まずは結論 ; FIAT500 Abarth 595 Dualogic の作動油を交換することにしました。
( Dualogic ; マニュアルトランスミッションを油圧でクラッチとギアを切り替える AT )
この作動油はギア、トランスミッションに浸されている潤滑オイルではありません。
ギアを切り替えたり、クラッチを動かす高圧で作動する作動油を指します。
DCT, DSG, Dualogic の変速機作動オイルの交換については是非が問われています。
交換派; 20,000km も走行するとスラッジが貯まり作動油は真っ黒、洗浄・交換が必要
否定派:メーカーによっては交換を推奨していない場合は交換不要
どっちが正解なんだろう?
トランスミッションの作動油はエンジン・オイルやミッション・オイルの様に頻繁に
定期的に交換を前提としたオイルとは、性質が全く異なります。
DCT, DSG, Dualogic などの作動用油交換に起因するトラブルが多少あるらしい。
経年変化による故障が発生したら、アッセンブリー ( 装置まるごと ) 交換が前提の
機構である。
以前 VW では DSG 日本だけで 17 万 6068 台という大量のリコールを出した。
こういった作動油の交換には、蓄圧器、パッキンやオイル・タンクの交換とか
作動油交換以外に付随する作業が必要な場合があり、
しかもメーカーとしてはアッセンブリー ( 装置まるごと ) 交換を前提にしているため
不良個所だけ個々の部品単体の小売りはしていないようです。
先日、FIAT ディーラーのサービス担当者に話したら、
「Dualogic のオイルは交換不要です。」と言われた。
ディーラーのサービス担当者が言うんだから、整備不要、メンテナンス・フリー、
良かった、とは思わないのが天邪鬼な私、 VW の例がありますからね。
ディーラーではない別のイタリア車を扱うの整備工場で交換してもらうことにした。
いわゆる壊れてはいないけど『予防整備』と言われる事前処置、
『転ばぬ先の杖』です。
さて調べると 700cc 程度の作動油交換だけど交換を前提としていない機構だけに、
面倒な手順が必要なようです。
① まずはプログラムで蓄圧器(50気圧?)の圧力を抜いてタンクへ作動油を戻す。
② スラッジも含めて綺麗に作動油を抜いて清掃。
③ 一旦、新品のオイルを入れる。
④ AT ギアを何回か作動させて Dualogic の機構に貯まったスラッジを追い出す。
⑤ 再度プログラムで蓄圧器(50気圧?)を抜いてタンクへ作動油を戻す。
⑥ 再度新しい作動油へ入れ替える。
⑦ 専用コンピューターでギアとクラッチのキャリブレーションを行う。
こんな感じらしいのですが、「言うは易く行うは難し」で、
元来、作動油交換を前提にしていない設計なので大変そうです。
Dualogic のオイルを交換する間、代車を借りました。
FIAT Panda “Alessi”
この代車 Fiat 2 代目 Panda, こちらも Fiat お家芸の Dualogic トランスミッション
を搭載、初回登録からもう既に 15 年 16 万キロを超える走行距離です。