映画とライフデザイン

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南太平洋の若大将  前田美波里

2009-09-03 17:11:12 | 映画(日本 昭和35年~49年)
67年の加山雄三「若大将」シリーズ。ハワイとタヒチにロケの豪華版で、日に焼けた前田美波里が圧倒的な存在感を示す。ストーリーはワンパターンだが、脇役の巧妙さでシリーズの中でも楽しい作品である。

水産大学に学ぶ若大将加山雄三と青大将田中邦衛は実地研修でハワイのホノルルに来ている。研修が終わり最後のホノルルで、日本料理屋に出没した。そこにはパンナムスチュワーデス星由里子がいた。酔客にからまれている星を助けようとした青大将が相手とケンカになり、若大将が助ける。そののちハワイの日本料理屋の女将から連絡が来て来日。娘を連れてきたのが前田美波里である。そこからはいつものドタバタ劇。若大将に恋するスッチーの星由里子と前田美波里の駆け引きと、星を追う青大将の関係でストーリーが流れていく。

まだ19歳の前田美波里の迫力はすさまじい。当時こんなに迫力のある女優はいなかったと思う。ハワイやタヒチの海岸が非常に似合う。ビキニ姿がまぶしく、圧倒される。加山雄三と二人で潜水するシーンは本人たちがやっているようでいい感じだ。
脇役陣の常連たちが冴えまくる。田中邦衛、飯田蝶子、左ト全の3人が特に光る。
好演と思われるのは飯田蝶子だ。「エレキの若大将」の所でも書いたが、奇想天外な動きを見せる。外国から来た客人の前で踊る宴会芸は演技とは思えず、地をいっているのではないか?すごい!自分が小さいころはおばあちゃんというと飯田蝶子か浦辺粂子だった。今見るとこんなに面白い人だったのかと笑うしかない。若大将シリーズのリバイバル作品をやったときに飯田蝶子さんがいないのが本当に寂しかったと7月の日経「私の履歴書」に加山雄三が書いていた。気持ちは実によくわかる。
左ト全のすっとぼけたところも面白い。黒澤映画で存在感を示すが、若大将シリーズもなかなか笑える。子供たちとの合唱「老人と子供のポルカ」がものすごくヒットしたのは記憶に残っている。
あこがれのパンナム飛行機は「アルプスの若大将」に続く。当時みんなの憧れの的だった。12年前ニューヨークに行ったとき、昔のパンナムビルがそのまま残っていたが、メットライフビルに名称が変わっていたのはちょっと残念だった。星由里子のスッチー姿がいつもながら素敵だ。 いずれにせよ「若大将」「クレイジー映画」「森繁の社長シリーズ」どれもこれも見ていて楽しい。いい時代の東宝である。

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