トレドは「もしスペインで1日しかなかったら、迷わずトレドへ」と言われるくらいスペインでは有名な観光地。
城塞都市トレドは中世時代に建てられたイスラム教、ユダヤ教、キリスト教が融合して造られた歴史的建造物が多くあり、3つの宗教が入り交じった街並みは独特な雰囲気となっている。
またこの街はエル・グレコが暮らしていた街だったので、彼の数多くの作品が残されている。
トレドは2度目だった。
三方をタホ川で囲まれている旧市街にはアルカンタラ橋から入った。
ソコドベール広場に着いてびっくりしたことは、前に来たときと違ってあまりにも人が多かったこと。
ほとんどが中国人で、そこら中から聞こえてくるのは中国語ばかりで、ここは中国なのか? と思ったほどだった。
たまたまその日が中国人デーだとは思わない、きっと最近は何時でもこうなのだろう。
着いたそうそう何だかガッカリした気分になった。
そんな中、大聖堂を目指して、人波をかき分けて歩いた。
[トレド大聖堂]
歩いていると前方に扉が見えたがここからは入れなかった。
狭い路地を回り込みファサードの前の広場に出て、更に角を曲がったところにチケットセンターがあった。
またここでもガッカリしたことに遭遇した。
というのは、大聖堂に入るためにチケットを購入すると、料金には英語版のオーディオガイドが含まれていた。
で、それを借りるために、デポジットとしてパスポートを預けなければならなかった。
肌身離さずに持っていなければならないパスポートを預けるのはちょっと・・・・
オーディオガイドはいらないと言ってもダメだった。
他の人たちは素直に預けているかなぁ~
でも、しょうがないのでパスポートを預けて大聖堂に入ることにした。
大聖堂内部のきらびやかさには目を見張るものがあった。(撮影は禁止だった)
今までスペインの大聖堂といわれる場所は多く見てきてどこも優劣が付けられないほどどれも素晴らしいものだったのだが、この大聖堂にはそれに加えて美術館さながらの聖具室があった。
聖具室とは聖杯や聖衣などを保管するための部屋なのだが、この部屋にエル・グレコ、ラファエロ、ティッツァーノ、ゴヤ、カラヴァッジォなどの作品展示されていた。
ここだけでも入場料(10€)を支払った甲斐があったのかも。
でも、とにかく人が多く、少しうんざりしながら、1時間ほど大聖堂を堪能し、次はあまり人がいない場所、と思い「エル・グレコ美術館」に向かった。
ユダヤ人街を通り抜け、美術館に着いた。
ここは静かだった。
美術館となっているが、ここは別名「エル・グレコの家」で、彼が住んでいたユダヤ人地区の家の一つを改築したものらしい。
入り口を入るとパティオがあって 2階部分は庭を取り囲むように回廊になっていた。
落ち着いた、小さな美術館だった。
のんびりと庭で休むこともできた。
この美術館には「トレドの景観と地図」という有名な絵があり、この絵を見ただけでも満足だった。
次は、せっかくトレドに来たのだからもう一つエル・グレコ最高傑作の一つ、「オルガス伯の埋葬」があるサント・トメ教会に行ったのだが、またここで中国人団体に捕まってしまった。
長い行列ができていて、とても入れる状態じゃなかった。
しょうがないからサント・トメ教会は諦めて、ソコドベール広場から出ている「ソコトレン(Zocotren)」という赤い列車型の観光ミニバスで街を一周した。
その街によって名前は色々だが、スペインのほとんどの街にはこのような観光トレインがあり、街を回ってくれる。
ソコトレンは途中下車はできないけれど、見どころでは少し時間をとってくれる。
そして、ソコトレンの1番のおすすめポイントは、タホ川の対岸の展望台。
ここで数分間の時間をとってくれ、降りて写真撮影もできた。
ここからの写真が正にエル・グレコの「トレドの景観と地図」だった。
トレドと言ったらこの風景に決まってる。
自力でここまで来るにはバスかタクシーを利用しなければならないので、ソコトレンはオススメ。
せっかくならばソコトレンの「右側の席」が良い。
なぜならば、ソコトレンのコースは右回りだから、この席ならばずっとトレド旧市街を見ながら乗っていられるから。
せっかくのトレドも前に来たよりもガッカリなことが多かった。
でも、あまりにも有名な街だから人が集まるのはしょうがないのかもしれない。
この日はトレドに1泊し、翌日はアランフェスに行く予定を立てていた。
アランフェスについては以前書いた。
トレドと違って静かな街だった。 → アランフェス