
映画界で繰り返し取り上げられているテーマとして大戦後の映画界の「赤狩り」がある。
「真実の瞬間」は91年のロバートデニーロ主演作品だ。「赤狩り」で窮地に陥る映画監督の偶像をいちばんよく表現していると思う。これでもかこれでもかと攻め立てるアメリカ政府当局の執拗な動きには少々驚いた。戦前の日本の特高警察と大して変わらない。
1951年9月、売れっ子監督デイヴィッド・メリルことロバート・デ・ニーロはフランスから帰国した。家庭を顧みない彼は元妻アネット・ベニングと離婚していた。息子にはときどき会わせてもらっていた。帰国パーティの席上、突然女優のドロシー・ノーランが夫のシナリオ・ライターことクリス・クーパーをなじり始めた。彼が共産主義者を取り締まる委員会に友人を売ったというのだ。
映画界のドンから呼び出しを受けたロバートは弁護士に会うように言われた。共産主義者としてのブラック・リストに名前が挙がっているので、誰かを売ることを弁護士に勧められた。ロバートは共産主義者の集会に出たことはあったが、論争になってケンカ別れをして以来共産主義者とは縁がなかった。党員でないロバートは断固たれ込みを拒否した。帰宅すると女優がFBIの力により息子の保護権を奪われたことを知った。ロバートは仕事を奪われ、撮影所には出入り禁止となる。ロバートはブロードウェイにいる昔の仲間を頼って求職のためニューヨークへ行く。そこでもFBIは妨害し、彼が面倒を見た女優でさえ彼を避けた。見かねた元妻アネットべ二ングが見かねて息子と3人で住む。状況は好転しないが。。。。
ソビエトとの冷戦の時代、共産主義者の疑いのある者を糾弾する「赤狩り」が行われた。下院非米活動委員会によって、多くの芸術家が攻撃され、ハリウッドの映画界もその嵐に巻き込まれていた。
「エデンの東」「波止場」のエリア・カザン監督も共産主義者の嫌疑がかけられた。エリアカザンはこれを否定するために司法取引し、友人の劇作家・演出家・映画監督・俳優ら11人の名前を同委員会にもらした。逆にこのたれ込みがなければ、名作「エデンの東」もなく、ジェームスディーンというスターが生まれなかったかもしれない。1998年、エリアカザンは長年の映画界に対する功労に対してアカデミー賞「名誉賞」を与えられた。赤狩り時代の行動を批判する一部の映画人からはブーイングを浴びる異例の扱いを受けた。
ここでのロバートデニーロは反対の行為を演じる。第3者の名をあげることを拒絶する。映画の最後の最後まで徹底的に当局から虐待を受ける。すさまじい話だ。
一つだけわからないことがある。エリアカザンがオスカー名誉賞を受賞した時のプレゼンターがなんとロバートデニーロと映画「真実の瞬間」に俳優として出演していたマーチンスコセッシ監督だったそうだ。これがどういう意味を持つのか自分にはわからない。皮肉かな?

あとは若き日のアネットべ二ングの美貌に注目したい。個人的には大ファンだ。今の彼女も素敵だと思う。たくさんある彼女の作品の中でもこの映画の知的美貌は際立つ。今年ナタリーポートマンにオスカー主演女優賞をさらわれたが、これから先に期待したい。
「真実の瞬間」は91年のロバートデニーロ主演作品だ。「赤狩り」で窮地に陥る映画監督の偶像をいちばんよく表現していると思う。これでもかこれでもかと攻め立てるアメリカ政府当局の執拗な動きには少々驚いた。戦前の日本の特高警察と大して変わらない。
1951年9月、売れっ子監督デイヴィッド・メリルことロバート・デ・ニーロはフランスから帰国した。家庭を顧みない彼は元妻アネット・ベニングと離婚していた。息子にはときどき会わせてもらっていた。帰国パーティの席上、突然女優のドロシー・ノーランが夫のシナリオ・ライターことクリス・クーパーをなじり始めた。彼が共産主義者を取り締まる委員会に友人を売ったというのだ。
映画界のドンから呼び出しを受けたロバートは弁護士に会うように言われた。共産主義者としてのブラック・リストに名前が挙がっているので、誰かを売ることを弁護士に勧められた。ロバートは共産主義者の集会に出たことはあったが、論争になってケンカ別れをして以来共産主義者とは縁がなかった。党員でないロバートは断固たれ込みを拒否した。帰宅すると女優がFBIの力により息子の保護権を奪われたことを知った。ロバートは仕事を奪われ、撮影所には出入り禁止となる。ロバートはブロードウェイにいる昔の仲間を頼って求職のためニューヨークへ行く。そこでもFBIは妨害し、彼が面倒を見た女優でさえ彼を避けた。見かねた元妻アネットべ二ングが見かねて息子と3人で住む。状況は好転しないが。。。。
ソビエトとの冷戦の時代、共産主義者の疑いのある者を糾弾する「赤狩り」が行われた。下院非米活動委員会によって、多くの芸術家が攻撃され、ハリウッドの映画界もその嵐に巻き込まれていた。
「エデンの東」「波止場」のエリア・カザン監督も共産主義者の嫌疑がかけられた。エリアカザンはこれを否定するために司法取引し、友人の劇作家・演出家・映画監督・俳優ら11人の名前を同委員会にもらした。逆にこのたれ込みがなければ、名作「エデンの東」もなく、ジェームスディーンというスターが生まれなかったかもしれない。1998年、エリアカザンは長年の映画界に対する功労に対してアカデミー賞「名誉賞」を与えられた。赤狩り時代の行動を批判する一部の映画人からはブーイングを浴びる異例の扱いを受けた。
ここでのロバートデニーロは反対の行為を演じる。第3者の名をあげることを拒絶する。映画の最後の最後まで徹底的に当局から虐待を受ける。すさまじい話だ。
一つだけわからないことがある。エリアカザンがオスカー名誉賞を受賞した時のプレゼンターがなんとロバートデニーロと映画「真実の瞬間」に俳優として出演していたマーチンスコセッシ監督だったそうだ。これがどういう意味を持つのか自分にはわからない。皮肉かな?

あとは若き日のアネットべ二ングの美貌に注目したい。個人的には大ファンだ。今の彼女も素敵だと思う。たくさんある彼女の作品の中でもこの映画の知的美貌は際立つ。今年ナタリーポートマンにオスカー主演女優賞をさらわれたが、これから先に期待したい。