この記事は歌野晶午氏の『死体を買う男』の内容についてネタバレしています。
未読の方は、ぜひ読んでからご覧下さい。
結構さくさくと読める作品なので、3時間もあれば読めると思います。
さて、この作品。
こんな「芸の無い」(失礼!)タイトルなのに、作中に死体を買う男なんて現れないんです。
あえて言えば、朔太郎が野崎医師の遺体をお寺に金をつかませて隠したくらいで。
そんなの、タイトルにするほど大切な事柄じゃないですよね(^^;
なのに、なんで???という疑問が頭を駆け巡るわけです。
それで、色々と頭をひねっていたのです。
西崎の発表する予定の「白骨鬼」の中では、兄の直ではなく、弟の均が死んでいるから、
老作家・細見にとっては自分が死んでいることになるわけですね。
その作品を譲ってもらうということは、自分の死を買う・・・死体を買うと言えなくも無い。
でも・・・そんなの「こじつけ」でしょう。納得はいかないですよね。
そこで、思考を切り替えて作品を読んでみると、
ラストシーン、細見は「しばらく迷ったすえ」からタイトルを書いたとあります。
この「迷ったすえ」がポイントかな~と。
そして、この作品中に幾度となく出てくるアナグラムが怪しいと思ったのです。
最初は、タイトルを全部ローマ字にしたアナグラムを考えていたのですが、
ぜんぜん上手いことばになってくれません。
そんな、30分悩んでも分からないようなアナグラムを、死を目前にした細見が使うわけない!
そこで、シンプルに「し・た・い・を・か・う・お・と・こ」で考えました。
色々並び替えていると・・・ある言葉が立ち表れてきたのです。
これが解答だ!と私は思いました。(全然、違ってたりして^^;)
「と・お・い・か・こ・を・し・た・う」→「遠い過去を慕う」
死を前にした細見は、最後のこの作品で真実を明かす。
これは自らの犯罪の懺悔録とは言いながらも、若き自分への憧憬があるのではないか?
「生」の最中にいる時は隠すべきだった自らの罪。
そこには、若き自分の驚くべき情熱と後悔と誇りがあったでしょう。
今、死を迎える細見には眩しく見える隠された遠い過去なのです。
これが正解かなんて、もうどうでもいいやと、変に納得した自分がいます(笑)
あくまでも、私個人の独断と偏見に満ちた考えですので、
歌野氏が見たら「違うよ!」と、お怒りになるかもしれませんけど、ご容赦。
未読の方は、ぜひ読んでからご覧下さい。
結構さくさくと読める作品なので、3時間もあれば読めると思います。
さて、この作品。
こんな「芸の無い」(失礼!)タイトルなのに、作中に死体を買う男なんて現れないんです。
あえて言えば、朔太郎が野崎医師の遺体をお寺に金をつかませて隠したくらいで。
そんなの、タイトルにするほど大切な事柄じゃないですよね(^^;
なのに、なんで???という疑問が頭を駆け巡るわけです。
それで、色々と頭をひねっていたのです。
西崎の発表する予定の「白骨鬼」の中では、兄の直ではなく、弟の均が死んでいるから、
老作家・細見にとっては自分が死んでいることになるわけですね。
その作品を譲ってもらうということは、自分の死を買う・・・死体を買うと言えなくも無い。
でも・・・そんなの「こじつけ」でしょう。納得はいかないですよね。
そこで、思考を切り替えて作品を読んでみると、
ラストシーン、細見は「しばらく迷ったすえ」からタイトルを書いたとあります。
この「迷ったすえ」がポイントかな~と。
そして、この作品中に幾度となく出てくるアナグラムが怪しいと思ったのです。
最初は、タイトルを全部ローマ字にしたアナグラムを考えていたのですが、
ぜんぜん上手いことばになってくれません。
そんな、30分悩んでも分からないようなアナグラムを、死を目前にした細見が使うわけない!
そこで、シンプルに「し・た・い・を・か・う・お・と・こ」で考えました。
色々並び替えていると・・・ある言葉が立ち表れてきたのです。
これが解答だ!と私は思いました。(全然、違ってたりして^^;)
「と・お・い・か・こ・を・し・た・う」→「遠い過去を慕う」
死を前にした細見は、最後のこの作品で真実を明かす。
これは自らの犯罪の懺悔録とは言いながらも、若き自分への憧憬があるのではないか?
「生」の最中にいる時は隠すべきだった自らの罪。
そこには、若き自分の驚くべき情熱と後悔と誇りがあったでしょう。
今、死を迎える細見には眩しく見える隠された遠い過去なのです。
これが正解かなんて、もうどうでもいいやと、変に納得した自分がいます(笑)
あくまでも、私個人の独断と偏見に満ちた考えですので、
歌野氏が見たら「違うよ!」と、お怒りになるかもしれませんけど、ご容赦。