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映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「サマーフィルムにのって」伊藤万理華

2021-08-10 07:06:18 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「サマーフィルムにのって」を映画館で観てきました。


これはおもしろい!
高校生の映画作りって題材にしやすいが、その中でも「サマーフィルムにのって」飛びきりの青春映画である。東京オリンピックで20歳前後の女の子の活躍が際立つ。ついつい公開映画も老人系やネクラ映画でなく青春映画に目が向く。これは大正解だった。有名な俳優が出演しているわけではないが、若手俳優人のパワーに引っ張られる。

高校の映画部で、文化祭に向けてラブコメ作品の上映の準備をしているのに対抗して、部で浮いている時代劇オタクの女子高生がオリジナル脚本の主人公剣士にピッタリのキャストを見つけ、スタッフを集めてオリジナル時代劇を作ろうとする話である。

時代劇オタクの女の子なんて見たことない。オタク女の個性だけで引っ張る。映画部の主流派との葛藤はあっても、まったくいやらしくなく、高校生の仲間としての連帯感という方向に持っていって清々しい。自分は若い気力に押される一方であった。最終に向けては、しんみりするわけでなくジーンとする場面もあり、映画館で近くにいた自分と同世代のオヤジが泣いているのに気づく。

高校の映画部に所属するハダシ(伊藤 万理華)は時代劇オタクで勝新を敬愛していて、天文部に所属するビート板(河合 優実)や剣道部の女剣士ブルーハワイ(祷 キララ)とともにたまり場で時代劇を楽しんでいる。

文化祭に向けて、映画部では、主流派でかわいい系のかりん(甲田まひる)が監督・主演する「好き」を連発するラブ・コメディを製作中であった。ハダシの書いた脚本「武士の青春」は却下されくすぶっていた。


いつものように地元の名画座で時代劇を楽しもうとしたら、映画館で武士役にぴったりな凛太郎(金子 大地)を見つける。ハダシは早速アプローチしてみるが、断られる。でも、タダでは引き下がらない。悪友のビート板やブルーハワイを仲間に入れて、主流派に対抗して「武士の青春」を文化祭で上映しようと企む。しかも、照明や録音係にピッタリの男性スタッフを入れて撮り始めようとする。

でも、撮影が進んでいっても、凛太郎の様子がいつも変だ。実は彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があったのだ。

⒈時代劇オタクの女子高校生と座頭市
ハダシは下校時にトレーラーバスのようなボロいバスに向かいその中に入る。このバスの存在が未だに謎だけど、ハダシたちのたまり場だ。そこには時代劇のポスターが貼ってあり、映画の資料が転がっている。そこで、三隅研次監督、勝新太郎の「座頭市物語をみる。渋いねえ。


これって座頭市シリーズ第1作だけど、最後に勝新太郎と剣を競うのは「非情のライセンス」天知茂だ。「座頭市物語」は自分もブログにもアップした。三隅研次監督作品は照明の使い方が巧みで夜のムードを出すのが天下一品だ。

その他にも「椿三十郎」の三船敏郎「眠狂四郎」の市川雷蔵の剣さばきのモノマネをハダシがする場面が出てくる。渋いねえ!墓場の奥から2人とも大喜びだろう。こんな女の子が実際にいたら会ってみてお話がしたい。オヤジはこういう子に弱いのだ。

⒉余計なキャストの省略
結局最後までハダシの両親って出てこなかった。今年公開でわりと面白かったまともじゃないのは君も一緒清原果耶の両親役が出てこなかったのと同様である。実は、ここでハダシの親が出てこないことで時間の短縮がはかれる。
伊藤万理華と清原果耶の演じている役柄も、積極的で自立している高校生ということでは似ている。性格もイメージもダブった。


その代わりに、個性豊かな仲間を用意する。天文部のリケジョは凛太郎がタイムトラベラーでやってくることで関わりを持ち、剣道部の女剣士は男性助演者たちに殺陣指導してしまう。キャッチングの音でどのピッチャーが投げるかを聞き分けるメンバーを録音係で野球部から連れてきて、ライトをつけまくる自転車を乗り回す男子生徒を照明にスカウトする。目線はあくまで高校の同期だ。そうやって大人を介入させないのもいい。あだ名だけなのもいいよね。


⒊SFファンタジー的要素
凛太郎は未来から来た設定だ。別に超能力があるわけではない。ある意味、ターミネーターと同じなのだ。あえてネタバレ気にせずに語れるのも、普通、こういうstrangerを映画に登場させるのは、ドラマではラスト寸前になることが多い。


ちょっと古いが「魔法使いサリー」だって、最終回で初めて本性が周囲にあからさまになる。ところが、わかるときが最後ではない。わかってからも映画づくりが続くのだ。それがこれまでと違う。そこからのいくつかの葛藤はネタバレで言わない。そして、すばらしいラストに向かう。

⒋ロケハン成功
地方都市が舞台だ。街の名前は出てこない。映画を観ていて、栃木県の足利市では?と推測したが、エンディングロールで改めてそうだとわかる。内陸部の人口約15万の街だけど、森高千里が「渡良瀬橋」をしみじみ歌っている街だ。30代から40代にかけて転勤で栃木にいたので、月に数回行った。すぐピンとくる。北関東の若干街が寂れてきている昭和的建物の要素と、遠くに小高い山が見える渡良瀬川の河岸の風景が映画とは相性がいい。


自分のようなオヤジでもこの映画おもしろかった。この映画を引っ張る伊藤万理華と共演の若者たちから気持ちの良いパワーをいただいていた。クズのような手のひら返しのリベラル老人の反対にも負けずオリンピックやって本当に良かったね。世間が思っている以上に今の若者はすばらしい。

松本壮史監督のセンスは抜群だ。全般的に音楽は良かったけど、エンディングロールに流れる主題歌で気分が高揚した。
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映画「明日の食卓」 菅野美穂&尾野真千子

2021-05-30 06:41:18 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「明日の食卓」を映画館で観てきました。


「明日の食卓」ではの久々映画登場の菅野美穂、ここのところの活躍が著しい尾野真千子に加えて高畑充希の3人の女優がメインで登場するという。期待して映画館に向かう。
それぞれに石橋ユウという10才の男の子を持つ3人の母親が、家族に起きる諸事に悪戦苦闘するオムニバス映画的作品である。ほぼ同時進行で動くが3人は交わらず、別々の話として独立している。


結果的にはイマイチであった。
予備知識がなく映画を観たが、原作はあるという。男がすべて悪いというように捉えて女性受けを狙ったように思えるセリフとストーリーは、たぶん女流作家だろうなあと思ったら、案の定そうだった。脚本も女性である。男性から見ると、あまりに不自然なセリフと展開でちょっとあきれた。久々の期待外れであった。残念。

⒈菅野美穂
夫はカメラマンで、男の子2人の家族の専業主婦である。兄弟ケンカを静めるのに母親はおおわらわだ。子育てをブログで公表していて、アクセスも多く世間のママたちに支持されている。そういう中で、フリーのライターになるチャンスを得る。

家事との両立は難しいが、何とか頑張る。そんな時に、夫が今までレギュラーだった仕事からおろされる。夫にも子育てに協力をと頼んできた。しかし、仕事がなくなってからもあまり協力的でない。むしろ、妻に子育ては母親の仕事で何で家にいないんだともいう。まったく家族がかみ合わなくなるのだ。


菅野美穂も二児の母親となり、若干雰囲気もお母さんぽく変わった。男兄弟だけの母親は何かと子育てが大変である。そんな母親像をうまく演じていると思う。でもツッコミを入れると、やがて離婚に向けて進んでいくが、この父親は失職までの話から言えば、もうちょっと理解があってまともな人物のような気がする。でも、突然変異させて修羅場をつくり強引に離婚に結びつけようとしているのに、ちょっとストーリーに無理があるように見える。

⒉尾野真千子
富士山の見える静岡の街で、遠距離通勤を選んだ夫が母親宅の隣りに一戸建てを建てて、成績優秀な息子ユウと暮らしている。義母(真行寺君枝)からはお互い干渉せずに暮らそうと言われている。

いわゆる「よい子」の息子が、一緒によく遊んでいる混血の少年をいじめていると、先方の母親からクレームの電話が入る。自分の息子に限ってと思い確かめるとそんなことはしないと息子に泣かれる。どうも別の子がいじめているらしい。でも、学校に呼ばれて事情を聴かれる。そこで初めて息子が別の子に指示していじめさせていることがわかる。しかも、息子は薄ら笑い。そのあと息子が義母を虐待する場面にも出くわすのである。


尾野真千子も風俗嬢やキャバクラ嬢をやって生計を立てるシングルマザーなんて役柄が続いた。それぞれ面倒そうな役だった。今度が姑との軽い葛藤はあれど1番普通そうな母親に見えた。結局は息子の異常性が浮き彫りになるし、夫のマザコン性をあえて強調させるいかにも女性っぽい話に仕上がっている。ただ、ここでツッコミ入れると、最後に向けて母子一緒に泣いたりしているけど、実は最後まで息子ユウの異常性は解決していないのだ。この後神戸で起きた変態惨殺的事件犯しても不思議でない。


⒊高畑充希
大阪在住でコンビニで長時間勤務して、それ以外の時間は工場で働く。同様にユウという息子がいる母親だ。金銭的にギリギリでやりくりするもっともシングルマザーらしいシングルマザーだ。自分の母親(烏丸せつこ)からの援助は受けないと突っ張っている。金がないくせにこういう女ってよくいるよね。


弟がいて、誕生日を狙ってやってきて結局はカネをせびる。ない袖はふれないが小遣い銭を渡す。でも、そんな時に工場からリストラされてしまうのだ。あなたなら若いから勤め先はあるでしょうというばかりに。しかも、そんな窮地に弟がいない隙にやってきて通帳を持ち逃げする。息子の同級生の母親からはデリヘルやらないかと言われ、断るとあんたはカッコつけていると罵倒される。

こういうのはこの手のシングルマザーストーリーにはよくある話かもしれない。確かにこれだけじゃ一本の映画は作れないけどね。


そんな3つの話を交差させて上に、突然同じユウという名の息子を持つ服役囚の大島優子を少しだけ登場させる。映画を観終わった後もここで登場させる意味がさっぱりわからない。いずれにせよ、ストーリーを広げながら全部辻褄が合わない中途半端な作品にしてしまった感がある。女性監督の西川美和監督作品とは大きなレベル差を感じる。

⒋烏丸せつこと真行寺君枝
自分の若い頃はいい女として相当もてはやされた2人である。
烏丸せつこには自分たちの世代はあの巨乳に相当お世話になったと思う。大杉漣の遺作「教誨師にも支離滅裂な死刑囚として出ていた。元クラリオンガールの面影はもうない。ずいぶん年とったなあと思ったけど、今回も同じだ。逆に、いわゆるコテコテ大阪弁話すナニワのオバちゃんが実にうまい。同じような役柄あったら、また指名されるんじゃないだろうか?


真行寺君枝は自分の家の近くにある高校に通っていた。切れ長の目で「ゆれるまなざし」にみんなドキドキした。でも、村上春樹のデビュー作の映画化風の歌を聴けは申し訳ないが、イマイチだった。出てくるカフェがショボすぎて、読んでいてビールを飲みたくなるような小説の雰囲気がまったく出ていない。それでも、その後地味にいろんな作品にも出ているし、ヌードにもなった。あの真行寺君枝が認知症じみた義母の役とはお互いに年取ったなあと言いたい。


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映画「茜色に焼かれる」 尾野真千子&石井裕也

2021-05-22 22:47:46 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「茜色に焼かれる」を映画館でみてきました。


「茜色に焼かれる」石井裕也監督の新作である。川の底からこんにちは以来追いかけていた監督であるが、最近は題材に関心を持てずロードショーは行っていない。「舟を編む」が好きだ。今回は、コロナ禍での撮影と尾野真千子がシングルマザーを演じるという予備知識だけで公開早々観に行った。都内で上映館が少なく満席である。

高齢者運転による事故で犠牲になった夫と死別してシングルマザーとなった主人公が、中学生の息子と2人なんとか生きていこうとする姿を描く。オダギリジョー演じる夫が高齢者運転の犠牲になるシーンは明らかに現在裁判になっている「池袋の老人暴走事件」を意識している。

石井裕也作品独特のユーモアを持ちながら、いくつもの逸話を重ねていく。いかにも今の世相で取り上げられていそうな話が多い。でも、思想や政治的な要素はなく長時間飽きさせない映像を堪能できた。1年を通じてたぶん上位に評価される作品となるであろう。


葬儀の席に参列しようとする主人公田中良子(尾野真千子)が遺族と関係者にお焼香を止められている。7年前ブレーキとアクセルの操作を誤った加害者である老人の運転で夫(オダギリジョー)が犠牲になった。当事者に謝ってもらえないという理由で慰謝料の受領を拒否して、今後請求しないという示談書にもサインしている。それなのに弔問だ。

家賃2万7000円の公営団地で、中学生の息子純平(和田庵)と2人で住み、ホームセンターで働き慎ましい生活をしている。その一方で、家族には内緒でスペシャル専門の風俗で働いている。夫側の義父が住む施設の費用を支払い、夫が外につくった女の子どもの養育費まで支払っている。一度潰したカフェをもう一度やりたいと思っている。お金はいくらあっても足りない。

息子が学校で突然いじめっ子グループから交通事故の慰謝料をもらっているくせに、税金で補填する公営団地に住んで、しかも母親は売春婦だとからかわれ暴力まで振るわれる。母親にはそのことは言えない。Yシャツに血がついているのを見て、きっといじめられているのではと良子は学校側に強く抗議するが、教員は親身になってくれない。そんな時、良子は偶然に中学校の同級生と再会して心が和む。


ある時、風俗店の同僚ケイ(片山友希)に誘われて飲みに行った時に酔いつぶれてしまい息子が迎えに来る。その際、ケイと息子が意気投合する。ケイに接近しようとするが、どうも良からぬ筋の男と付き合っているのを恐る恐るつけていくのであるが。。。

⒈池袋暴走殺傷事件
高齢者運転による事故が多発している中でも、この事件は最も象徴的な事件となっている。亡くなった母子はじめ被害者の方々は本当にお気の毒である。100キロもスピードが出ているわけだからブレーキとアクセルの踏み間違いが推測される。でも、この事件があった後で、加害者は逮捕されていない。現在裁判進行中である。世間は呆れてものが言えないといったところだ。

政治にしろコロナ対策にせよ良い悪いが世間で言われる。現政権への批判も強いが、野党が政権をとったら大変なことになると、菅政権をかばう人も多い。ただ、池袋事件の加害者に対して腹が立たない人は、左右両派のどちらにもいないだろう。それくらい日本国民の敵といった象徴的存在だ。

「茜色に焼かれて」でも、オダギリジョー演じる夫を車でひいた老人の設定をあえて同じように元上級官僚として、あの事件を思い起こさせる。妙に観客の我々に同情心を起こさせる。ただ、この映画では加害者が亡くなって盛大な葬儀を執り行って多くの参列者が来ているとしているが、現実的にはこうはならないんじゃないかなぁという気がした。


⒉風俗嬢と尾野真千子
尾野真千子の作品は多々あれど、ハズレはない。最近の「ヤクザと家族」ではキャバクラ嬢を演じたが、ここでは口でいかせる風俗嬢となる。ちょっと前多かった普通の主婦って感じではない。


実は、この主人公ってちょっと変人である。交通事故で被害者の遺族となった訳だから、当然保険経由で賠償金が支払われるのであるが、加害者が謝らないという理由でカネを受け取らない。しかも、加害者の死顔を見てやろうと葬式に行く。

こういう人っているのかなあ?しかも、義父の施設の費用の大部分を負担した上に、夫が外腹でつくった子の養育費まで支払う。それでいて、風俗で働いている。設定に無理がある気もするが、あえてここまで大げさにしている。生活苦で食いぶちを風俗に求めるシングルマザーは少なくないだろう。でもコロナじゃ怖くて男どももいかないからきびしいよね。


⒊女体神社
渋谷のセンター街が出てきたと思ったら、川のそばを自転車で疾走したり、風俗店は北関東の匂いもする。東和銀行の店舗外のキャッシュコーナーも出てくるからこの舞台はは群馬かな?なんて思うくらいロケ地はバラバラだ。まあ、ロケハンも大変だからそんなところに統一性持たせるのは無理かな?と思っていたら、神社の境内が出てくる。見たことあるところだ。


この神社の境内に似たところあるなと見ていると、詰めの部分でもう一度出てくる。あれ?これって女体神社じゃないの?と気づく。その後すぐさま氷川女体神社の文字が見えてやっぱりそうかと思う。浦和の奥の奥で、いつも参拝している神社である。派手さは皆無、でも家族で行く。免許取り立ての娘と神社近くの公園までドライブで追随した。

埼玉勤務の時、イマイチ乗り切れない営業マンが行って成績向上を祈ることで知った神社だ。御利益はあった。氷川神社が男の神社で、女体神社が女を祀る。こんなところで出てくるとはびっくり。偶然に主人公が中学校の同級生と神社で再会するが、浦和といっても超辺鄙なこの場所で会うというのは絶対にあり得ない場所だ。

そう言えば、石井裕也監督は埼玉県出身ということに気づく。キネマ旬報ベストテン1位の「夜空はいつでも最高密度の青色だ」よりはこっちの方がいいと思うなあ。

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映画「空に住む」 多部未華子&青山真治

2021-05-15 20:54:23 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「空に住む」は2020年公開の青山真治監督作品


都内映画館も都の矛盾だらけのご指導でやったりやらなかったり、ついついこっちもAmazonやNetflix頼みとなる。いくつか見た中で自分とテイストがあったのが「空に住む」である。青山真治監督作品には好きなのも嫌いなのもある。「空に住む」も独特のおっとりしたムードが流れる。展開と雰囲気自体は自分の頭にすんなり馴染む。キネマ旬報と映画芸術のベストテンに共通して入る作品はよくできた作品が多いと何度も言ったが、「空に住む」もその1つである。

都会のタワーマンションに突如1人で暮らすことになった編集者の女の子が同じタワーマンションに住む超有名俳優と偶然知り合い接近する顛末である。大人のおとぎ話のような流れも持つ。ファンタジーではない。それでも、こんなこと夢物語で絶対ありえないだろうとは思わせないストーリー展開だ。


郊外の小さな出版社に勤める直実(多部未華子)は、両親の急死を受け止めきれないまま、叔父(鶴見辰吾)夫婦の計らいで大都会を見下ろすタワーマンションの高層階に住むことになった。

長年の相棒・黒猫ハルとの暮らし、ワケアリ妊婦の後輩(岸井ゆきの)をはじめ気心のしれた仲間に囲まれた職場、それでも喪失感を抱え、浮遊するように生きる直実の前に現れたのは、同じマンションに住むスター俳優・時戸森則(岩田剛典)だった。ひょんなきっかけで2人は急接近するのであるが。。。


⒈偶然の出会い
たまたまエレベーターで何回か出会って会話を交わすようになる。マンションの外には大きな広告看板に時戸の顔がクローズアップされている。話すようになり、直実も有名俳優だと気づくと、ちょっとビビってしまう。そんな時戸から「オムライス」が食べたいと言われて、時戸が直実の部屋に初めて入るきっかけができる。会話の相性もいい。そんな感じで徐々に接近しても、直実は自慢することなく誰にも言わない。自分だけの秘密の恋を育んでいる。


⒉多部未華子と直実
演じる直実のキャラクターはわりと好感が持てる。突如両親が交通事故で亡くなってしまう。父の弟の叔父さんは姪を心配して、所有のタワーマンションに住んでみたらと言われて住むけど、他の居住者のようなセレブではない。偉そうに突っ張るわけでもない。

直実は両親が亡くなっても泣かなかったという。勤めている出版社も地味だ。でも、その出版社には個性的な人物が大勢いる。みんなお金儲けには縁遠そうな人物ばかりだ。

とは言っても、別の男との間でできた子をはらんでいるずるい若妻の後輩もいて相談相手になっている。叔父さんには美人の妻がいるが、子どもがいないので、やたらつきまとう。直実には少々うっとうしい存在になりつつある。


そういう対となる女性を青山真治が映像に放つ。主人公直実の存在感が浮き彫りになる。実際にこんな女の子だったらスター俳優も好きになってしまうのもよくわかるキャラクターになっている。

⒊青山真治
久々の長編映画である。多摩美大の教授という職もあるせいか寡作である。被差別エリアの家庭環境が複雑な人間関係を描いた共喰い荒井晴彦の脚本が引き立ち、きわどい作品だった。今回はどちらかというと、故三浦春馬主演の「東京公園と同じようなおっとりしたテイストを持つ。でも、その前の「サッドヴァケイション」は意味不明であんまり好きじゃないなあ。
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映画「裏アカ」 瀧内公美

2021-04-03 18:48:19 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「裏アカ」を映画館で観てきました。

裏アカは火口のふたり柄本祐と大胆な濡れ場を演じて一皮向けた瀧内公美の新作というだけで、映画館に向かう。twitterはじめSNSの類に一切ご縁のない自分は「裏アカ」という言葉すら知らない。自分自身の名前でない偽名の裏アカウントの略語である。SNSがきっかけでキャリアレディが男と会うようになるなんてストーリーというのも気になり、たまたま昼メシを一緒に食べに行った娘を映画館に道づれにする。


瀧内公美はここでも美しく、惜しまずに美しい裸体も見せてくれる。途中まではストーリーは展開よく進みどういう形で終末に持っていって締めくるかと思ったけど、ラストに向けては意味不明というのは娘の感想で、自分も尻切れトンボという印象を持つ。主人公が落ち込む展開も読めてしまう。そのあとも脚本に重層感がないのが残念

青山のアパレルショップで店長を務める伊藤真知子(瀧内公美)は、自分の意見は採用されず、年下のカリスマ店員・新堂さやかに仕事を取られ、ストレスが溜まる日々。


そんなある日、さやかの何気ない一言がきっかけで真知子はSNSの裏アカウントを作り、胸元の際どい写真を投稿する。表の世界では決して得られない反応に快感を覚えた真知子の投稿はどんどん過激になっていった。


「リアルで会いたい」 そんな言葉に誘われ、フォロワーの1人と会うことになった。その相手は、”ゆーと”(神尾楓珠)という年下の男だった。 真知子は彼に惹かれていく。しかし、その関係は1度きり。それがゆーととの約束だった。真知子は他の男と関係を持つようになるが、その心は満たされない。


裏の世界でフラストレーションがたまっていくのとは裏腹に、表の世界は、店の売り上げ不振回復への施策に自身のアイデアが採用され、大手百貨店とのコラボレーション企画が決まるなど充実していく真知子。やりがいのあるプロジェクトに意気込む真知子だったが、その百貨店担当者の原島努こそが、あのゆーとだった。表の世界で再会を果たした2人。(作品情報引用)

⒈フォロワーを増やす快感
有名俳優は出演していない。低予算で作られた映画であろう。ファッション業界は正直まったく疎い。ブティックの店長なのに、自分よりもInstagramに積極的に投稿しているカリスマ店員が注目されるということを気にする女の嫉妬話からスタートする。


自分も注目を浴びたいと思って、いった方向が自身のバストを強調する下着姿を投稿してフォロワーを増やそうとするところ、そこからエスカレートするのである。エロティックに転向するこの辺りの心理はよくわからない。

⒉フォロワーと会う
若き日のダイアンキートンの主演で、まじめな教師が酒や男に溺れる1977年の「ミスターグッドバーを探して」という名作がある。その後転落していく姿が印象的で当時随分と話題になった記憶がある。この映画も同じような展開を歩むのかと思った。1人のフォロワーに会ってから次々と一夜の関係を次々と作っていく。でも結局いちばんの色男が忘れられないということに落ち着く。


ダイアンキートンの映画の時代にはなかったSNSという手法では、こんな感じでフォロワーと会うことがあるのであろうか?好きなタイプの男が出てきたら拍車がかかるのか?マッチングアプリでカップルができて結婚するなんて話も多々あるということなのでまあそういう時代なんだろう。ただ、せっかくの瀧内公美の主演なのに、名手高田亮にしては物足りない脚本ではちょっともったいない印象を持った

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映画「アルプススタンドのはしの方」

2021-03-21 06:56:29 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「アルプススタンドのはしの方」は2020年の日本映画

先日、キネマ旬報ベスト10と映画芸術のベスト10の両方に入っている作品はいい作品が多いということで37セカンズを取り上げた。いい作品だった。「アルプススタンドのはしの方」キネマ旬報で10位、映画芸術で3位となっている。Netflixの影響でDVDレンタルに遠ざかっていたが、久々レンタルしてみる。

「アルプススタンドのはしの方」はまさに甲子園に出場した高校の応援席の片隅で繰り広げられる野球がわかっていない女の子たちのちぐはぐな会話とスクールカーストの中で彷徨っている高校生の姿を映し出している。元々は演劇の題材で作られた物語である。練りに練られた感はないけど、高校生の時こんなこと考えていたかな?と自分を振り返ってみるいい機会をつくってくれる。


高校野球のアルプススタンドの応援席の片隅に。2人の演劇部員、安田(小野莉奈)と田宮(西本まりん)が座って試合の行方を見守っている。野球のルールを知らないので、グラウンドで行われている一部始終にトンチンカンなことを言い合っている。そこに遅れてやって来た元野球部の藤野(石原壮馬)に野球部の裏話を聞いたりしている。
そしてぽつんと一人いるのは、帰宅部の常に学年トップの成績優秀女子・宮下(中村守里)。彼女は、吹奏楽部でトランペットを吹く部長に成績学年一位の座を明け渡してしまったばかりだった。


ひたすら声を出して応援しろという英語教師の厚木先生(目次立樹)が時折現れて大騒ぎ。相手は高校野球の名門校でメジャーなスタープレイヤーがいる中で、完全劣勢にも関わらず、少しづつ展開が変わっていくのであるが。。。

⒈野球のルールを知らない女の子
われわれの小学生の頃は「巨人の星」の連続ドラマを男女問わずクラスの全員が見ていた。、TVのゴールデンタイムには巨人戦が毎日のように放送されていたから、女の子も基本的な野球のルールはわかっていた気がする。最近はプロ野球人気も落ちて、野球のルールを知らない女の子は急増しているのではないか?


TV「徹子の部屋」で野球のルールを知らない黒柳徹子に男女ともにみんな唖然としていたところを見ても、自分の仮説はある程度言えると思う。ここでの主要出演者の野球知識レベルはまさに黒柳徹子並みで男性諸氏から見るといかにも滑稽なセリフの数々である。

⒉青春の響きと野球部
高校の時に母校野球部の試合を見に行ったことはない。部室が隣同士だったにもかかわらずだ。地区大会で一回も勝てないようでは誰も関心を持たないのは無理は無い。こういった青春の響きが応援スタンドで交わされてはいない。

ところが、今や母校が異様に野球が強くなってしまい、以前は学区制だった都立高校も東京中の野球好き少年が集まるようになった。まったく違う世界になり、元の女性クラスメイトから都大会に応援に行きましょうメールが我が高校3年のクラスメーリングリストに飛び込んでくる。時代も変わったものだ。

⒊スクールカースト上位
野球のルールを知らない女の子たちの会話では,誰と誰が付き合っているとかの会話が交わされている。そこでのスクールカースト上位は野球部のスター選手である。付き合っている相手は吹奏楽部の部長,しかも今回のテストでは学年トップに浮上したという。勉強はできるんだけれどもみんなと馴染めないこれまでずっと学年トップを続けていた女の子がいる。その女の子はなかなかみんなの輪に入れない。その女の子にも焦点が当たる。


自分の高校時代の女の子の学年トップは、男性で勉強できる数人の方が常に上位であり,そこまで大げさな存在ではない。ただ,現役で東大文一に入り在学中司法試験合格で今や裁判長である。今のように女の子が東大に大勢入る時代ではなかった。牛乳瓶の底みたいなメガネをしていたけども,周囲とはそれなりに交わっていて、男性も一目置いていた。ここの女の子みたいには浮いていない。最近お気の毒に騒ぎになっているエリート女性官僚のように今やあか抜けてきた

スクールカースト上位だったのは,バスケットボールのスタープレイヤーだったのかなあ?テニス部のキャプテンと付き合ってるなんて話をここの女の子たちと同じようにみんな羨ましそうに見ていた。なかなかこういう高校のスクールカースト上位には上がれなかった人は多いんじゃないかな。自分もそのクチである。
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映画「37セカンズ」

2021-03-07 17:46:29 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「37セカンズ」は2020年公開の日本映画

傑作である。
たぶん昨年ロードショーで見たら、間違いなく日本映画のベストと評価したであろう。情報不足を悔いた。


日本の映画賞ではキネマ旬報ベスト10が最も権威があるが、その一方で雑誌「映画芸術」のベスト10もある。脚本家の荒井晴彦の主宰する雑誌であるが、若干ひねくれていて、素直に?いかない部分もある。2020年のキネマ旬報の1位は「スパイの妻」であるが、映画芸術ではワースト1位である。確かに「スパイの妻」には途中から個人的にはアレ?ちょっと疑問と思う部分も多々あり、ある程度言えている部分もあると考える。

そういう対比するベスト10の中で、両方の雑誌でベスト10に入る作品は、これまでも自分も支持する素直に良くできた作品であることが多い。「37セカンズ」キネマ旬報6位で映画芸術2位となりその類の作品である。

名画座で観るチャンスを逃しているなと思ったところ、Netflixのラインナップに入ってきた。これはラッキーと思い見てみるとこれが実に良かった。気がつくと、我が涙腺を激しく刺激していた。ここまで自宅で泣ける映画は少ない。


脳性麻痺の障害を持ち、車椅子生活を送る主人公貴田ユマ(佳山明)は売れっ子漫画家の実質ゴーストライターというべきアシスタントをしている。独立して漫画家になることを夢見るが、雑誌社にエロ漫画を描こうとすると実体験がないと言われ、体験すべく夜の街を徘徊して右往左往するという話である。最初は障がい者のセックスが題材だけの映画に見えた。でも、そんな浅はかな映画ではなかった。奥が深い。思わず主人公を応援したくなるストーリー展開で、胸にしみるシーンがたくさん用意されている。

⒈エロ漫画への道と探究心
ミーハーなルックスで人気漫画家になっているサヤカのアシスタントになっているが、実際にはゴーストライターのようなものである。サヤカは自分一人で描いていると公表しているのがウソ。サイン会に主人公ユマが寄っても素っ気ない。それでも、漫画家を夢見て、サヤカに出入りの雑誌社の編集者に売り込むが相手にされない。そこで、自分で電話してエロ漫画の雑誌社に向かい、編集長(板谷由夏)に会う。


作品はいいが、リアル感がないと言われ、当然実体験がないユマはガッカリ。ここから自力で動き始める。ネット検索で、出会い系サイトで相手も探すがうまくいかない。約束をすっぽかされ、気がつくとディープな新宿の風俗街に入り込み男を買おうとするのであるが。。。


この後も妙な話が続く。なんか悲しい。これだけでは障害者セックスのつらさを訴える映画に見えるがそれだけではない。たまたま、夜の世界で1人のホテトル嬢(渡辺真起子)と知り合う。それが意外なつながりができていくのだ。ネットワーク理論はやっぱり言えている。

⒉母親からの自立心
娘が障がい者になった母親(神野三鈴)の苦しみはよくわかる。外から見たら、過保護に見えるが、実際にその立場になると例外なくそうなっていくのは何人も見てきた。でも、娘から見たらやっぱり過保護なのだ。お風呂も一緒に入ってという生活を23才になるまでずっとしているが、本人からしてみると自立心があるし、自分でできるのである。他の人には逆らえることができなくても、身内の母親には逆らう場面も出てくる。お母さんがこうだからお父さんが出て行ったという一言がキツい。


夜の新宿に1人車椅子で飛び出して、たまたま知り合って仲良くなった仲間と大はしゃぎ。家では母親が心配という構図である。

自分のように長く人生を生きていると、似たようなケースを身近に見ることもある。それなので、人ごとに見れない。しかも、この映画は偶然が偶然を呼び思いがけない展開になっていく。それがまた泣けてくる。母親役も好演。意図的でなく、明らかに演技を超越した実感がこもった涙を見せていてこちらも泣けてきた。

それでも、障がい者の映画という暗さでない後味の良さが得られた。必見であろう。


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映画「あのこは貴族」門脇麦&水原希子

2021-02-27 19:52:13 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「あのこは貴族」を映画館で観てきました。

予告編で気になった映画である。何気なく見た「あのこは貴族」の映画紹介の記事で水原希子が慶大生を演じるというのも気になった。門脇麦は若松孝二監督のアシスタントを演じた止められるか、俺たちをさよならくちびる」などでの演技に好感度を持って見ていた。水原希子は広告でよく見かけるが映画では「ノルウェイの森」以来かな?


政治家の家系で育ちの良い弁護士をめぐる2人の女性、お見合い相手のご令嬢と慶応中退の女性の2人を対比して描く物語という構図である。最近流行の格差社会というテーマに結びつけるならちょっと大げさかもしれない。外から見ると奇異に見えることもあるが、内部の感覚では案外とそうでもないのだ。

主演2人の演技は悪くないし、キャラクターとしても好意がもてる。ロケハンにも成功して、映画のテンポもいい。セリフもこの学校の内部事情やブルジョア育ちの人たちの生活ぶりをそれなりに取材している感もある。でも、最後に向けては「え!これで終わっちゃうの?」というような尻切れトンボの終わり方だったのは脚本の詰めの甘さと編集のミスかもしれない。

渋谷松涛で開業医の三女として育った榛原華子(門脇麦)は幼稚園から名門私立大を卒業したご令嬢だ。周囲の同級生はバイオリニストの相楽逸子(石橋静河)を除いては結婚へのしあわせな道のりを歩む友人も多い。交際している男性と別れ、紹介で数人と会うがうまくいかない。ようやく、お見合いで弁護士の青木幸一郎(高良健吾)と出会う。抜群の好感度の青木に惹かれていき、家柄の良い青木家の家族からも認めてもらい婚約の運びとなる。


一方、富山県で育った時岡美紀(水原希子)は地元で勉学に励んで慶應義塾大学に入学した。内部進学者のブルジョアぶりに違和感を感じながらも、学生生活を送っていた。ところが、父親が失業して家計は火の車、キャバクラ嬢をやりながら通おうとしたが断念して中退する。その後、オミズの道を歩んでいる時に青木にお店で再会する。美紀が履修した講義のノートを慶応生だった青木が借りたことがあったのを美紀が覚えていたのだ。それをきっかけに2人は逢うようになる。付き合いは腐れ縁というくらいに長い。


バイオリニストの相楽があるパーティで演奏している時、パーティーに参加していた美紀が相楽の演奏を気にいる。近づいて連絡先を交換しようとしたが、名刺の持ち合わせがなく、そばにいた青木の名刺の裏書きで自分の連絡先を伝えようとした。親友の華子からフィアンセと聞いていた青木だと相楽は気づき、あわてて華子に連絡する。そして、仕事のふりをして美紀を呼び出し、華子を含めて3人で会うのであるが。。。


⒈松涛のお嬢様
ホテルで華子がおばあさんを含めて家族一同で会食をしているシーンを映す。小学校から一緒のご学友との会食場面や、松濤にタクシーで向かうシーンなどセレブぶりを際立てようとするシーンが続く。居住地を他の町でなく、松濤を選択したのはセレブを強調するには適切でだろう。


松濤、神山町はもともと佐賀の鍋島家が所有していた借地が多い。先のバブル時代で所有権はかわったところも多いかもしれないが、高級マンション以外では自分の感覚からすると実業家が多く、医者がそんなに住んでるかな?という気もする。あと、華子が幼稚園から付属校というセリフもあるが、時期にもよるが松濤幼稚園なんて超セレブ幼稚園もあったので、ここに住んでいる人がそういう女子校付属幼稚園に行くかな?という気もする。

それでも門脇麦は大衆的な役柄だったこれまでの作品と違い、性格の良いお嬢様になり切っている。好演だと思う。名門女子大に附属小学校から行っている子たちは、会社でずいぶんと出くわした。昔はともかく最近はそんなに浮世離れしていない。

⒉大学内での格差
水原希子演じる真紀が慶応大に入学して、友人と歩いているときに、「あれは内部生」とたむろっている派手な学生をみるシーンがある。確かにその光景は自分が学生時代から伝統的にあるかもしれない。時間を経ていく内に、いろいろな交流はあるが、最初の印象はそんな感じかもしれない。ただ、慶応女子高出身者2人と一緒に食事に行ってランチ4200円に驚くシーンはちょっと大げさかな?

自分は受験組で、しかも学窓を離れて久しいけど、学校時代からいろんな付き合いのあった中に同窓や上司部下とかも含めて内部生はかなり多い。深く付き合ってみると、実はそんなに出生レベルが違うわけでもないこともわかる。偏見は避けたい。


今から40年も前のことが今に当てはまるかわからないが、自分もそうだが自営業を含めた経営者の息子が周りに多く、超有名企業勤務の父親の息子、政治家や公務員でもお偉方系などの息子が目立つ。地方出身者も県でトップないし有数の進学校を出て地元ではそれなりの素封家の息子が多い。そうでない普通のサラリーマンの息子もいる。ついこの間、田舎の国鉄職員の息子が大出世した。出世は出生にあまり関係ない。

幼稚舎出身者はその経営者の息子系が多いけど、超老舗系でちょっとレベルが違う。さすがに、そのレベルの違いがわかっているだけに子どもを中学から入れても幼稚舎から入れる気にはなれない。でも幼稚舎出身でも没落している家庭もあるんだよなあ。

慶応は二年連続で進級できないと、今はどうかしらないが通称「ホッポリ」で退学になる。でも、起業した会社が成功して長期に在学して中退した奴とかいるけど、金欠の中退ってあまりいないんじゃないかな?地方出身の自分の友人も普通の成績で学校奨学金使ってタダで学校へ行った奴いるけどね。

銀座のホステスで慶応生は何人か会ったな、その一人が母校教授になった先輩のゼミに入ったのにはびっくり仰天した。それと、各種キャバクラで早稲田の女子学生も出会ったけど、母子家庭が多かったね。賢くて話は面白いしいい子だった。

この映画の真紀のイメージだ。何が何でも這い上がるというしぶとさを感じたし、みんな卒業している。時代が変わったのか、真紀の存在は現実にはありえる。


それでも、いくつかのセリフはそれなりに不自然さはないように取材しているとは思う。

⒊気の利いたセリフ
華子と真紀がばったり出会うシーンがある。あのあとで、真紀がこんなことを言う。
「同じところにずっととどまるということでは、そちらの世界もこちらも同じだよね。」
なるほど、これはセレブを超越したお言葉


同窓会に行った真紀が、地元の土建屋の三代目に誘われるシーンがある。それも意識しているけど、都会で同じように老舗の家系に生まれて育った人間に対してもその比較を示しているのだと思う。都会という範疇で言うと、バブル崩壊もあり、うまくいっているのとそうでないのと落差が激しい気もする。

よく言われるように、永く続く同族企業って結構経営がしっかりしている会社も多い。そういう場合は親の意向でそのまま東京や地元に残るだろうけど、今の世の中なかなかそうはいかない場合も多い。でも、真紀の言うセリフの意味はよくわかる。
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映画「朝が来る」河瀬直美&永作博美&井浦新

2020-11-08 07:30:12 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「朝が来る」を映画館で観てきました。


「朝が来る」河瀬直美監督の新作である。子どものできない夫婦が望まれない出産をした子どもを養子縁組で引き取る。6年間育てたときに産みの母親から子どもをかえしてくれと連絡をもらうその顛末という話である。最近みたNetflixシリーズ「クイーンズ・ギャンビット(記事)で孤児を養女にする話が出てきたばかりで、身内にも幼いときの養子縁組みした人もいるので関心を持った。

想像したよりも情感こもったいい映画であった。辻村深月の原作はもちろん未読。井浦新、永作博美という芸達者が演じるので安心してみてられる。

建設会社で共働きの湾岸の高層マンションに住む栗原清和(井浦新)と佐都子(永作博美)の夫婦には子どもができなかった。病院で調べると夫が無精子症だということがわかる。一度は子どもを持つことを諦めたそのときに「特別養子縁組」という制度を知る。説明会で体験談を聞き、「ベビーバトン」の代表浅見(浅田美代子)に依頼する。そして、生まれたばかりの男の子を迎え入れることになる。


奈良に住む中学生の片倉ひかり(蒔田彩珠)はバスケットボール部の麻生巧の告白をうけて交際するようになる。やがて、中学生同士のお付き合いは急進展して二人は身体でも結ばれるようになる。その後、体調不良だったひかりが病院で診てもらうと妊娠していることがわかる。中絶するにも懐妊から時間がたっているのでできない。「特別養子縁組」で産んだ子どもを引き取ってもらうように親から言われる。学校には病気で長期療養ということで休み、広島の離島にある「ベビーバトン」の寮で同じような境遇の女性と一緒に暮らすようになる。そして、出産をして栗原家に子どもを授けることになる。


それから6年、夫婦は朝斗と名付けた息子と幸せな生活をしていた。ところが突然、産みの母親である片倉ひかりを名乗る女性から、「子どもをかえしてほしい。それが駄目ならお金をください」という電話がかかってくる。当時14歳だったひかりとは子どもの引渡をうけるときに一度だけ会ったが、訪ねて来た若い女には、あの日のひかりの面影がなかった。彼女は何者なのかという疑問が浮かんでくるのであったが。。。

1.養子縁組システム
データはないが、日本の養子縁組は一時代前の方が多かったのではないか?生まれるところでは10人近く産むお母さんがいる一方で、医療技術は今よりも稚拙で病弱な子どもしか生まれない親には養子が必要だったのであろう。最近は40歳くらいまで懸命に不妊治療で頑張ってダメな子なしの夫婦はよく見かけるし、養子縁組は少なくなったと思っていた。

ここでは子どもに恵まれない夫婦に、望まれない妊娠をした女性の子どもを授けるというシステムが語られる。浅田美代子演じる浅見代表は広島の瀬戸内海に浮かぶ離島の寮のようなところで、出産を待つ妊婦たちを預かる。そして、マッチング可能な栗原夫婦を子どもができるタイミングで広島に呼び寄せる。このシステムだと、生まれたときから籍は養父母の下に入るのだ。これははじめて知った。「共働きの夫婦の奥さんは会社を辞めて子育てに専念する。小学校に入るまでに本当の子どもでないことを告げる。」そういったルールがあるという。


素朴に感じたのは、報酬である。子どもをもらった方が支払うのはもちろんであるが、このマッチングサービスにどの程度の報酬を支払い、出産した母親に支払うのか?マッチングサービスで寮を持ってそこで生活するわけだからお金はかかる。その費用はどうなるのか?映画では何も言及されていないが、ビジネスモデルは気になるところである。

2.河瀬直美監督と出演者
カンヌ映画祭の常連である河瀬直美監督の作品はいくつか観ている。率直に言ってそんなにいいとは思わない。ブログに「2つ目の窓」しかアップしていないし、他はイマイチだったので没である。今回も期待していなかったが、さすがに題材に恵まれたのであろう。時間軸を前後に変化させる構成もよく、ロケハンにも成功して映像もきれいだった。

広島の離島での映像がとくによかった。毎回そうであるが、風の使い方がうまい映像を撮る監督である。今年度の代表作と評されるであろういい映画だと思う。

永作博美八日目の蝉(記事)で不倫相手の子を堕ろした後に衝動的に幼子を誘拐して4年育てたときの好演がよかった。今回も高く評価されると思う。若松監督作品の常連だった井浦新も無難にこなす。


意外だったのが浅田美代子だ。われわれは中学時代から彼女のことを知っている。かわいかった。「時間ですよ」の時から真の意味でアイドルだった。当時の週刊誌で浅田美代子がまたNHKのオーディションにまた落ちたとの記事があったのを思い出す。下手の代名詞のようだった。この映画一種のドキュメンタリー的な要素を持つが、彼女がまるでこの施設を経営しているかのようにセリフを語っている。へえ、こんなレベルが高いのかと驚いた。

ここから先はネタバレあり、映画を観ていない方は後にしてください。

3.ムカつく場面
子どもを産んだあとにひかりは故郷の奈良に戻る。やがてひかりは高校に入った後で地元で就職する。そんなときに親戚の寄り合いがある。みんなで酔っ払っているときに親戚のおじさんが「あの時はたいへんだったね」という。ひらりはムカつきおじさんを叩く。何でそんなことしゃべったのと、両親に向かっていう。その後で、母親が「親戚にいうのは仕方ないでしょう」とひかりをピンタするのだ。


これには観ているこっちの方がムカついた。こういうのは完全家庭内だけのシークレットでしょう。べらべらしゃべるようなことではない。しかも、母親はそのおじさんを責めるべきで彼女には罪はない。母親もおじさんも最低だ!その後彼女はもっと転落する。この物語の構図は原作の元ネタかもしれないがこちらをムカつかせる場面をつくるのは制作側のうまさだ。

4.迷彩の周到さ
原作をどうアレンジしたのかはなんともいえないが、「朝が来る」にはミステリー的な要素がある。子どもを帰してくれと訪ねてきた女は、息子朝斗の出産時にあった14歳の女の子とは似ても似つかない。夫は「あの時会ったけど、どう見ても違う。あなたは誰で何をしに来たのですか!」という。そして、警察が栗原家を訪ねてくる。神奈川県警のものですが、この女性に見覚えはあるかと。映画はそこから始まる。


予備知識のない自分は、だれかとグルになっているのかと思う。広島の離島で子どもを産むときに知り合った風俗嬢だった女、この女は神奈川で働いていた。横浜の新聞店では働いていたときに一緒に働く女、これは錯覚だったのか、最初は広島の離島で会った女と同一人物だと思っていた。しかも、この女がきている黄色いジャンバーは栗原家に来て面談するときと同じジャンバーだ。しかも、この女悪い奴で姿をくらまし、借金の保証人をひかりにさせるのだ。ひかりはいかがわしい借金取りに追われる。

最初の井浦新のセリフであの清楚だったこの子がこんな脅迫なんてするはずがないという。それが頭にあり、こちらも違う期待を持った。2人の別犯人を連想させるこれは巧みな迷彩である。

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映画「スパイの妻」蒼井優&高橋一生&黒沢清

2020-10-21 20:09:23 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「スパイの妻」を映画館で観てきました。


「スパイの妻」はベネチア映画祭で黒沢清が監督賞を受賞した作品、コロナ騒ぎでちゃんと公開できなかった「ロマンスドール」でもコンビを組んだ蒼井優&高橋一生が主演である。昭和15年から16年の神戸を舞台に国家としての重要機密を漏らすスパイ嫌疑をかけられた夫婦の姿を描く。

でもよく意味がわからない映画である。当初1時間近くは緩慢でむしろ眠いくらい、その後に主題のスパイ行為が何かとわかる場面がある。そこからテンポがよくなるが、蒼井優演じる妻聡子の動きがかなり不自然、何考えているのかわからない。しかも、日本史的に見てもこんなことありうるの?というシーンが続く。歴史的考証はいいのであろうか?映像処理はうまいし、2人と憲兵を演じた東出昌大の演技はいいと思うけど、何か変だなと最後まで感じさせる作品だった。

一九四〇年。少しずつ、戦争の足音が日本に近づいてきた頃。
聡子(蒼井優)は貿易会社を営む福原優作(高橋一生)とともに、神戸で瀟洒な洋館で暮らしていた。
身の回りの世話をするのは駒子(恒松祐里)と執事の金村(みのすけ)。
愛する夫とともに生きる、何不自由ない満ち足りた生活。


ある日、優作は物資を求めて満州へ渡航する。
満州では野崎医師(笹野高史)から依頼された薬品も入手する予定だった。
そのために赴いた先で偶然、衝撃的な国家機密を目にしてしまった優作と福原物産で働く優作の甥・竹下文雄(坂東龍汰)。
二人は現地で得た証拠と共にその事実を世界に知らしめる準備を秘密裏に進めていた。

一方で、何も知らない聡子は、幼馴染でもある神戸憲兵分隊本部の分隊長・津森泰治(東出昌大)に呼び出される。
「優作さんが満州から連れ帰ってきた草壁弘子(玄理)という女性が先日亡くなりました。ご存知ですか?」


今まで通りの穏やかで幸福な生活が崩れていく不安。
存在すら知らない女をめぐって渦巻く嫉妬。
優作が隠していることとは――?(作品情報より引用)

1.スパイ行為とは?
偶然目撃した国家秘密とは、満州で日本人が中国人を人体実験に使ってペスト菌を注入しているという話である。いくら薬の商社にいたからといってこの行為を偶然見つけるということはありえないと思う。しかも、人体実験に関わる国家秘密を一人の憲兵隊長がわかるわけがないということがある。それに加えて、この行為は異常であるから全世界に知らしめるという夫福原の行動自体が不自然。何でそんなことする必要あるの?という感じである。この脚本はどうみても弱い。


2.意味不明の聡子の動き
主人から満州で人体実験を見てしまったということを聞き、これを夫が公表するなら自分も危ないと金庫から証拠書類を取り出して聡子は憲兵部隊長津森に渡す。夫が異常だからまあ普通でしょう。


津森はおいの竹下を爪を剥がす拷問をするが、夫にはさほどの危害を与えない。これって変じゃない。悪名高き憲兵らしくもない。そのあとで、聡子は残った書類をもってあなたと一緒にアメリカに行こうと言う。だったら、憲兵隊にいわなきゃいいじゃない。このあたりの意味がまったくわからない。ストーリーは最後までずるずる続く。今でも意味不明である。

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映画「岬の兄妹」 

2019-12-30 21:19:43 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画岬の兄妹は2019年公開のポン・ジュノ監督や山下敦弘監督作品などに携わってきた片山慎三がメガホンを取ったドラマ。港町で暮らす兄妹を主人公に、地方都市の暗部や家族の本質をあぶり出す。


映画館で予告編を何度か見ていた。異質な匂いがする映画のようだ。岬のある地方の町で社会の底辺をさまよう兄妹の物語 、脚が悪い兄が自閉症の障がいを持つ妹に売春をさせるという酷い物語。何となくえげつない印象を持ったが、DVDで確認する。後味は悪い。でも主演の2人は好演である。

港町に暮らす良夫(松浦祐也)はある晩、同居する自閉症の妹の真理子(和田光沙)が、男に体を許して金銭を受け取ったことに気づく。妹に罪の意識はない。良夫が勤める造船所を足が不自由であることを気にして辞めてしまう。金に困った良夫は妹の売春のあっせんをして生活費を稼ごうとする。さらに2人が売春に携わっていることを知った友人が、良夫に忠告しに来る。そんな時、妹の心と体にも変化が起き始めていた。

兄妹
2人が住んでいるのは平屋の掘っ立て小屋だ。かなりボロボロ。兄は造船所で働いていたが、辞めてしまう。金はない。脚がわるいことにコンプレックスを持っている。妹は自閉症、写真を撮ろうとしても視線がレンズに向かない。言葉は話せるがたどたどしい。学校教育はまともに受けてはいないか障がい者クラスにいたかと思われる。

比較的普通の生活者よりも重い自閉症である。きっとその気になれば障がい者用の作業場など働き口はあるだろう。でもそういう所があることすら知らないのではないか?ちょっと目を離した隙に行方不明になってしまう。


こういう役柄を2人は巧みに演じる。特に妹役の和田光沙がうまい。相手と視線は合わせない。それなのに馴れ馴れしく近づいていく。和田は自閉症患者についてかなり勉強したのであろう。全裸になっての体当たり演技で、売春でいろんな男との交わる姿をこなす。電気代すら払えない金欠で、自分の妹を売れば金になると気づいた兄が1時間1万円で四方八方に売り込む。

売春といえば、ヤクザの資金源だ。組員が自分のシマを荒らされることに気づく。しばかれるのは当然、兄はコンテンパンに痛みつけられた上に、妹はヤクザに犯され、兄がそれを見せつけられるなんてシーンも。それでも懲りずにデリヘルの勧誘のようにチラシを配りまくる。


知的障がいを持つといっても、身体は普通に育つ。妹も立派な大人の身体だ。やってやってやりまくれば子供だってできる。父親は誰ですか?と言っても誰だかわかるはずがない。病院で始末しようにも金がない。兄はお腹の子を流産させてしまおうとブロックを持って叩きつけようとするができない。妹を買ってくれた小人の男の家に妹と結婚してくれと言いにいく始末だ。


低予算映画で、有名俳優が出ているわけではない。三浦半島の岬の外れで撮影されたようだが、ロケ協力その他のクレジットはない。

ひたすら下層社会を彷徨い続ける2人を追う。





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映画「ダンスウイズミー」矢口史靖&三吉彩花

2019-12-27 17:04:51 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「ダンス・ウイズ・ミー」は2019年公開の作品


「ダンスウィズミー」「スウィングガールズ」矢口史靖監督がミュージカルタッチで描くコメディ。ミュージカルタッチのポスターが気になる。可愛い女の子の踊る姿が印象的だ。でも気が付くと上映は終わっていてDVDスルーとなる。あまり流行らなかったのかな?ミュージカル嫌いの女性会社員が宝田明演じるマジシャンに催眠術をかけられて、音楽を聴くと体が自然に踊りだしてしまう身体になってしまうという話である。

主演の三吉彩花は500名の応募者から選ばれた。コメディタッチの展開の中、 歌って踊れる主人公を巧みに演じて、印象深いパフォーマンスをみせる。コンビを組むやしろ優は太めのお笑いタレント、このデコボココンビがいい感じだ。

鈴木静香(三吉彩花)は都内高層ビルにオフィスを構える一流会社に勤めて、都心のマンションに独り住まい。ひょんなことで女子社員あこがれの先輩村上涼介(三浦貴大)から新しい企画のプレゼン資料を週末につくるように頼まれる。それなのに実家に同居する姉から姪を預かるように頼まれる。断るまでもなく、預けられるが、仕事に集中しなんとか資料を完成させる。その後で偶然ひろった遊園地のチケットを持って姪と一緒に遊びに行く。


遊園地内で催眠術コーナーに向かう。マーチン上田(宝田明)という催眠術師とコンビを組むサクラの千絵(やしろ優)が静香に術をかける。もともと不自然に踊るミュージカルは嫌いな静香だったが、はめた指輪が指から離れなくなって音楽に異常な反応を示すようになる。

週明け大急ぎで完成させた資料を村上に提出、会社の上司に村上と一緒にプレゼンする。そこで音楽が鳴り始めると、突然歌って踊って披露することになるのであるが。。。


こうやってはまっている指輪のせいか?音楽が鳴り出すと以上の反応をしてしまう。これはまずいと催眠術をかけたマーチン上田を探そうとするが、遊園地のコーナーにはいない。しかも、借金取りが大勢来ている。行方を探すために興信所に行って調査員の渡辺(ムロヒロシ)に多額の金を支払って調査を依頼する。やがて、居場所の目安が渡辺から連絡が来て、静香は千絵とともに居場所と目される新潟を目指す。


基本構図は主人公に催眠術をかけた行方不明のマジシャンを探すという設定だが、この主人公は音楽が流れると歌って踊らずにはいられない。アンバランスな身体になってしまった主人公が探しにいく途中のドタバタ劇がこの映画の見どころだ。

1.フレンチレストランでのドタバタ
あこがれの事務所の村上先輩(三浦貴大)との歌って踊っての上司へのプレゼンで周りは唖然としたが、無事完了。村上からのお礼は高級フレンチレストランでの会食。あえて音楽が流れない場所を選ぶという趣旨だ。楽しいひと時を過ごしているときに、先輩に電話がかかって席を外す。

そのとき別のテーブルで「ハッピーバースデイ」の音楽が流れる。静香は立ち上がり思わず一緒に歌いだす。それだけでは止まらない。歌うは山本リンダの「狙いうち」、ここからが実に面白い!ブラスセクションが現れ、それに合わせて静香が踊りだす。見ているこちらも気分が高揚、バク転はするわ、テーブルクロス引きをやるわ、ポールダンスしてシャンデリアにぶら下がるわ、もうやりたい放題。これには見ている自分も唖然。


先輩が長電話を終えて戻ってくると、店内はぐちゃぐちゃだ。静香はレストランから多額の弁償を要求される。部屋の家財を売って充てるしかない。このシーンが映画で一番に見どころかもしれない。


2.金がない!
マジシャンに出くわしたという知らせが調査依頼した探偵(ムロヒロシ)から入る。写メして確認したら間違いないようだ。でも探偵は気が付くと姿を消している。知らせが入った場所めがけマジシャンと一緒にいた千絵と車で探しに行くが、金がない。探偵費用に加えて、レストランの大暴れで弁償しなければならないからすっからかんなのだ。

途中、静香の実家によって500円玉貯金箱をかっさらう。自動車が故障したとき、それで払おうとしたが中に入っているのは10円玉ばかりでどうにもならない。金がない!
それなので、旅の途中で路上ライブをやってカンパをもらう作戦に出る。なんとかそれで向かっていく。苦難の道だ。


ドタバタしながら最終への道筋を進む。映画のタッチは「ブルースブラザーズ」のタッチだ。狙いうちで三吉彩花が踊って歌うときに周りのボーイたちもバックで踊る。これって「ブルースブラザーズ」の中でジェームス・ブラウンやアレサ・フランクリンなどの超有名歌手が歌い出すのと同時にバックが踊りだすのと同じような感じだ。

ハッピーエンドかどうかはお楽しみだが、最後はミュージカルやインド映画同様みんな一緒にダンスだ。クリントイーストウッドの「ジャージー・ボーイズ」のラストシーンで善悪両方が一緒にダンスする。これも同じ。
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映画「よこがお」筒井真理子&深田晃司

2019-08-07 17:46:41 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「よこがお」を映画館で観てきました。


これはよかった。
深田晃司監督の作品は「ほとりの朔子」「淵に立つ」いずれも気に入っている。今回は「淵に立つ」で存在感が強かった筒井真理子の主演であるので、映画館に足を運ぶ。筒井真理子はここでも好演、それに加えて市川実日子が不気味な役柄をそつなくこなす。主人公である訪問看護師にあらぬ嫌疑がかけられ、マスコミからも注目され普通の生活から一気に転落していく姿を描いている。そこには女性ならではの強烈な嫉妬が絡んでいたのだ。深田晃司監督のオリジナル脚本はよく練られていて、上質なヒューマンミステリーに仕上げられている。終盤に近付くにつれてドキドキ感も高まり、予測のつかない流れにひかれていく。


リサ(筒井真理子)と名乗るその女は、和道(池松壮亮)の前に突然現れた。美容師と客として、リサと接していた和道だったが、やがて彼女の不思議な魅力に惹かれていく。リサの本当の名前は市子、かつては周囲から厚く信頼される訪問看護師だった。

基子(市川実日子)という訪問先の娘で、市子に憧れ以上の感情を抱く者もいた。ところがある日、基子の妹のサキが失踪する。まもなく無事保護されるが、逮捕された容疑者は意外な人物だった。事件への関与が疑われた市子は、ねじ曲げられた真実と予期せぬ裏切りにより、築き上げた生活のすべてが音を立てて崩れてゆく。(作品情報より)

作品情報では重大なことが隠されている。ある程度ネタバレになるが、重大な事実も含めて語りたい。

1.市子が転落するきっかけと基子
市子(筒井真理子)はある家族の訪問看護師として、若干ボケも入っているおばあさんの世話をしている。おばあさんは親族よりも市子の言うことをきく。家族から信頼されていた。また、おばあさんの孫にあたる長女基子(市川実日子)が同じような訪問看護師になりたいということで、市子は受験勉強の手伝いをしている。プライベートでは、市子は連れ子のいる男性と結婚を前提に付き合っていた。そんなある時、基子の妹サキが行方不明になる。警察に捜査も依頼して大騒ぎだ。しばらくして発見される。その後テレビに映る連れ去った犯人を見ていて市子はあぜんとする。なんと、妹の息子である辰男だったのだ。


市子が基子に勉強を教えているときにたまたまサキも一緒だった。その時に市子の甥の辰男もその場にいたのだ。市子はそのことを基子とサキの母親に話そうとしたところ、基子から黙っていた方がいいと言われる。勉強を教わっていた基子は同性愛的感情をもって市子に接していた。市子も心を許して、普通であれば他人に話さないようなことも基子に話していた。基子はもっと市子と接近したそうであったが、市子はフィアンセである男性と近々結婚する可能性を伝える。


その直後であった。週刊誌の記者から突然市子のプライベート電話に「何か隠していることありませんか?」と電話が入る。そのあと週刊誌に甥の誘拐に叔母の市子が絡んでいるという記事が載るのだ。そのあとはお決まりの転落劇である。これでもかこれでもかと市子の不利になるような出来事が起きる。テレビ、雑誌あらゆるマスコミも絡めて市子に攻撃を与える。何もしていないのにこの仕打ちはちょっときつい。

最初週刊誌の取材の話があるときには、すぐには感じなかったが、基子が絡んでいるんだろうなあということがわかる。基子は一方的に好意を抱いていた。それなので、市子にフィアンセがいることが気に入らない。市子の幸せに嫉妬を抱く。そして、基子の意地悪がエスカレートするのである。転落は絶壁のように真っ逆さまだ。



2.深田晃司と筒井真理子

二階堂ふみ主演「ほとりの朔子」で気になる存在となった深田晃司監督浅野忠信主演で「淵に立つ」をつくった。不気味な作品だったが、これがよかった。刑務所出所間もない男が昔の仲間が経営する町工場に居候することになる。町工場の店主の妻が筒井真理子であった。この家族3人と男が一緒に旅行するとき、元々同居を嫌がっていた妻と男が急接近する。このとき揺れ動く情感こもった筒井真理子がよかった。

この映画で存在感を示したこともあってか、園子温監督「ANTIPORNO」の作家の秘書役では大胆な全裸を披露しながらSとM両方のふるまいで驚かさせた。1960年生まれでもういい年である。脱ぐ年でもなかろう。花が開いたのがここ最近という遅咲きの女優である。ここでは悪女を演じる市川実日子の怪演も冴える。二人そろって映画のレベルを昇華させている。


激しい起伏が何度も起こり、息をつけない。これだけはネタバレできないが、最終場面に向けてもう一つの盛り上がりをつくる。思いがけない展開を見せ、おお!こう来るかとドキドキする。お見事である。

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映画「ビブリア古書堂の事件手帖」黒木華

2019-06-08 09:43:53 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「ビブリア古書堂の事件手帖」は2018年公開の日本映画

「古書」というキーワードには弱い。しかも、三島有紀子監督の「幼な子われらに生まれ」はよくできた作品と感じたのでDVDを手に取る。恥ずかしながら「ビブリア古書堂の事件手帖」が人気文庫であることは知らず、もちろん原作は未読である。文学オタクの若き店主が営む古本屋にある太宰治の希少本をめぐって繰り広げられる話である。


人見知りだけれども、本に関する博学だという黒木華が演じるキャラには魅かれる。しかも、そのキャラを巧みに演じている。もう一人の主人公である古本屋に働きにきた野村周平演じる若者の祖母の若き日のラブストーリーも悪くないが、時代考証その他に難ありと感じる。原作を読んだことがないので評価はしずらいが、脚本が弱い気がする。至る所に疑問や矛盾を感じるところがある。でも、この主人公のキャラで少しは帳消しにできるかもしれない。

鎌倉の片隅にひそやかに佇む古書店“ビブリア古書堂”に、五浦大輔(野村周平)という若者がやって来る。亡き祖母(渡辺美佐子)の遺品の中から出てきた夏目漱石の『それから』に記された著者のサインの真偽を確かめたいという。若き店主の篠川栞子(黒木華)は極度の人見知りだが、ひとたび本を手にすると、とめどなく知識が溢れ出す。


そしてその優れた洞察力と推理力によって、栞子はサインの謎を解き明かし、大輔の祖母が秘密の恋に落ちていたと指摘する。過去のある出来事から本が読めなくなった大輔だったが、それが縁となりビブリア古書堂で働き始める。そんなある日、栞子は太宰治の『晩年』の希少本をめぐって、謎の人物から脅迫されていると大輔に告白。その正体を探り始めた二人は、漱石と太宰の二冊の本に隠された秘密が、大輔にかかわる一つの真実に繋がっていることを知る。(作品情報 引用)



1.北鎌倉と題材設定

桑田佳祐の妻である原由子がエンディングで歌う「北鎌倉の思い出」がいい。原作ではビブリア古書堂は北鎌倉にある古本屋ということになっている。自分の大学の同期が北鎌倉から山に向かって少し上がったところに昔から住んでいる。はじめて夜行ったときに真っ暗で怖かった。隣家に小津安二郎もいたらしい。東出昌大と夏帆が演じる不倫話で2人で密会する木陰のエリアがその友人宅の近所の匂いがした。野村周平が自転車で走らせる街にこの地の住居表示である山ノ内の表示があったので北鎌倉でロケかと思ったら、ロケ地は常陸太田とか別のところだったらしい。


映像で鎌倉を連想させるとなると、江ノ電を映すのがいちばんであろう。ただ、北鎌倉となると違うよね。長谷に本を盗んで人の家を探しに行くシーンがある。そこには私の父母の間を結び付けた母の先輩がいた。豪快な女性だった。実は大佛次郎の有名小説のモデルである。彼女も自分の夫がありながら、政治家でもある有名な弁護士の彼女になっていた。山手の港の見える丘公園に今も大佛次郎記念館がある。でも大佛次郎も鎌倉文化人である。若き店員の亡き祖母のラブストーリーで東出昌大が心を寄せる男を演じる。その男は裕福な家で引きこもりのように小説を書いている人物設定となっている。鎌倉に住む自分の友人の父親も売れるまで引きこもっていた似たような小説家志望だったらしい。鎌倉はそういう風土だったのであろう。それなので題材自体には不自然さは感じない。


2.1964年って

東出昌大と夏帆が演じる秘密の恋の出会いは、夏帆の夫が営む食堂に東出昌大が食べに来たことからはじまる。その時1964年だということを示すために食堂の中でマラソン中継をやっている。国立競技場に2位で入場した円谷幸吉ヒートリーが追い抜く劇的なシーンを応援している姿である。でも、この店内の映像ちょっと古すぎない?10~15年くらい昔って感じかな?鎌倉って時間が止まっているところだけど、ちょっと違う気がする。


自分の家の別宅が江ノ島の腰越にあった。住所は鎌倉市腰越である。品川駅から横須賀線に乗って鎌倉に向かう。昭和30~40年代の横浜駅では大勢の崎陽軒の売り子がホームでシウマイを売る。電車も気を利かせて数分停車する。食べ始めてしばらくすると、右手に大船の観音様を見る。そして鎌倉につく。江ノ電に乗り換えるだけだけど、鶴岡八幡宮に向かって鎌倉街中もたまに歩いた。こういう風貌の食堂もあったかもしれない。でも1964年はもうちょっと現代に近づいていると思う。ちょうどそのころ祖母役の渡辺美佐子さんはTV「ただいま11人」にでて現代風娘を演じていた。時代考証教えてやってくれ。


3.ムカつく若者

ビブリア古書堂を手伝うようになった五浦大輔(野村周平)は店主の篠川栞子(黒木華)が大事に持っているお店で一番金額的価値のある本、太宰治の「晩年」を守ろうとする。大輔は狙いをつけてくる連中から守るために自宅で保管しようとする。栞子は結構ですといいたいところだが、むりやり持っていく。ところが、何者かに襲われ、本は奪われてしまう。ショックを受ける大輔。栞子に謝りに行くが、それは本物の希少本でないという。大輔は自分のこと信じてもらえなかったのですかと古本屋を辞めさせてもらうという。


このシーンがいちばんむかつく。自分が失くしてしまったことをすっかり忘れて、信じてもらえなかったとよく言えたもんだ。あえてそういうストーリーにしていると思うが、そのあたりから大輔というキャラにムカついてしまった。栞子さんが身内をも騙して隠すのは当然でしょう。後半はだれる。この男は責任感のかけらもないし、許せない若者だ。

いろいろ話はあるけれど、「幼な子われらに生まれ」での三島有紀子監督の手腕を期待したけど、さほどでもなかった。あの映画は脚本が奇才荒井晴彦でさすがにそれと比較するのは酷かもしれない。主演のキャラもいいし題材自体に不自然さは感じないけどちょっと弱かったという印象。


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映画「さよならくちびる」小松菜奈&門脇麦

2019-06-05 17:53:31 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「さよならくちびる」を映画館で観てきました。

小松菜奈と門脇麦の主演二人のパフォーマンスに引き込まれる心地よい作品である。
久々のブログアップである。4月上旬に大ケガをしてしまった。感想を伝えるほどの映画に出会える時間がなかった。


門脇麦「止められるか俺たちを」で演じた若松孝二監督に助手でついた女の子の印象が今も残る。次作に注目していた。ここでは人気俳優小松菜奈とインディーズ系フォーク系デュオを組む。解散することを決めた女性デュオが最後のツアーにのぞむロードムービーである。女性デュオには成田凌演じるマネジャー兼バックギターを弾く男が帯同している。ロードムービーといっても、行った土地でいろんな人と出会い起きる事件を描くというより、バンド結成までのいきさつを含めて3人の姿をずっと追っていく。

実際には門脇麦が作詞作曲をしてデュオをリードしている設定。かなり歌はうまい。小松菜奈は髪の毛をバッサリ切りショートカットである。雰囲気はいつもと違う。独特のトーンの歌は心地よく胸に響く。2人は素人芸を超えて実際にデビューするという話があるようだ。映画の中で再三再四同じ曲が流れ、最後に至るまでに初めて聞くこれらの曲が頭に刻み込まれている。ジーンと残る主題歌「さよならくちびる」の感触は悪くない。


「二人とも本当に解散の決心は変わらないんだな?」
全国7都市を回るツアーへの出発の朝、車に乗り込んだデュオ〈ハルレオ〉のハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)に、ローディ兼マネージャーのシマ(成田凌)が確認する。うなずく二人にシマは、「最後のライブでハルレオは解散」と宣言するのだった。
2018年7月14日、解散ツアー初日から波乱は起きる。別行動をとったレオが、ライブに遅刻したのだ。険悪なムードの中、何ごともなかったかのようにステージに現れるハルレオ。トレードマークのツナギ姿に、アコースティックギター。後ろでシマが、「たちまち嵐」を歌う二人をタンバリンでサポートする。二人が出会ったのは、バイト先のクリーニング工場。上司に叱られ、むくれていたレオを、ハルがいきなり「ねえ、音楽やらない?あたしと」と誘ったのだった。(作品情報 引用)

1.ロードムービー
男性マネジャーと女2人のロードムービーと言えば、女性プロレスラーとマネジャーの珍道中を描いたロバート・アルドリッチ監督の「カリフォルニア・ドールズ」を連想する。刑事コロンボで有名なピータ―フォークのマネジャーが個性的で、お金にもうるさい奴だった。ここでのマネジャーにがめつさはあまり感じられない。世捨て人のような奴だ。女子プロレスラー2人は仲良かったが、この2人の関係はいつの間にか最悪になっている。マネジャーは何とか引っ張って最終会場の函館まで連れて行こうとしている。どうせ最後だというなら、解散ということをリークしたらとライブハウスの店主に言われる。商売っ気出して解散をPRするシーンはないが、そのあと急に観客が増えるところから、何かしでかしたと連想させる。もうやめないでと言われ2人は戸惑う。


ここではいろんな地方都市のライブハウスを映し出す。浜松、大阪、新潟、酒田、弘前そして函館、全国方々にこういうライブハウスってあるんだなと思ってしまう。それぞれの都市の町並みはそんなに映らないが、大阪の路地裏を小松菜奈が歩き、古レコード屋でマネジャーの成田凌と出会うシーンがある。古いロックのレコードをあさる小松が可愛い。このシーンがなぜか素敵だ。いかにも大阪っぽいエリアを歩く2人を引っ張るように手持ちカメラが映し出すドリーショットウディ・アレンの映像タッチのようで好きだ。

2.何で解散するの?
もともとレオ(小松菜奈)を誘ったハル(門脇麦)には才能がある。詩もメロディも評価されている。インタビューされるとすると、話の矛先はハルに向かう。妬かなくてもいいのにレオの機嫌が悪くなる。しかも、レオは男出入りがよくない。変な男を好きになる。DVな野郎もいて顔に青タンをつくってしまうこともある。具体的にこうやって仲が悪くなったというシーンはないが、そういった積み重ねで仲たがいする。しかも、メンバー同士の恋愛はご法度といいながら三角関係は徐々に複雑になっている。



そんな2人も最終函館のレンガ倉庫に行きつく。ファンが殺到し、解散を惜しんでいる。果たしてどうなるのであろうか?
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