映画とライフデザイン

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映画「バビロン」 ブラッドピット&マーゴットロビー

2023-02-13 20:37:53 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)
映画「バビロン」を映画館で観てきました。


映画「バビロン」は映画産業創成期のハリウッドを舞台にしたブラッドピット主演の新作である。メガホンをとるのは「ラ・ラ・ランド」でアカデミー監督賞を受賞したデイミアン・チャゼルだ。予告編で映る派手なパーティシーンが気になり、189分という長尺の上映時間に後ずさりしつつも映画館に向かう。

1926年サイレント時代の映画界の人気スタージャック・コンラッド(ブラッド・ピット)に大勢の取り巻きがたむろうド派手なパーティが開催されている。パーティには人気女優に這い上がろうとする新進女優ネリー・ラロイ(マーゴット・ロビー)が入り込む。パーティの見せ物に象をトラックで運ぶイスパニア系のマニー(ディエゴ・カルバ)が気がつくとコンラッドに気に入られて映画コミュニティに入っていく。

やがて、字幕付きのサイレント時代からトーキー時代に移り、映画界の情勢も少しづつ変わっていくという話だ。

個々のシーンはよく考えられて実におもしろい
お金もかかっていて娯楽としての映画の醍醐味を味わえる。しかも、美術、音楽ともに完璧だ。ただ、いかんせん長すぎる!ハーバード出身のインテリ監督デイミアンチャゼルは出世作「セッション」は106分、「ララランド」も128分にまとめた。映画史を振り返る一面があったとしてもあと30分は縮めたほうがいいと感じる。


ブラッドピットほど黒タキシードが似合う男は見当たらない。まったくの適役だ。でも、割と正統派な役柄だけに、今回は自由奔放なマーゴットロビーの活躍がきわだつ。イスパニア系の映画プロデューサーになるディエゴ・カルバにも焦点が徐々にあてられる。


⒈喧騒のパーティー
いきなりド派手なパーティーシーンとなる。まさに酒池肉林だ。ゴチャゴチャしているように見えるが、全体で見ると「木」が「森」になるような均整がとれている。裸の男女が戯れる中でそれぞれのダンスやパフォーマンスがバラバラなのに、不思議とよく見えた。近作ではバズラーマン監督版の「華麗なるギャツビー」がずいぶんときらびやかだった。あの時も、トビーマグワイアがニックキャラウェイ役で出演していた。

トビーマグワイアは今回総合プロデューサーで、かつマフィア役で出演している。うぶなスパイダーマンが気がつくと悪党にというわけでないが、奇妙なメイクをして出てくる。その悪の住処で、ガチンコ格闘技をやっていたり、凶暴なワニがいたり、猿人のような男が出てきたりで「ナイトメアアーリー」の見せ物小屋のような雰囲気を持つ。ともかく、美術には凝っている。


⒉マーゴットロビー
喧騒のパーティーからひたすら目立つ。最終的に落ちぶれる設定のブラットピットよりも目立つ。サイレントからトーキーに移る時代に、TAKE1から8回演技を繰り返すシーンは笑える。上流パーティーに連れて行かされて、場にあわずにキレるシーンの迫力がものすごい。毒ヘビに対峙したり、中国人歌手とキスしたり、この映画はマーゴットロビーのためにあるように見えてしまう。


他にもイスパニア系のプロデューサーもマーゴットロビーとともに活躍させるし、黒人トランペッターにも見せ場を与える。ただ、誰もこれもとちょっと登場させすぎた分長くなりすぎたのかな?これも「ララランド」が当たりすぎて予算がもらえすぎたのかもしれない。デイミアンチャゼル監督はもう一度「セッション」の原点に戻るくらいに次作は調整してほしい。
コメント
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