日々の事など

時には、旅人

シュティフター 「晩夏」を読み終える

2019-12-26 | 

時々、他の人のブログを読みます。そこで紹介されていた「晩夏」を読み終えました。正に読み終えました。集英社の世界文学全集31、県立図書館になかったので、県立の大学の図書館から取り寄せてもらいました。その図書室で長いこと眠っていたようです。しおりの紐もだれも動かしてない状態でした。なるほど若い人は手にしないでしょう。学校には行かずに裕福な家庭で、家庭教師から教育を受けた主人公が、旅、人とのふれあい、自然、芸術、あらゆる知識を身につけていきます。そこで、新旧の恋がからんで展開されていきますが、主になるのは、自然、芸術、人間の完璧に近いまでの完成、な、の、か、な?自然、芸術、その描写は訳文でも美しい。(でもね、ほら、私の悪い癖、なんと裕福な階級のお気楽な身分の素晴らしい生活!なんて、妬みも込めて思っちゃいました)

ジョージ ギッシングの「ヘンリ ライクロストの私記」の方が好き、こちらも自然描写ばかりでなんということも起こらないのだけど、なんとなく隠者めいて、ペシミスティック。

この本を紹介してくださった方に、感謝。多分、自分では手に取らなかった本です。