Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

Snapshot;高みの見物

2010-01-10 14:09:48 | 日記


煙草を買いに出たら、いい天気。
こんな日に、ブログを書いたり・読んだりしてるのは、変態ですね。

さて、マスメディアがダメなのは、すべてが“高みの見物”だからさ。

<高みの見物>というのは、<客観的>であることではありません。
<公正>であることでも、ありません。

一方、<下世話な共感>というものがあります。
つまり互いの下品さとか愚かさで<共感>しちゃう。<注1>

いまの<メディア>というのは、この二者のミックスよね。

“マス”がだめなら、“ミドル”がいい、とか、ブログやミクシィや掲示板やツイッターに可能性があるとも、思いません。

つまり、<みんなおなじ>だからさ。
下世話な共感と高みの見物、ミックス。

だから、<知>の出番があるんだが、<大学先生>こそ、この“ミックス-分裂”人格の代表だもんね。

“高みの見物”というのは、なにかを<鑑賞>しちゃう態度よね。
ホラよくあるでしょう、“音楽鑑賞”とか“映画鑑賞”とかさ。

<アート>まで鑑賞しちゃう(笑)

ぼくが、自分の人生を振り返って、“よかった”と思えることは、少ないんだが、ぼくは10代後半で、音楽と映画を、“鑑賞しない”接し方を知った(体感した)と思う。<注2>

しかし現在でも困難なのは、<他者との接し方>ですよ。

<他者>を鑑賞しちゃう(笑)

すなわち<この社会=世界>を、いかにして、鑑賞しないか?

あるいは、<自分>をいかにして鑑賞しないか、ですよ。

そういう<問題>への手掛かりが<精神分析>には、あるような気がします。

《解釈するのではなく、変革する》
とか、
《私は考える、ゆえに、私はある》
とか、名言はいろいろあります。

つまり、何かを<保守>したり、<変革>したりする必要が、あるんです。

もしこの世に<矛盾>や<不正>や<権力-支配-暴力>があるのなら、それを認識し、<変える>必要があるんです。

それは、なぜかみなさんの<常識>である、高みの見物と下世話な共感では、決しておこなえない。

ぼくが、現時点で得た<認識>というものが、あるなら、そういうことです。

日常の小さな個人的な悩み、と、世界大の悩みが、別々に<ある>のではないのです。

個人的な錯乱と、社会的な・生態系的な錯乱が、別々にあることなど、<あり得ない>と考えます。

フランスの戦後のある思想家は、生涯の最後に、<熱情>と言ったということです。
自分の<生>を、アートにする<配慮>と。






<注1>

ぼくがここで<下世話な共感>と呼んだものについて、わかるひとはすぐわかるので(笑)説明したくないが、一応“誤解”をおそれて説明します。

ぼくは昨日のブログでも書いたように<冗談>が好きです。
つまり<冗談>を排除したり、バカにしたり、しません。

あるいは、<遊び>ということを、くだらないとは、ちっとも思いません。
すなわち、あらゆる<硬直性>が、四角四面の<形式主義>がきらいです。

ぼくがここで言っているのは、“下ネタ”や“他人の不幸”で笑を取る、あるいは、それを笑うことで“共感”するような人々です。

ぼくは“下ネタ”で解放される(リラックスする)なら、<真面目にセックスに取り組んで>(爆)ほしい。
それから、“他者に対する惰性的な視線”というものが、きらいだ。
なんらかの“他者の事件(不幸も幸福も)”をネタにして、”なんとなくうなずきあう”というのがきらいだ。

<遊び>についてクリステヴァが書いた文章を、たまたま今読んだので引用しよう;

★ 私たちは親であろうと努めている子どもですが、常に子どもに舞い戻っているのです。そこには、この循環的な側面が見出されます。おそらくフロイトがめざしたものも、また、おとなとしてよりよく振舞うために、記憶を通じて私たちを子ども時代へと連れ戻すことにあったと思います。
<“過ぎ去った時と来るべき時のあいだで”>



<注2>

音楽や映画について、ぼくも自分のブログで“満足に書けた”ことは、ほとんどありません。
最近では映画“尼僧ヨアンナ”について書いたものが、比較的よかったと思う。

また“映画について書いた文章”が、ブログの“素人感想文”でも、蓮實重彦や四方田犬彦のような“映画論”でも読みたくない、音楽も基本的にそうです。
(四方田の新聞に出た“スカイクロラ”評はよかった)

そんな文章を“読む”なら、その映画をみればいい、その音楽を聴けばいい。
(だから単純な紹介のほうがましだ)

映画について“あらすじ”や“感想”を聞くよりは、その映画の1シーンの写真を見るほうがよいのです。




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