映画とライフデザイン

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映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」 レオナルド・ディカプリオ

2014-02-16 12:48:12 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を映画館で見てきました。
レオナルド・ディカプリオがウォール街の異端児という役柄に没頭する。

マーティンスコセッシとの名コンビで、今回はディカプリオから監督やらないかとお誘いしたという。
アメリカ証券界で一世を風靡した男の半生記をもとにつくられた作品で、見るのを楽しみにしていた。
内容はちょっとぶっ飛ぶ。1年前に同じように贅沢三昧を前面に出す「華麗なるギャツビー」を演じたが、今回は時代が80年代後半から90年代と現代に時代を移し、ドラッグ、sexとかなりきわどい場面が多い。若干品がなく長いかな?という気もしたが、ディカプリオのパワーに驚く。

ニューヨークの中流家庭に育ったジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、22歳でウォール街に株式ブローカーとしてデビューするも、その日に87年のブラック・マンデーが発生し、会社がつぶれてしまう。未上場企業のボロ株を売りつける転職先で先輩(マシュー・マコノビー)からコツを教わり、ブローカーの才能を発揮する。26歳で(ジョナ・ヒル)や仲間と証券会社を設立する。


ベルフォートの指導でセールスのコツをつかんだ営業も金持ちの顧客を次から次へとつかみ、会社の規模をどんどんと拡大した。ベルフォートは年収49億円を稼ぎ出すようになる。稼いだ金で仲間たちと連日ドンチャン騒ぎで「ウォール街のウルフ」と『フォーブス』誌に取り上げられる。



ジョーダンは、苦労時代を共にした妻を捨て、元モデルの金髪美女(マーゴットロビー)と再婚し、我が世の春を満喫する。しかし、36歳になった彼には、FBIの捜査官(カイルチャンドラー)の手が迫っていた。
ジョーダンは贅沢な暮らしを維持するために、違法な株取引で稼いだ裏金をスイス銀行の頭取(ジャン・デュルジャン)のもとに運び込んでいたが、手口は読まれつつあった。



マーチンスコセッシ監督の音楽好きは有名だ。今回は彼の好みでロックを基調としたバックミュージックで、映画のテンポにはピッタリだ。エンディングのクレジットを見たら、ザ・バンドのロビーロバートソンの名前もあった。
個人的趣味でいうと彼の作品でも好き嫌いがある。一番好きなのはロバートデニーロ主演の初期の傑作「レイジングブル」だ。猛獣のようなボクサーの主人公が荒れ狂う姿に圧倒された。この主人公と同じような匂いをさせるのが「ギャングオブニューヨーク」のダニエルデイルイスの悪党ぶりである。リズミカルでテンポの良い「ディパーテッド」も大好きだ。逆に「ヒューゴの不思議な発明」は全然いいと思えず退屈だった。ノミネート多数にもかかわらずオスカーで受賞を逃したのは当然だろう。



この映画は「レイジングブル」ジョーぺシが演じたようなマネジャーと同じように、ジョナヒルをフルに活躍させる。このあたりがマーチンスコセッシの人使いがうまいところだ。映画「マネーボール」ジョナヒルブラッドピットと組んだ。同じような二枚目俳優との組み合わせの妙で今回も三枚目ぶりが冴える。「マネーボール」ではイェール大出の数字オタクであるインテリ策略家の役柄だったが、今回はまじめ一筋ではない。2人で一緒になって、ドラッグにSEXに狂うディカプリオの相棒を演じる。刺激の強いドラッグでメロメロになったり、立ちションをオフィス内でしたりするシーンが笑える。



この映画では営業を高揚させる場面が何度か出てくる。アフターファイブの時間でなく、真昼間からオフィスで売春婦を呼びながら大フィーバーするシーンは珍しい。今回のアカデミー賞主演男優賞候補のライバルでもあるマコノビーに営業を教えてもらうシーンもなかなか味がある。

自分で証券会社を始めてからの経営者としてのパフォーマンスはビジネスマンとして勉強になる。学歴も職歴も半端者みたいな連中をかき集めて、セールスを電話営業へと駆り立てる。営業マン達の潜在的パワーやモチベーションを全開させようとする姿は見ていてカッコいい。ここで見る限り、人心掌握はお手のものといった経営者だ。。

映画では集団での売り買いを株価操作という話にもつなげているが、実際バブルと言われた時代の日本の証券会社の支店フロアは同じような感じだったのだろう。推奨銘柄を支店長、営業課長が先頭に立ってこれを売れとばかりに営業に鼓舞し、顧客への電話営業に駆り立てる。当時シナリオ営業と言われN証券の得意技だった。

昨年のディカプリオ「ジャンゴ」ですごいワイルドな演技を見せ、「華麗なるギャツビー」は贅沢な雰囲気を楽しんでいる印象を受けた。ここでも若い美女を次から次に周辺にはべらせ前よりも楽しんでいる印象だ。この主人公同様ディカプリオがちょっとやそっとの刺激では満足できないようになっているのであろう。ドラッグで運転するシーンなんて面白くて笑えるが、映画を見終わる頃に、心なしか少し太って見える彼の姿をみると、公私ともども楽しんでいたのであろう。

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