今年もよいことが沢山あった。そして新しいお友達も増えた。
級友たちとの再会も出来て私にとってとても良い年だった。
山歩きの好きな友達が私にプレゼントしてくれた素敵なこのシャツ。
ちっちネコが家に来てからピンク色に凝っている私の心を読んでか彼女は選んでくれた。
素敵なピンクと黒の縞模様のシャツは彼女のお気に入りのブランド。
亡くなった娘はクリスマスを2回続けて病院で迎えた。
16歳のときは足の手術で外科病棟で・・・・
17歳のときは脳腫瘍の治療で脳外科・・・・・
自分の体の重大な事を知らない娘はベッドの上でお見舞いに来る友人達に囲まれプレゼントを手にしてはしゃぎ嬉しそうな顔をしていた。
誰もが気ぜわしく過ごす年の瀬、病院の医師から娘の再発のことを告げられた。娘の病状は最悪で一瞬で呼吸が止まったり、心臓が止まったり・・・・そういうこともありと医師の宣告は残酷だった。
命みじかい娘にせめては手術前に見た公園の桜、そして術後に病棟の窓から見たハナミズキの咲くのを見させてあげたい・・・・・と美しい春まで命が続くことを神様に祈り続けたものだった。
祈りのかいもなく年が明け、成人式も過ぎた大寒の朝、命尽き果て17歳という若さでこの世を去った。
家族や友達の見守る中、私の腕の中で最後の言葉を交わして静かに息を引き取った彼女はまるで眠るかのようだった。
あれ以来、私にはクリスマスもお正月も何も意味のないものになってしまった。
おり悪く、私は更年期と重なり日々弱り、階段の上り降りも困難なほど元気を失くしていた。
わんこのひかるが来たのは娘が亡くなって7年近くたった9月、娘の誕生月で娘が生前から欲しがっていた犬種だった。その頃から徐々に山歩きが出来るようになり私も元気を取り戻していった。
そしてひかるが私たちの家族になって約7年、一月のこと彼も余命一カ月の宣告をされた。娘の命日が近づいていた頃のことだった。そしてその四月、娘のいる天国へ召されて行った。彼の死は、私が元気を取り戻したのを確認して娘のもとに旅立ったように感じた。
彼は娘に見させてあげたかった美しい春を何とか待ち、公園の桜をしっかりと見届け4月12日に亡くなった。
そして彼を荼毘に付した後の帰り道にハナミズキが満開になっているのを見た。
わんこのひかるは私の悲しみが深くなかなか癒えないのを案じてくれた娘からのプレゼントだったと私は思っている。
亡くなった娘は神様からの贈り物で、私に沢山の幸せを与えてくれるためにこの世に一時的に降りてきて、そして17歳、再び神様のもとに戻っていったのだと私は信じている。
あの悲しい日から、すでに20年近くが過ぎようとしている。
今でもクリスマスもお正月もさほど楽しい行事に思えないけど、この日は娘やわんこのひかるを思い出し、生きていることの感謝と喜びを感じる日と思っている。