映画とライフデザイン

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映画「シャドウ・プレイ」 ロウ・イエ

2023-02-01 20:13:20 | 映画(アジア)
映画「シャドウ・プレイ」を映画館で観てきました。


映画「シャドウプレイ」は中国のロウイエ監督が広州の都市開発エリアで実際に起きた事件に基づいて制作した作品だ。台湾、香港のロケ撮影を含めて2017年には完成していて2019年に中国公開、今回ようやく日本公開となる。中国の裏社会に通じるフィルムノワール映画ってわりと好きだ。「罪の手ざわり」以降のジャ・ジャンクー作品でも裏社会が絡んだ移り行く中国を映し出す。ただ、こういう類の映画はあまり当局からはよく見られていない。完成から中国公開に2年かかったことでもよくわかる。

強烈に電圧の高い映画である。
アクション映画としてのレベルが高い。一見の価値がある。
カット割りが多く、スピード感がある。「仁義なき戦い」を思わせる手持ちカメラの映像を駆使して素早いテンポで進む。ブレまくりの映像で緊迫感が高まる。タンの妻リンがアユンと車の中でもめに揉めるシーンがある。激しいシーンでこちらまで身をくねらせてしまう。ただ、いったいどうやってこのシーンを撮ったんだろうと思わせる。カメラワークが凄すぎる。



2013年広州天河区の高層ビルが建ち並ぶ横にゴチャゴチャした住宅が並ぶエリアがあった。開発業者が立ち退きの条件交渉をしている時に、解体工事が着手された。


怒った住民たちが暴動を起こすと、役所の補償責任者タン(チャン・ソンウェン)が仲裁に入る。ところが、肝心のタンがビルの上から転落して死亡する。開発業者の社長ジャン(チン・ハオ)がタンの殺しに絡んでいるのではとの疑いもあり、ヤン刑事(ジン・ボーラン)が捜査を始める。いきなり妨害に入られて要らぬ疑いを持たれる。タンの妻リン(ソン・ジア)がジャンの元恋人だったことやビジネスの相棒アユンが行方不明になったことを含めてヤン刑事が事件を追う。


香港ノワールやクライムサスペンスが得意な韓国映画でもここまで凄まじいアクションを観たことがない。香港や台湾ロケも含めてお金がかかっている印象を受ける。他の中国映画同様エロティックなシーンは抑え気味だが、残虐さは半端でない


中国人からすると、立ち退き「収用による補償金をたくさんもらえて儲かる。這いあがるチャンスだ」という気持ちが強い。その趣旨でいくと、他にも似たような作品はある。でも、ここまでのすごいアクションは見せない。

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