に一緒になった巡礼の人たちはここで巡礼のスタンプを押してもらっていた、日本の御朱印帳のようなものなのかも。
大聖堂の近くには見どころがたくさんあり、ガウディの造った「カーサ・デ・ロス・ボティネス」もあった。
ここは博物館になっていた。
中に入らずに土産物屋だけのぞいたら、ガウディグッズがたくさん売っていた。
カタルーニャ南部で生まれたアントニ・ガウディは、バルセロナを中心に活躍し、その作品は「アントニ・ガウディの作品群」として世界文化遺産に登録されている。
でも、ガウディははカタルーニャ以外にも作品を残している。
たった3作品だけで、その内の2つがレオン州にある。
この「カーサ・デ・ロス・ボティネス」、もう一つはレオンからほど近いアストルガにある「アストルガ司教館」、こちらはまだ見ていない。
「カーサ・デ・ロス・ボティネス」
石と木の組み合わせ、鉄柵、彫刻など凝った造りになっていたが、何となくガウディらしくないような、これはこれで素晴らしいものなのだが、少しおとなしすぎるような感じがした。
ガウディの建物はもっと奇抜なものと思っていたから。
例えばバルセロナ以外の3作品のうちの、コミージャスの「エル・カプリチョ」のようなもの。
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バルセロナ以外のガウディの作品
コミージャスの「エル・カプリチョ」 を扱った記事はこちら
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「カーサ・デ・ロス・ボティネス」の右手には市庁舎があり、 屋根の上に塔と鐘楼がある立派な建物で、中を見学することができた。
レオン最終日は観光トレインとバルでのんびりとした。
いつもは街に着いたらすぐに乗る観光トレインを最後の日に乗ってみた。
ローマ時代の擁壁、パラドールとして使われているサンマルコス修道院等々。
バルで、ブルゴスで豚の血入りのソーセージ「モルシージャ」を食べたことを話した。
ブルゴスのモルシージャはお米を入れてあったと言ったら、バルのお兄さんは変な顔をして、「レオンはお米を入れない、こっちが正統派」だと言っていた。
どっちが正統派かはわからないが、それぞれ言い分があるらしい。