映画とライフデザイン

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白いカラス  アンソニーホプキンス

2010-08-08 20:57:04 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
クレイマークレイマーのロバート・ベントン監督によるアンソニーホプキンスとニコール・キッドマン主演の2003年の作品。人種差別問題で教授を辞した男の恋の物語である

アンソニーホプキンスはユダヤ人で初めての古典文学教授だった。しかし、講義中に発した一言が黒人差別だと批判され、辞職に追い込まれてしまう。怒りをぶつけるため、ホプキンスは作家に、この事件を本にしてくれと依頼する。作家は断るが、2人の間には不思議な友情が芽生えていった。その後、ホプキンスにはニコール・キッドマンという若い恋人ができる。幼少時代の虐待やベトナム帰還兵の夫エド・ハリスの暴力に悩んでいた清掃の仕事をしている34歳の女性だ。彼にも長年連れ添った亡き妻にさえ隠していた決して知られてはいけない秘密があるのだった。二人はいつのまにか恋にはまっていくのであるが。。。



静かに奏でる音楽をベースにしてしっとりと映像がつくられている。アンソニーホプキンスはいつもながらの安定感のある演技である。性格的にアグレッシブな男だ。今回は教授を首になり世捨て人になった状態で、ニコールキッドマンという美女を相手にして恋の駆け引きをする役だ。最近ベン・キングスレーがぺネロぺ・クルスを相手に「エレジー」という映画を演じていた。60を過ぎた大ベテラン俳優が30代の超美人女優を相手に最後の恋に落ちるという設定は時折みられる。これはこれで男の秘めた願望であろう。演じること自体うらやましい感じはする。

配役はぜいたくである。
二人の主役のほかにニコールキッドマンの元夫役にエドハリスが登場する。悪役を演じたら当代きっての名俳優だ。ベトナムの帰還兵という設定でかなり荒っぽい男を演じる。低音が効いている音楽というべきか?作家を演じるゲイリー・シニーズもいい。割と器用な俳優で、悪役をやらせてもうまい。「身代金」の黒幕役がよかった。
アンソニーホプキンスの若いころを演じる男ウェントワース・ミラーとその彼女が出てくる。ボクシングのシーンにも挑んで、なかなかの熱演だ。大胆なシーンも散らしながら、ホプキンスの悩みのルーツに触れていく。



傑作という訳ではないが、映画巧者による安心して観れた映画である。

コメント
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