以前の記事
SONY ICF-2001D ESD 対策 ... の続編です。
ICF-2001D の回路図を調べると ESD ( 静電気放電 ) 対策として MC931 という 高速スイッチング・ダイオードが2個 ( 1 個の中に 2 個入っているので実際には 4 個 ) 使われています。
それでも ICF-2001D では RF 回路に使われている 2SK152 が静電気によって壊れている個体が多いとか。
なぜ?
以前も書きましたが専門誌を読むと、
「 静電気サージには、ガス入り放電管やツェナー・ダイオードが有効、しかし急峻な立ち上がりのサージには十分には応答できない。」
と書いてあるので MC931 では全ての ESD に対応できないか?または、
この ダイオード MC931 が壊れている事も考えられます。稀でしょうけど。
それよりも私が最近気付いたのは、ロッド・アンテナからの信号には ESD 対策が行われていますが、外部アンテナ入力からの回路ではこのダイオードが ESD 対策として機能しない ( 外部アンテナを接続すると切り離される ) という点です。
外部アンテナ入力から 2SK152 は、ほぼ直結です。
外部アンテナ入力に屋外アンテナを繋いだとして、屋外アンテナが帯電すると FET を壊す可能性があると考えました。
( 素人なので間違いがあれば御指摘を!)
同時期に生産された SONY 製ラジオ ICF-7600D の回路図を見ると、ロッド・アンテナと外部アンテナ入力の両方に ESD 対策が機能するようになっています。
また ICF-7600D にも RF 回路に 2SK152 が使われています。
なぜ
ICF-2001D の、しかも外部アンテナ入力回路だけに ESD 対策が施されていないのか不思議です。
1つの可能性として ( 仮定 );
当時 ICF-2001D のオプション・アンテナに AN-1 というプリアンプ付きの外付けアンテナがありました。
このアンテナ ( アンプ ) に ESD 対策が施してあると仮定すると ICF-2001D 自体の外付アンテナ入力には ESD 対策は不要なのかもしれません。
が ... しかし当時のカタログを見るとの別のオプション・アンテナに 逆 L 型アンテナ AN-60 があるので、この仮説の説得力は失せます。
ICF-2001D に限らず、古い RF 増幅付き高感度ラジオの ESD 対策として高速スイッチング・ダイオードが使えるのではないかと、
↓ 1S2076A というダイオードを買いました。このダイオードのキャパシタンスは 3 pF です。
1N4148 を探したのですが見つかなくて同等品 1S2076A を買いました。
1N4148 の同等品には 1S1588, 1N914 や今回購入した 1S2076A があります。
ちなみに ICF-7600D の ESD 対策には 1SS119 が使われています。
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下の画像は ICF-2001D や ICF-7600D 初段の RF 回路に使われている ( 静電気に弱い ) SONY 製の FET, 2SK152 です。
本当に壊れ易いのか?壊れた事がないので何とも言えませんが、古いディスコン FET だけに手元にあると安心です。
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この FET は静電気に弱いので銀紙に包んで保存しています。