Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

善良な市民

2010-07-09 09:25:49 | 日記


ぼくのブログを見てるひとにはおわかりだろうが、ぼくはtwitterをやってないし“いろんなブログ”を見ていない。

ぼくがブックマークしているブログはDoblogの時からかかわりがあったひとの“生き残り”と実際の人生で係わりのあるひとである。
しかももともと数が少ないおまけに、滅多に更新しない(笑)ひとが多い。
“有名ブログ”で見ているのは天木直人と内田樹“だけ”であり、なぜか内田はこのところ更新してない(準“炎上”でブログ元を変更してから)

たまに“不破利晴”ブログ-twitterにリンクされているひとを見るが、あまり面白いひとを発見できなかった。
昨夜、“発見”した。

ひょっとしたら“有名人”なのかもしれないが、田原牧の<西方からの手紙>である。

ぼくのように“田原牧”を知らないひとのためにプロフィールを貼り付ける;
☆1962年生まれ。新聞記者。87年に中日新聞社入社。社会部を経て、95年にカイロ・アメリカン大学に語学留学。その後、カイロ支局に勤務。
現在、東京新聞(中日新聞東京本社)特別報道部デスク。同志社大学・一神教学際研究センター共同研究員。日本アラブ協会発行「季刊アラブ」編集委員。


まだいくつかの文章を読んだだけだが、良いと思った。

最近(5月)のブログ“「善良な市民」という壊れ方”から引用したい。
最初に、《後楽園ホール。「大日本プロレス」の大会を見に行ったのだ。お目当ては葛西純選手。マニア向けかもしれないが、日本屈指のデスマッチ・ファイターだ》とある。

そのブログの最後の段落以下の通り;

★ 教師や管理教育に体ごと反発するという青少年の行動は80年代の「荒れる中学校」以来、鳴りを潜め、その鬱積は陰湿な弱い者いじめへと変質した。その傾向は年間3万人以上が自死する大人社会、世界での日本政府の「ヘタレ」ぶりを投影しているのだろうけど、いずれにせよ正気の沙汰ではない。しかし、浅薄な「勧善懲悪」(例えば公園の適正使用のために野宿者を追い出そうなんていう台詞)や現実主義(その現実は日々変化している)の説教は、その異様さを糊塗する機能を果たしてきた。
 ヘタレがヘタレを自覚しているニヒリズムの時代はまだましだった。そこには世界の理想を空想し、現実との隔たりに苦悶する精神性がまだ残されていた。ところが恐ろしいことに自らのヘタレぶりを自覚できず、それを言い訳する浅薄な理屈を正しいと信じる世界に私たちは足を踏み入れているようだ。「善良な市民」はそんな人間の壊れ方を象徴している。
 はたから見れば、いかがわしいプロレスという興業の中でも、下層の「インディー」と一括されるマイナー団体のデスマッチはそうした善良な市民社会の対極にある。幾重もの「不健全さ」を自覚しながら、一心に集まる客の視線を圧倒しようと愚直に立ち続けるレスラーたち。その姿にはうそ偽りのないロマンティシズムが漂っている。私にはそのレスラーたちの方がしたり顔の評論家や「市民」たちよりも、よほど正気に見えてしかたないのだ。
(以上引用)


ぼくはプロレスに一度も興味を持ったことがないが、以上の論旨と感覚は理解できる。

もちろんポイントは、“プロレス”ではなく、“善良な市民”である。

ぼくも最近つくづく、“善良な市民による民主主義”に対する嫌悪がつのっている。

もちろん、だからといって”新自由主義”や“全体主義”や“国粋主義”に鞍替えするわけではない。

“善良な市民づらした偽民主主義”と罵倒するのは、たやすい。

しかしこの現在、“民主主義”と呼ばれているシステムの虚偽はどこにあり、それをどう“変更”して行くかの、思想と具体策は、きわめてむずかしい。

この“とてつもない困難”に直面し、立岩真也のように“まず考えられるところから考える”ことしかない。





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1 コメント

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Unknown (不破利晴)
2010-07-11 10:20:22
おはようございます。不破でございます。

今日は参院選ですが、warmgunさんは棄権のようですね。まあ、それもいたしかたないですね。ここまで腐ってくると選挙だか政治家の資金パーティーだか訳がわからないですね(笑)

ところで、田原牧。
彼女と言って良いのか彼と言うべきかは非常に微妙ですが、それもひっくるめて僕は大ファンですよ。
東京新聞の記者の顔写真入りでの論説にたびたび登場します。初めて見て以来、ビジュアル的な部分と切れの良い文章に虜になりました。
彼女は中東の専門家ですが、それ以外でも、社会的な視点は我々にとって非常に共感するものがあると思います。
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