ポチる事 2 台目の三菱の JEAGAM FIC-404, これは希少機種、
当時 SKYSENSOR とか COUGAR が流行ったころ一部愛好家のラジオです。
たぶん量産機種としては初めてダブル・スーパー・ヘテロダイン回路を謳っていました。
残念なのは短波の受信周波数範囲が 3.8MHz - 12.0MHz で狭かったこと。
BCL を謳う当時の対抗機種は 5 バンドが増え、
短波だけで 3 バンドで 3.8MHz - 28MHz の範囲をカバーしていた他のメーカーの機種の方が人気があったのと、
JEAGAM のデザインは作業現場の据え置きラジオっぽく、
JEAGAM 後続の JP-505 でも短波の受信周波数範囲は変わらず人気は上がることなく
終焉した JEAGAM Series.
FIC-404 には BFO, JP-505 は BFO Fine Tuning が付いてマニアックでした。
FM Wireless 機能もあり、トランシーバーみたいな使い方も出来たんですね。
私はこの FIC-404 の作業場の据え置きっぽいデザインが好きです。
唯一残念なのは、立てて置いて聴くと自慢の VU Meter の動きは見えない。
癒し系 VU Meter だけはスピーカー側の正面に置いて欲しかった。
当時の NSB 日本短波放送 肝付兼太『ハロージーガム』のスポンサーである三菱電機の番組がありました。
話は元に戻って 2 台目を先日ポチッたので掃除を兼ねて調整します。
この JEAGAM はかなりマニアックと言うか複雑怪奇な構造になっていて、
職工人泣かせだったのでは?
分解と組み立てでかなり苦労します。
ちなみにスピーカーは伝説の三菱オーディオ DIATONE ではなく PIONEER 製
外していくネジも順番があり、またダイヤルの糸巻きは複雑怪奇、
私は決して糸巻き部分は外しません。
ここに 12 年前に苦労の末に作成した分解組み立ての手順書を張り付けておきます。
見るには goo blog 登録が必要かも
ダイヤルの糸掛けは外さずに調整が可能です。
このダイアルのフィルムが緩んでいたのとスリップ気味だったので調整しました。
FM の受信周波数範囲は 76MHz~90MHz ですが、
ダイヤルを枠外まで回すと 92MHz 付近までは Wide FM 局を受信できます。
フィルムは拭いてプラスチック保護液で見違えるようになりました。
低周波増幅回路に使われている IC は Rohom 製の BA302 です。
12 年前に将来の補修用にオーストラリアから仕入れていました。
出番はあるかな?
電力増幅回路にはゲルマニューム・トランジスタ 2SB495 が PP 回路となっていて、
シリコンみたいなヒート・シンク用のゲル状の物が塗られています。
取り付け直したところ ⇩
本体の金属部分がヒートシンクになっています。
ドライバーに IC を使い、
最終段には ゲルマニューム・トランジスタ、
この組み合わせは今で言う真空管と OP-AMP 組み合わせなどのハイブリッドの先駆けか?
いや、うがった見方をすれば、カタログに IC を使っているというアピールだったのかも?
1 IC, 2 FET, 12 TR みたいな。
それでも現役で通用するから選択は間違いなかったという事でしょう。
さて肝心なのはクリーニング、人が触れていたスイッチなどは酷い汚れでしたが、
綺麗に消毒・掃除して気持ちよく使えます。
三菱のゲルマニューム・トランジスタ 2SB495 は在庫あるうちに補修用に注文しました。
調整とクリーニングが終わり、
折角だから 日本短波放送ではないけど 6115kHz Radio Nikkei 2 を聴いています。
自宅に保存している 1 台目は音がボヨンボヨンという感じで色々と苦労の末に改善しましたが、
今回の 2 台目の筐体は問題なくいい音です。