Lucky☆Sardonyx

ばるご☆の戯言ブログです(^^)

逆風の中

2009-02-20 23:27:17 | コメント
ハウス食品、日清食品ホールディングス、東洋水産、永谷園…。景気悪化で奈落の底に突き落とされる企業が続出するなか、史上最高の売り上げを記録するなど元気いっぱいの企業もある。これら不況下の勝ち組企業を探っていくと、「内食」「低価格」という2つのキーワードが浮かび上がってくる。

 「不況の深刻化に伴いサラリーマン家庭の節約志向も強まり、外食を控えて自宅で食事する『内食』への回帰が進んでいる。レトルト食品やふりかけ、茶漬けといったご飯関連商品が売れ行きを伸ばし、これら商品を手がけるメーカーはホクホク顔だ」と指摘するのは食品担当アナリスト。

 即席カレー最大手、ハウス食品の2008年4-12月期連結決算は、売上高が1745億円、経常利益114億円、純利益55億円。経常利益が前年同期比27%増、純利益は43%増となっている。内食回帰でカレールーが好調だった。

 「ハウスはこの冬、カレー鍋を投入した。鍋物用つゆの販売は初めてだったが、『カレーはハウス』として消費者になじみが深いこともあって、カレー鍋は新顔ながら躍進した」という。

 即席麺大手、東洋水産の08年4-12月期連結決算は、売上高2432億円、経常利益221億円、純利益121億円。経常利益が21%増、純利益は28%増とこちらも好調だった。「内食回帰の追い風で、生めん、即席麺が好調だった」。

 カップ麺首位、日清食品ホールディングスの08年4-12月期連結決算は、売上高2775億円、経常利益226億円、純利益83億円。増益とはいかなかったものの、業界トップを堅持している。

 日清食品といえば、話題をさらっているのが、カロリーを大幅にカットした「カップヌードルライト」のテレビCM。20代の代表として女優の戸田恵梨香、30代の代表として元フジテレビアナウンサーの内田恭子を起用。カップヌードルがライトになったことを表現するため、服を一気に脱ぎ捨てて裸体になるシーンがウリだ。

 「服を取るにはワイヤで引っ張るやり方もあるが、自分で脱ぎ捨てる動作を生かすため、衣装に一瞬で脱げる工夫をしている。戸田さんのワンピースは背中側と首もとを大きくカット。内田さんのウエアには切れ目を入れた。居酒屋では『恵梨香派か恭子派か』でサラリーマンが盛り上がっており、CMの効果のほどが注目される」という。

 和風即席食品首位、永谷園の09年3月期通期の連結売上高は前期比8%増の635億円を見込む。主力商品の「お茶漬け海苔」は約20%増と好調だ。

 好決算企業のもう1つのキーワードが低価格。内食志向の強まりに伴い不振に陥る外食会社が多いなか、好調を持続する外食は低価格がプラスに作用している。

 ハンバーガーチェーン最大手、日本マクドナルドホールディングスは過去最高の売り上げと利益を記録した。08年12月期の連結業績は、売上高が前期比3%増の4063億円、経常利益が17%増の182億円、純利益が59%増の123億円。節約志向にマッチした「100円メニュー」などのお得感で来客数が増加した。

 「マクドナルドの決算で目を引いたのは、店舗従業員を指すクルーを2万人増員したこと。製造業での人員削減が深刻な社会問題となるなか、2万人増員は特筆される」という。

 異色なのは、東証1部上場のラーメンチェーンのハイデイ日高。08年3-11月期の単独決算は、売上高が前年同期比12%増の148億円、営業利益が4%増の13億円。09年2月期通期は6期連続の増収増益が確実だ。

 「好調の理由は安さ。主力業態『中華食堂日高屋』の中華そばは1杯390円、300グラムの野菜が入ったタンメンは490円だ。駅前での集中出店が効果をあげた面も大きい。勤め帰りに駅前で安い料理をつまみ、軽く飲んで帰るサラリーマンにウケた」。

 不況はあと数年続くとみる専門家もいる。いかに発想が大切ということか、不況を追い風にしたこれら企業の躍進はしばらく続きそうだ。