晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

再び! <シー・シェパード>を擁護する、日本人反捕鯨論者に反論する

2010-02-11 00:01:48 | 日本人の意識と精神構造
再三再四繰り返される<シー・シェパード>の暴力行為にうんざりしていた矢先に、<愛読>しているあるブログに、シー・シェパード側を擁護する記事を見つけて、<反論>のコメントをしてしまいました。


それに対し、ブログ主様から、かなり感情的な<反反論>の書き込みがあり、それに再び再反論しようとしたら、コメント送信を受け付けなくなってしまいました。
(これは、コメント拒否では無く、あくまでサーバー側の問題らしいですが)


もうこの件は、かかわり合いたくない、と思っていた物の、このまま引っ込んでしまうと<胸のつかえ>が取れないので、拙ブログ上で、その問題を又ゾロ繰り返す羽目になってしまいました。


論争(という程の事では全くないのですが!)の発端は、以下の通りです。

▶まず、日本側は自分たちに都合の悪い動画は見せないようにしており、写真だけしか公開していないとこからしておかしい。シー・シェパード側が提供した2番目の動画を見る限り、日本の「第3勇新丸」が右側からシー・シェパードの「ボブ・バーカー号」に衝突しているように見えるし、シー・シェパードの説明の方が説得力がある。衝突されたときは、日本の捕鯨船4隻に囲まれていたということだから、よけようにもよけられない状態だったのだろうと思う。日本のマスコミはどこまで捏造情報を流せば気が済むのだろう。水産庁も不況でみんなが喘いでいるときに、国民の税金をこんな馬鹿げた争いを生む捕鯨に使うなんて許せることではない。
ブログ【カナダde日本語】

以上は、散々<映像>などを駆使して、状況説明を行われた後の、末尾の<結論>部分であります。



それに対する、私のコメントの、要旨は以下。


貴女までが!
(一部省略)
この問題は、突き詰めると以下に凝縮するのでは無いでしょうか。
1)白人社会に無い文化、他民族の伝統を理解しようとせず、一方的に否定する。
2)白人圏の捕鯨は、ほとんど問題視しない。
3)ここ数十年の流れとして、エコと動物保護とは<金>になり、日本を叩くと、さらに金になる。
4)日本政府は、一般的に他の国々の様に激しく対抗手段をとらないので、狙いやすい。
如何でしょうか。
オーストラリアが勝手に主張している『南極海』の領海主張は、国際的に否定されており、<公海上>での他国籍艦船への攻撃は、海賊行為と見なされるはずです。
レーザー・ビームの照射や、酸性薬物の散布、さらに進路妨害などは、立派に<攻撃>に該当すると思われます。
日本国内の<反捕鯨論者>の意見として、以下のような物が主流のようです。
あ)鯨の食文化は既にマイナーである。
い)鯨肉の日本の食料事情に占める割合は、限りなくゼロに近い。
う)何もわざわざ鯨を食べなくても、ほかに食料は沢山ある。
え)日本沿岸だけでやれば良い。
お)水産庁の利権と、役人尾天下り先の確保に過ぎない。
しかしこれらの主張は、<自国の文化を一方的に否定される事>に対する反論になっていません。
鯨肉料理に繊細を知らないから、文楽が理解出来ないから、と言って<自分達の固有の文化>を否定するような言動は、日本国籍を捨ててから言って欲しいと思っています。
さらに付け加えるならば、日本人女性で<外国人>と結婚している人は、<反捕鯨論>を展開している事が多い事に、気がついております。
最後に、パリ大学医学部大学院博士過程の教授が次の様におっしゃっておりました。
「鯨は現在増えすぎており、プランクトンや小魚を大量捕食しているので、海洋に置ける食物連鎖がゆがみ、生態系に大きな変化を与える可能性がある。」



それに対する、ブログ主様の反論が以下。

貴女までが!さま、

一見もっともなことをおっしゃられているようですが、言ってることがめちゃくちゃですね。外人と結婚している日本人女性が反捕鯨論を展開することが多いというのは、単なる推測にすぎないでしょう。

わざわざ地球の裏側の鯨禁猟区まで行って、クジラを虐殺することが日本の文化ですか?もっとも、軍国主義にかぶれた日本の右翼集団は南京大虐殺など、虐殺が大好きのようなので、これも文化と呼ばれてもいいかもしれませんが・・・・。

1)白人社会に無い文化、他民族の伝統を理解しようとせず、一方的に否定する。 =>捕鯨は白人社会に昔からありましたけど?
2)白人圏の捕鯨は、ほとんど問題視しない。=>昔からクジラを食べており、それが生活の一部となっているイヌイットなどネイティブの捕鯨量と日本の捕鯨量の差がわかっていっているのですか。
3)ここ数十年の流れとして、エコと動物保護とは<金>になり、日本を叩くと、さらに金になる。 =>シー・シェパードはお金のために反捕鯨活動をしているのではありませんよ。又、クジラを守るためにはお金も必要となってきます。

4)日本政府は、一般的に他の国々の様に激しく対抗手段をとらないので、狙いやすい。 =>そうでしょうか。今回の衝突のように言葉ではかなわないから、暴力に出ているのでは?


オーストラリアが勝手に主張している『南極海』の領海主張は、国際的に否定されており、<公海上>での他国籍艦船への攻撃は、海賊行為と見なされるはずです。
=>逆に公海での捕鯨は禁止されているはずですが・・・・。

レーザー・ビームの照射や、酸性薬物の散布、さらに進路妨害などは、立派に<攻撃>に該当すると思われます。
=>何の被害も与えないものなので、攻撃とはいえないでしょう。



それに<再反論>しようとして、コメントを受け付け無くなったのです。




あえて、このブログ上で、私の思いを述べて置きます。


1)への反論=>捕鯨は白人社会に昔からありましたけど?

有りましたとも!
単に<油>を採る為だけに、何百万頭を<採油後>破棄していました。
おかげで、鯨の個体数が激減した訳です。
その件での<自己批判>を聞いた事が無い様に思うのですが。


2)への反論=>昔からクジラを食べており、それが生活の一部となっているイヌイットなどネイティブの捕鯨量と日本の捕鯨量の差がわかっていっているのですか。

数量で<善悪>を決め付ける権利は、人間には有りません。
生命を維持する為に、他の生命を<捕食>する宿命に有る以上、この反論は<神>のみに許される事で、人間が言うのは僭越だと思います。

それに、<イヌイット>が捕食するのは、<絶滅危惧種>です。
日本が<調査捕鯨>しているのは、増えすぎている<ミンクくじら>等の、100万頭単位の内の、年間1000頭です。

第一、『イヌイット』の<生活の一部>になっている、という事は<彼らの文化>を尊重している訳ですね。
なぜ<日本の文化>は尊重出来ないのでしょう。

それに、ノルウエーやアイスランドの捕鯨は<攻撃>しませんよね。
ダブル・スタンダードも甚だしい様ですが。


3)への反論=>シー・シェパードはお金のために反捕鯨活動をしているのではありませんよ。又、クジラを守るためにはお金も必要となってきます。

その通り、現場で運動の先端にいる人たちは、純粋(善し悪しは別として)で有る事は知っています。
自己満足のマスターベーション的な部分はこの際置いておきます。

ただ、グリーン・ピースなどの大組織になると、その上層部はまるで一頃のIOCとそっくりに見えますが。。。
(何様だ!って感じですね)


4)への反論=>そうでしょうか。今回の衝突のように言葉ではかなわないから、暴力に出ているのでは?

そうでしょうか?
シー・シェパードの様に<暴力>には訴えていませんが。
あくまで身を守ろうと、逃げ回っているだけです。
4隻で船団を組んで航行中に強引に進路妨害して突っ込んでくれば、形としては4隻に囲まれますとも。
片方の言い分だけ打判断しているのは、日本のマスコミだけでは無いようですね。
相手の行動は<気違いに刃物(使用禁止用語ですか!)>ですから、必死で放水しながら逃げる意外、何が出来ますか。
相手は、ただただ<妨害>する事と、それにより世間の<注目を集める>事だけが目的である以上、最後にはぶつかってしまいます。
(相手はそれを望んでいる)
これが、もし<中国>だったり、<イスラエル>であったら、砲撃して撃沈しますね。
アメリカやロシアには、こんな示威行為は出来ないだろうし。
ロシアの、日本海への廃棄原潜の不法投棄による汚染を追求してみては如何でしょうか。あるいはアメリカの<CO2排出制限への非協力>な政策に、体当たりで抗議してみてはいかが?




>『南極海』のセンテンスへの反論=>逆に公海での捕鯨は禁止されているはずですが・・・・。

<南極海>は、いかなる国家にも所属しない、事になっている筈だと思います。
だからこそIWCは<調査捕鯨>を禁止出来なでいる訳でしょう。
逆に、日本沿岸での捕鯨を禁止されていたと思います。


>レーザー・ビームや酸での攻撃、に対する反論=>何の被害も与えないものなので、攻撃とはいえないでしょう。

とんでもない言い分です。
ピストルを人に向かって撃っても、当たらなければ<犯罪>では無い、という事ですね。


>その後の反論文。
わざわざ地球の裏側の鯨禁猟区まで行って、クジラを虐殺することが日本の文化ですか?もっとも、軍国主義にかぶれた日本の右翼集団は南京大虐殺など、虐殺が大好きのようなので、これも文化と呼ばれてもいいかもしれませんが・・・・。


正に<反捕鯨論者>お得意のヒステリックな反応としか思えません。
捕鯨と南京虐殺とを同列に並べる。
オーストラリアの毎年何十万頭規模のカンガルー虐殺は、どうでも良い訳ですね。
この理論で反論すると、国際法上に全く根拠を持たない<イラク侵攻>で民間人に100万人の死者を出し、アフガンやパキスタンで次々と民間人を殺している<アメリカ>と連合国は、どうなのでしょうか。

他民族を殺す事には鈍感で、回り回って我が身に降り掛かって911事件が起こると、この世に地獄の様に大騒ぎします。
これも<西欧文化>ですね。

<虐殺>は、むしろ<西欧文化>では有りませんでしたか?

タスマニアの住人を<根絶>し、アボリジニを消滅寸前まで追い込みました。

アメリカ大陸の先住民族を、根絶やしにしたのは、スペイン人を始めとして、ヨーロッパ人です。
貴女のお住まいのカナダも、先住民族をほぼ根絶やしにして、(勝手に)建国されたのではなかったでしょうか?


私は、<南京虐殺>は否定する者では有りません。
ましてや、国粋主義者や右翼は嫌悪しています。
新左翼世代な物ですから。
戦前戦時の、日本の軍部の性格からして、多いにあり得た事だと思っております。
ただ、中共軍が近くにいながら、何ら介入しておらず、限られた時間で起こった虐殺の実態は、現在中国政府が発表している様な被害者数ではあり得ない、と考えます。

原爆や、東京無差別大空襲で一〇数万人です。

中国政府が、最初にこの問題を提起した頃の、八千人くらいか、もう少し多い位の数が、妥当な真実では無いでしょうか。
もちろん、その数自体大変な数字ですが。


外国人と結婚している日本人女性が反捕鯨云々の部分も、もちろん調査機関を使って正式な調査をした訳では有りません(当たり前)。

ただ、見聞きする範囲、ほとんどがその例に当てはまるものですから。。。つい(笑)。


これは、祖国の文化を深く理解していないまま、若くして日本を離れ、住み着いた先の文化に影響されてしまうからだと思われます。

その際、男より女性の方が絶対数が多い事と、女性の方が配偶者の感覚に染まりやすいから目立つのではでは無いか、と思います。
(ものすごい非難の反論が来そうだナ~)

住み着いた国に同化する事は、必要ですし必然でもあります。

だからといって、生まれ故郷の文化を卑下する事は、単なるコンプレックスにすぎないか、何かの勘違いです。
(一部の日本人女性が、外国人の伴侶を得て、何か不思議なエリート意識を持っているような馬鹿な例を良く見かけます)


繰り返しになりますが、鯨を食べた事が無いから、鯨食文化は野蛮だ、と思わないで頂きたい。

単に油の採取だけの目的の西洋の捕鯨と違って、日本人は大変繊細な鯨料理を造り上げてきました。

肉も、皮も、脂肪も、筋も、内蔵も、髭も、骨の一部すら、利用し尽くして、あらゆる分野に渡る、広範囲な伝統を生み出してきました。

その伝統と文化の奥深さを知らない事は、決して貴女の<罪>では有りません。


しかし、知らないからといって、否定する事は、しかも<暴力的に>否定する事は、<罪>です。
その罪を、精神的にも物質的にも<支援>する事も、同列の<罪>だと思っております。

「解体作業が残酷だ」
これも身勝手です。

「鯨は知能が高いから殺してはいけない」
これも身勝手です。

鶏を<シメル>のも、牛を<と殺>するのも、魚を<三枚にオロす>のも、全て同じ行為です。

有機生命体である以上、他の生命を補食する事は宿命です。
そして、鶏は良くて、牛も良くて、鯵も良くて、<鯨>は駄目、と言えるのは『神』のみです。
人間の分際で、<命>に差をつける権利は有りません。

鯨があまりにも巨大なので、それを解体する作業が、よけいに<劇的>に残酷に見えるでしょう。
しかし、<鶏>も<牛>も<鯵>も、さらに言えば<花を手折る事>も、本質は同じ事なのです。


元をただせば、ベトナム戦争時代に、<枯れ葉剤>攻撃による環境問題がクローズ・アップされ始めた頃、アメリカが<環境問題>として急に<鯨>を取り上げ始めた。

このような背景を見るに、西欧の<感情論>としてだけの<反捕鯨論>は、アメリカの世界戦略の片棒を担いで来た、とすら言えるのでは無いでしょうか。

そこに加えて、西欧人の奥底に潜む<人種的偏見>が絡んでいる様に思えます。
一部の西欧人達に取って、日本の<経済的発展>も、目障りな物でしょう。

そのような、複雑に入り組んだ<ニッポン・バッシング>に、同じ日本人(じゃ無くなっている人もいる?)として、軽々しくお先棒を担いで欲しくないのです。


反捕鯨論者は、なぜか<優越感>を持って上からの目線で語る事が多い様に感じます。
『イヌイット』の事を<例外視>する事も、優越感の裏返しに過ぎない様に感じます。
何やらマカ不思議な<選民意識>で、お互いにしゃべり合っている様子は、まるで<集団自慰行為>のごとくで、薄っ気味悪い事限り無し。

この問題になっているブログのコメント欄でも、ブログ主支持派の文面は、正にその傾向を表していますね。
妙に<専門知識>をひけらかさなくとも、「別にあなた方を馬鹿扱いはしませんから、御心配なく」って言いたくなる様な人たちが多い様です。


一部の過激分子が、騒ぎ立てても別に構わないけれど、他民族に、日本の文化と伝統とを<一方的に>否定される事は、受け入れられません。


その無法行為を、同胞に対する<物理的攻撃>で行われる事は、さらに受け入れられません。


あえて言えば、私だって<鯨>を殺さないで済むのであれば、殺したくはないです。
鯨の脂身をゆでて冷たく冷やした物を、酢みそで食べるおいしさも、別に二度と味わえなくなっても我慢出来ます。


しかし、現在のやり方での、日本の捕鯨に対する<攻撃>には、断固として反対します。

さらに付け加えさせて頂くならば、『カナダde日本語』様は、ブログとして多いに尊重し敬意を表しており、喧嘩を売るつもりは全く有りません。

ただ<捕鯨>の話になると、黙っていられなくなるだけなのです。。。



それにしても!

捕鯨期間が過ぎると、次は<マグロ>と来た。


ワトソン船長(海賊船の?)の顔ツキを見てみると、どうひいき目に見ても、正常とは思えない。
一頃のエリツインの様な<人格崩壊者>のごとよこしまな顔つき。
SSは、まさしく<ナチス>の徽章そのものだ。


暴力に訴えないと<主張>できないレベルの人間達とは、関わりを持ちたくないのが、私の本音です。


地中海沿岸の、零細漁民を襲うが良い。



ただし。

<自慰行為>は、閉じこもって<独りで>こっそりやって頂きたい。




◆【追記】◆
この記事を送信した時点で、「カナダ・・・」さんのブログにトラック・バックしておきましたが、予想通り(!)2月14日終了時点でも、表示されておりません。自分に都合の悪い反論は<無視>される様ですね(苦笑)。


コメント (37)
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全国民は、武藤 功氏の <「検察政治」と「小沢政治」煉獄に耐えた小沢氏はその志を貫け >を読め!

2010-02-10 00:01:01 | 政治と社会
以前、同じ様なタイトルで、記事をアップした事が有りました。


全国民は、武藤功氏の<『普天間基地問題の焦点は何か-オバマより鳩山が断然正しい>を読め


そして、今回の<検察>の暴走事件に関して、同氏の秀逸なる論説がTHEジャーナル『ニュース・スパイラル』に掲載された。
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/02/post_493.html



今回の小沢民主党幹事長に対する、石川議員及び、あと2名の小沢幹事長の秘書の逮捕までも巻き込んだ騒動が、如何に日本社会に対しての危機であったか(未だ現在進行形であるが)を、理解出来ない方々が非常に多い事も有って、氏の論説が<詳しく>且つ<解りやすく>整理されているので、ぜひ多くの方々にお読みいただきたいのです。

全文は、同ページで読んで頂きたいのであるが、検察の恣意的に国民をだまして<自己の目的>の為に続けて来た捜査方法と、それらの動きを支え続けたマスコミの作用とは、本段に詳しく述べられている。

それもさる事ながら、特に本質的に重要と思われる箇所を抜粋する事を、お許しいただきたい。


◇小沢政治への期待

>環境問題、憲法問題などさまざま市民運動に取り組んでいる無党派グループのなかには、「小沢政治」に期待する声が意外と多い。これは単純に小沢氏の革新性に幻想をもって期待するというのではない。むしろ、小沢氏の保守的立場からの「剛腕」への期待といった方が正確である。この背景には戦後60年余に及ぶアメリカへの国家的追随ということがある。日本の戦後政治は常にアメリカの「大きな政治」に追随するかたちで「小さな政治」に甘んじてきた。この「小さな政治」の別な名称は「安保国家の政治」ということである。

>新旧の「安保条約」と「地位協定」によっても合法的に撤去要請ができるのに、その主権国家の意思がまるで働かないのである。この意味では米国は戦前の天皇制と同じ作用を及ぼしている。現状の変革になるような意見は「畏れ多くて」口にすることもできないという風情である。とくに安保にかかわる問題となると、主権国家の意思が麻痺してしまうかの如くである。

>この国家的な政治現象は、世界的にも稀に見るものであろう。これだけの自立的な経済大国であり、かつ自主防衛という看板をかかげて5兆円もの防衛予算をつぎ込みながら、その10分の1にも満たない軍事予算の北朝鮮に脅えて日米安保にすがりつくという塩梅だからである。この意味では、対米的な国家主権ということからいえば、北朝鮮よりもイラクのマリク政権やアフガニスタンのカルザイ政権よりも臆病であり、主体性がない。これは、経済的には完全に中国の傘の下にありながら、決して従属的ではない北朝鮮とくらべてみても際立っている。その内容はどうであれ、北朝鮮は六者協議への対応にも明らかように、国家主権を歪めるような卑屈な態度は中国に対して取っていない。ところが日本は、普天間基地という一基地の「小さな問題(在日米軍基地の20分の1)でも、相手がアメリカだということになると哀れなほどのビビリようである。足元がふらついてまともな思考ができないかの如くである。

>もう、いい加減にしろ、というのが国民の声なき声であるが、自公政権を倒した鳩山政権でも、この声をしっかりと受け止められずにいる。普天間基地問題が鳩山政権の命取りにもなりかねない現実がつくられつつあるのは、その対米姿勢に主権国家の意思を提示することができず、「アメリカの理解」という制約を自ら作り出しているからである。もうその種の主人の意見を聞いて動く「番頭型政治」は脱却すべきだ。

>小沢氏の「剛腕」への期待が生まれるのは、こうした背景においてである。現在の政界を見渡して、「安保国家」のしがらみを排して「普通の国」へと舵を切れる能力をもつ政治家は小沢氏しかいそうもないということがその期待の第一である

>小沢氏への期待の第二には、それを安定的な政治によって達成するためには多数派第一党のリーダーであることが不可欠であるということがある。

>第三には国論の統一のもとに国民国家とその主権にもとづく国際秩序に合致するかたちで米国の従属的安保体制から脱却するためには、保守の立場に足場を置きながら現状の変革を試みるという坂本竜馬型の人物がふさわしいからである。

>国民的な希望を常に自主的に描けるようになるというのが主権国家の原則である。この原則に「アメリカ」という禁制をもたらしている「安保国家」は、最早その20年前の冷戦の終焉とともに歴史的使命が終わっている。

>このことを認識できずにきたのが自民党中心の「55年体制」であったが、その政治の枠組みを突破する政治戦略を描いてきた小沢氏には、もう一つその外枠となった「安保国家」という「45年体制」を突破できる可能性が生まれている。そしてまた、戦争をやりながらノーベル平和賞を受け取るというオバマ型の「剛腕」に対峙して「安保国家」の制約を打破するためには小沢氏の「剛腕」が不可欠である。



つまり、小沢氏の<金銭感覚>などと言った、あえて言えば<枝葉末節>の自民党的追求よりも、我が日本が本当に独立した<主権国家>たらしめる、今こそが始て訪れた<チャンス>で有り、それを実現出来そうな人物こそが、<剛腕小沢>その人だ、という認識を共有しなければならない、という事なのである。

おそらく、小沢氏本人は、今の<民主党>が彼の政治的主張を代表した物だ、とは考えていない筈だ。

旧社会党左派から、自民党右派であった層までを取り込んだ政党は、ある意味では<政党>では無い。

ただ、彼が求め続けて来た、<本来の民主政治が行える体制>を造り上げる為に、国会での多数を占める必要が有り、そこで思いを実行する立場にいられる事、が彼の目指す道、翻って旧政権がもたらして来た<矛盾だらけの>社会を変革する、大多数の日本国民の願いと合致する、その目標を達成する為の、あくまで手段に過ぎないのであろう、と思われる。

ひとたび、官僚支配のシステムを完全に撤廃し、国民に選択された政権が国制のすべてに責任を持って、立案し、施行してゆく制度の確率が成し遂げられた後、おそらく彼は、党を割るのでは無いか、と思っている、

真に国政を担当し得る能力と意志とを持った、本来の政治思想に基づいた<二大政党>を造り上げ、日本を本当の近代国家に導いてゆく、彼の夢は、自民党と決別し、<新進党>を立ち上げたときから、変わっていないようであるから。


我が国に、『アフマネジャネド』や、『ネタニヤフ』のように、「たとえ国際世論が総反対に回ろうとも、自国の利益の追求のためには、何者をも恐れない」という様な腹の座った指導者が出現する事は、この国民性から見て、あり得ない様な気がする。

もちろん、上記の如き指導者が出てしまったら、それこそ<戦争>になりかねないので、ごめん被りたいのである物の、いかなる他者にも遠慮する事無く、自国の主権こそを至上命題として、国政を引っ張れるリーダーという存在は、ある意味でうらやましい限りだ。


その辺の微妙なあれこれを考えると、両極端をのぞけば、<剛腕小沢>氏は、正にうってつけの人材だと言えよう。


それにしても、あの<顔>と、あの<口べた>とがえらくを損している。

天は二物を与えない。。。。

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<メイド・イン・ジャパン>への信頼がドンドン失われてゆく! 元々<神話>など存在していたのか?

2010-02-09 00:01:22 | 世界に置ける日本
拙ブログで、<表示偽装>への批判を繰り返して来た。


その時儲けられれば良い。
中期的、ましてや長期的展望など、全くない。
今<稼ぐ>事しか考えられない。


こんな経営者が、後を絶たない。

これは<東アジア>人種のDNAなのだろうか。。。


中小企業も、大企業も変わらず。

おそらく中小企業は、今日稼げないと生き残れない、という劣悪な経済環境有っての事か?
そして、大企業は、タカをくくった驕りか?


ここの所、経済面の枠をはみ出して、社会面でも多くの記事でにぎわっている『トヨタ』の巨大リコールに加えて、今度は『小糸工業』のデータ偽装によるゴマカシが露見した。


あ~あ。



▶【トヨタ】危機管理という名のブレーキの踏み遅れが、事態を最悪にした(共同通信)


そのトヨタの問題の<歩み>をたどってみよう。


◆大手製造業、株主重視で人員削減 内部留保、空前の33兆円(共同)

>大量の人員削減を進めるトヨタ自動車やキヤノンなど日本を代表する大手製造業16社で、利益から配当金などを引いた2008年9月末の内部留保合計額が、景気回復前の02年3月期末から倍増し空前の約33兆6000億円に達したことが23日、共同通信社の集計で明らかになった。
>過去の好景気による利益が、人件費に回らず巨額余資として企業内部に積み上がった格好
【2008年12月】


その直後に。


◆トヨタ名古屋にデモ行進 「労働者使い捨て許すな」

>労働者の使い捨てはやめろ-。製造業の業績悪化で契約を打ち切られた労働者らが23日、愛知県の労働組合員らと一緒に、トヨタ自動車の名古屋オフィスが入る名古屋駅前のビル周辺をデモ行進し、雇用確保や生活の安定などを訴えた。
 
>デモには外国人労働者も含む約200人が参加。冷たい風の中、「クビ切るな!生きさせろ!」などと書かれた横断幕やのぼりを掲げ同駅近くの公園を出発。「細切れ派遣は許さないぞ」と大声で叫び、同ビルに向け約30分間行進した。

>、トヨタの正社員である60代の労働組合員は「トヨタのような大企業は社会的な責任は大きく、非正規でも雇用を守り、世界に宣伝してほしい」と話した。(2008年12月23日17:02)


ここには、<巨大企業>トヨタの驕りが、はっきりと現れている。
日本型経営の理念であった、<企業の第一の資産は従業員>という価値観が失われてしまった。
これでは、技術の継承も、会社の活力も、ひいては品質の維持すら、受け伝えていく事は出来ない。

小泉改悪の罪はあまりにも大きい。


◆トヨタ初の営業赤字1500億円 世界景気後退と円高で

>トヨタ自動車は22日、2009年3月期の連結営業損益(米国会計基準)の予想を、従来の6000億円の黒字から1500億円の赤字に下方修正した。トヨタの営業赤字は記録が残っている1941年3月期の決算以来初めて。前期(08年3月期)は過去最高の2兆2703億円の黒字だったが一気に2兆円以上利益を減らす。

◆トヨタ世界販売21・8%減 11月、単月最大の下落幅

>トヨタ自動車が24日発表した11月のグループ世界販売台数(ダイハツ工業、日野自動車含む)は、前年同月比21・8%減の約61万8000台で、比較可能な2000年1月以降、単月では最大の下落幅となった。
 
>世界規模での景気悪化を受け先進国を中心に自動車販売が深刻な不振に陥っているため。

◆米紙「トヨタでさえ赤字」と報道 驚きとあきらめ

◆トヨタ社長に豊田章男氏 創業家から14年ぶり
 
>トヨタ自動車は9日、渡辺捷昭社長(66)が副会長に退き、後任に創業家出身の豊田章男副社長(52)が昇格する人事を固めた。

>創業家出身の社長は1995年に退任した豊田達郎相談役(79)以来で、14年ぶりの「大政奉還」となる。張富士夫会長(71)は留任する。

>トヨタは世界的な景気後退による販売不振で「かつてない緊急事態」(渡辺社長)を迎えており、創業家の求心力で難局の打開を図る。
以上引用は全て【共同通信】



それにしても、あっけなかった。

<創業家の求心力>など、本社内では力学が働くかもしれないが、多くの外部企業全ての社員達には、<コップの中の嵐>程度の事。


そして、<エコカー減税>とやらのおかげと、アメリカの自動車業界の破綻とのおかげで、いわば他人二人分の<ふんどし>で、2009年に一気に業績を回復した、筈だった。。。



▶「アクセルは控えめに、ブレーキは早めに」。経営にも通じる…【西日本新聞のコラム】

>…販売台数が世界一になったトヨタ自動車が、米国を中心に突然のピンチに見舞われる展開を誰が予想しただろう。そもそもの発端は「アクセルペダルの不具合」というから具合が悪い

>アクセルペダルの不具合によるリコール(回収・無料修理)は欧米や中国などで計400万台を超える。ペダルの根元の部品が原因とされる。該当する部品は米国メーカー製だ。海外生産急拡大という名の「アクセル全開」に問題があったのか

> 日米での「ブレーキの不具合」発覚で不安が増した。看板車種の新型プリウスが対象だからますます具合が悪い。幹部は最初「ドライバーの感覚の問題」などと説明した。社長が記者会見に現れたのは不信が募ったあとだった。危機管理という名の「ブレーキ」の踏み遅れが、事態を最悪にした

>自動車教習所で教わったような気がする。「アクセルは控えめに、ブレーキは早めに」。経営にも通じる。自動車メーカーだけに限らない。(2010年2月7日付「春秋」



かつて『経団連』を率い、<財界総理>などと驕っていると、物事の実態が見えなくなる、典型と言えるのでは無いだろうか。
「オオサマノミミハロバノミミ」

奥田さん、反論出来ますか?



▶「看板」にしてきた品質が問われているのだから問題は深刻だ 維持すべきは品質への信頼 【中日新聞のコラム】 

>…大胆な拡大路線で、一時は「世界一」にまでなったが、いったん問題が起きれば、そのマイナスの影響もサイズに見合って巨大だ


「世界で二番目では、なぜいけないのでしょうか‥‥」


>米国で火がついたアクセル不良やフロアマット問題をめぐるリコール・自主改修の対象台数は、世界中で延べ約一千万台。さらに、トヨタの“新しい顔”であるハイブリッド車プリウスにも、日米でブレーキ不具合の苦情が多数寄せられていると伝えられた

>まさに金融危機後の苦境から反転攻勢に向けアクセルを踏んでいる時、ブレーキがかかってしまった感があるが、「看板」にしてきた品質が問われているのだから問題は深刻だ

>言うまでもないが、何を措(お)いても維持すべきは、その強大さではなく、品質への信頼のはずである。(2010年2月4日付「中日春秋」)



品質への信頼。

トヨタでは、口癖の様に語られて来た様であったが。

その実態は、自社工場の操業の徹底的効率化をはかる為に、部品業者には、製品の納入を分刻みで指示し、コストは不可能なレベルまで叩き、派遣労働者と期間工は、年の瀬も押し詰まって、突然平気で馘首する。


部品業者各位は、日本の技術を支えているプライドに溢れ、必死で<大トヨタ>の押し付ける<極端>な条件を満たして来たのであろうが、本体がそういった体質では、最終的に<品質の信頼>など、どこまで浸透しいくか。



▶「やっぱりな。メード・イン・ジャパンだ」 【四国新聞のコラム】 

>高校生マーティと科学者ドクが活躍するSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」。その中に、故障した自動車型タイムマシンをめぐって、1985年の高校生と55年の科学者が言い合う場面があった。故障の原因は電子回路だった。「やっぱりな。メード・イン・ジャパンだ」と吐き捨てるドク。それに対しマーティは言い返す。「何言ってんの。日本製は最高だよ」。55年といえば、日本は高度経済成長が始まったばかり。当時の米国人には日本製は安かろう悪かろうの典型だった。それが30年後には評価が一変した。それを証明するように、この映画シリーズには、ここぞとばかり日本製が出てくる。マーティのあこがれの車もトヨタ車だった。…(2010年2月4日付「一日一言」)



50年代からの30年間に、我らが先達達が血のにじむような努力をして築いて来た筈の、<メイド・イン・ジャパン>の神話を壊したのは、一体誰なのか。


▶身の丈にあった生活を送ることが必要、といわれる【下野新聞のコラム】 

>自分の実力、経済力に相応した暮らしが大事ということで、企業経営も同じだ
 
>最近、強い印象を受けたのがトヨタ自動車の豊田章男社長の記者会見での発言。"大政奉還"と話題になった創業家社長の就任後初の会見で、トヨタが歴史的な赤字に陥った要因として「大変な勢いで拡大してきたが、身の丈を超えた仕事となり、トヨタの強みが発揮できなかった」と率直に語った
 
>日本で最強の企業といわれ、昨年、自動車販売でゼネラル・モーターズを抜いて世界1位になった。その半面、拡大路線が裏目に出て景気後退の直撃を受け、あっという間に赤字に転落した…(2009年7月1日付「雷鳴抄」)


「ですから、世界で二番目では、なぜいけないのでしょうか…」


その結果が、全く<エコ>でないアメリカ車を、エコカー減税の対象にさせられてしまった。

事は<トヨタ>一社の次元の事では無い。

日本経済全般の根底に関わってしまっている。


カナダなどで、「トヨタ叩きは経済的報復の感が有る。。。」などという的外れな<援護射撃>が起こったようだが、ありがた迷惑なだけ。

そんな事を聞いたら、規正する側は、よけい厳しくしたくなってしまうに違いない。


そもそも自動車産業が、日本経済を左右する、という構造自体に疑問が有る。

トヨタをアメリカに輸出する代償として、日本の農業は<消滅の危機>に瀕してしまった訳だったし。


そこへ持って来て。


▶小糸、旅客機座席の強度偽装…世界の千機に影響(読売見出し)

>航空機の座席メーカー「小糸工業」(本社・横浜市)が製造した座席で、強度や耐火性などの試験結果に改ざんや捏造(ねつぞう)が発覚し、国土交通省が8日、業務改善勧告を出した。

>すぐに運航を止める必要はないが、改ざんなどが行われた同社製の座席を使用した航空機は1000機あり、国内外の32の航空会社が運航しているという。


そう言えばつい最近、どこやらの航空機品質検査で、<座席の強度不足>で不合格が出た、というニュースをちらりと読んだ記憶が有る。

ほとんど注意を払わなかったが、<これ>だった訳だ!


<うなぎ>の産地偽装やら、<コシヒカリ>の不正ならば、影響は日本国内にとどまって居よう。

しかし、世界規模の<航空機産業>でのスキャンダルともなれば、その影響は比較にならない。


一体全体、「何を考えているのか」?

多分何にも考えていなかったのだろうけれど。


元来、物を造る人達は、己が造り出すものへの<愛情>や、<自負>や、<造り出す喜び>や<誇り>を持っていらっしゃった。


今や昔。。。。

これでは<中国>の事を嗤えない。。。。

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<新生JAL>アピールのチャンスを、自ら捨て去った<旧態依然> 稲森新会長もやはり官僚体質?

2010-02-08 07:51:10 | 日本人の意識と精神構造
やっぱり。。。。。



航空業素人の<カリスマ経営者>稲森氏に、半分期待、半分不安を抱いていたが。

一度<提携>を発表した『デルタ航空』との提携話を解消し、「JALは全てに新しく蘇りました!!」という、千歳一隅のアピールのチャンスを、自ら捨て去ってしまった。


どうしても、<全く新しい事>がやれないのは、やはり<官僚体質>という物を引きずっているからなのか。



▶アメリカンとの提携継続へ 日航、デルタとは交渉打ち切り(日経見出し)

>会社更生法の手続き中の日本航空は、懸案となっていた米大手航空会社との事業提携についてアメリカン航空を相手に選ぶ方向になった。両社は同じ航空連合の所属で、1日に就任した稲盛和夫会長が既存の枠組みを維持する方針を固めたため。日航社内ではデルタ航空との提携を推す声が根強くあるが、管財人の企業再生支援機構は稲盛会長の決定を尊重する意向で、流れは変わらないと見られる。昨秋以降、過熱してきた日航争奪戦は、既存のアメリカンとの提携を継続・強化することで決着が付く。
【日経ネット】



想像するしか無いが、新会長正式着任以前に、<決定事項として発表した>事が、新会長の気に入らなかったのか?


そんな<ケチな>人間とは思いたくないが。
得てして<カリスマ>とか<ワンマン>とか言われる人物に限って、そういった子供みたいな所が有る物だ。


現場は、デルタとの提携を歓迎していた。


第一<アメリカン航空>は、アメリカ国内では<三流航空会社>である。

太平洋路線を重んじる<JAL>としては、アメリカ人顧客の言う「何でJALはアメリカンと組んでるの?」と言う反応が苦痛であった。
イメージを大切にする、しかも<日本のナンバー・ワン>を自認するJALとしては、<三流>グループの一員というイメージが非常にマイナスとなる。

そのような<現場のイメージ>は、官僚的経営陣には、どうやら伝わらないらしい。


国交省サイドも、アメリカとの<航空協定>の進め具合などからも、<デルタ>と組む方が良いという声が強かった筈なのに。


JALの、<新経営陣>の発想としては、「新しいグループに入って、システムが軌道に乗るまでの時間と経費を考えると、現行のグループで再建を図る方が有利だ」という思惑らしい。


それこそが、今までJALの経営を蝕んで来た、大きな変化を好まない<官僚気質>という物だ。


一般顧客へのイメージとしては、今までと<何も変わらないJAL>でしか無い。

単に、一度<つぶれた会社>、という<マイナス・イメージ>のままだ。


社員に多大な犠牲を押し付ける経営刷新が、あくまで<社員の犠牲>だけの上に成り立たせてしまうのは、新経営陣としては、あまりにも説得力が無い。



さらに想像するに、『ワン・ワールド』のヨーロッパ側の<顔>である『英国航空』に対する勝手な思い込みと、<ロンドン>信仰が抜けないのでは、とも思われる。


日本人は、<イギリス>という国、<ロンドン>という町を、おおむね買いかぶりすぎている。


元来、普遍的に「ヨーロッパ』と言えば、歴史的にも、文化的にも、経済的にも<大陸>をさすのです。

ヨーロッパ(大陸)から言えば、イギリスは<海の向こうに>過ぎない。
イギリス人を、ヨーロッパ人だと見なしていないのです。

イギリス人達も、自分たちを<ヨーロッパ人>だとは思っていない。

あくまで彼らは<イギリス人>なのです。

時流に乗り遅れない為にも『EU』に加盟こそしているが、かたくなに自己通貨<ポンド>を守り、『ユーロ』を導入しようとはしない。


この感覚、日本の皆さん、お解りになります?


従って、ロンドンを<ヨーロッパのハブ>というのは、無理が有る。


日本からヨーロッパに飛ぶ人たちに取って、イギリスが目的地ならばともかく、それ以外の町に<トランジット>するのに、ロンドンからではかなり<かったるい>のです。

やはり、パリかフランクフルトで無ければ。


このような<地政学的ニュアンス>は、日本人は解っていない。

まして、お偉い<経営陣>の方々には解らない様ですね。



提携相手として、財務体質も、企業イメージも、もちろん路線数も、<アメリカン>を遥かに凌駕している<デルタ>と組んで、世界中の顧客達に取って、使い勝手の上で遥かに勝っている『スカイチーム』の一員となって、ロゴも何もかも変えた後に、「JALの変身」を高らかにアピールした方が、経営戦力として遥かに優れている。

稲森サンには、誰も助言出来るブレーンがいないのだろうか。
それはそれで、JALの再出発に取って、少しも喜ばしい事では無い。。。


「ニュー・セールスポイントはさして御座いません。今までのママのJALに、どうかご愛顧賜ります様に」、とアナウンスさせる訳ですか。



航空機事故は、テイク・オフの時に起こる確立が一番高い。

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暇に任せて、<マスコミの手口>がさらけ出されている『毎日新聞』のコラムで遊んでみた。。

2010-02-07 02:38:58 | 政治と社会
以下に、<いかに>マスコミが<ますゴミ>と呼ばれるか、がよっく分かるコラムを転載する。

ネタ元は、毎日新聞の【岩見隆夫のコラム】



▶近聞遠見:政治家がうさん臭い=岩見隆夫

>年明けから約1カ月、くる日もくる日も<政治とカネ>で大騒ぎしたあとに、何が残ったのだろうか。政治不信というより、政治家不信である。


くる日もくる日も<大騒ぎ>したのは、一体ェどこのどいつだィ??

正に<あなた方自身>でしょう。
日本全国<マスコミ>不信です!!


>政治一般では焦点がぼやける。政治家という人間がどうもややこしい。


は??


>民主党の小沢一郎幹事長らの刑事処分が決まった4日夕、東京・内幸町のプレスセンターでは、<河野洋平さんのネジを巻く会>が催された。衆院議長2029日の最長記録をつくり、昨年引退した河野を慰労し励ます各界有志の会である。

>現職政治家の姿は一人もなく、司会者は、

>「時節柄、生臭くなるので」
と断ったが、参会者約100人の共通の気分だったに違いない。政治家がうさん臭く感じられている。河野は冒頭にあいさつに立ち、


私達には、<マスコミ人>がうさんくさく見えますが。


>「これだけマスコミの鳴り物入りで登場した新政権が国民の期待にこたえていない。脱税をした人が率いている。納めずに何年もいた。その首相が『税金のむだ遣いをなくせ』と言っている。国民には不平、不満がたまっている……」

>などと述べた。鳩山由紀夫首相は、贈与税を払った、と言うかもしれないが、騒ぎが起きなければ、脱税が続いていたはずだ。なにしろ、母親からの贈与を知らなかったのだから。憲法第30条には、
<国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ>
と定められている。鳩山が、意図したかどうかはともかく、ある期間、納税義務を怠ったのは明白だ。



うっかり知らなかったのは、<罪>では無い。
罪であれば、なぜ<立件>されなかったのだ?

以上、全てお得意の<世論の誘導>ですね。

しかも、首相を<呼び捨て>でございますか。
民間のブログと、同じレベルでございますね。
(最後に敬称略と書く姑息さヨ)
 

>一方の小沢幹事長、政治資金規正法違反の容疑は残ったが、不十分で不起訴となった。自民党の谷垣禎一総裁が、
「限りなく黒に近い灰色だ」
と言ったが、世間もそんな感じでみている。脱税首相と容疑不十分幹事長にリードされる民主党は、どこに行くのだろうか。



刑事訴訟法を持ち出す迄もなく、<黒>か<白>なのですよ。
立件見送りは<白>なのです。

谷垣総裁殿は致し方ないとは言え、ジャーナリストの端くれの筈の貴殿が、刑法もお読みでない??

「容疑は残った」と、樋渡検事は言いましたか?
貴殿の<願望>ですよね??

願望を書きまくっての、<世論誘導>は凄まじかったですね。

<不起訴>は、罪を立証出来なかった、つまり<無実>という事であります。

最も、参考人ですら無いうちから、<推定無罪>を無視して、<犯罪人>扱いしていた<マスコミ様>ですから、致し方有りませんね。

これらも、全て<世論誘導>ですね。


>古い話に飛ぶが、第1回衆院選が行われ、初めての帝国議会が召集されたのは、1890(明治23)年である。定数300、福沢諭吉の薫陶を受けた犬養毅、尾崎行雄ら慶応義塾出身者が28人も含まれていた。

>そのころ、福沢は次の漢詩を詠んだ。

 道楽の発端有志と称し
 阿房の頂上議員と為(な)る
 累代の田畑を売り飛ばし去って
 貰(もら)い得たり一年八百円

>有志と称して名士を気取る阿呆(あほう)な運動家の頂点が国会議員で、先祖代々の土地を売り飛ばし、毎年800円ばかりの歳費をもらって喜んでいる、それでいいのか、と戒めたのだ。


確かに、明治の政治家は、気概も希望もお持ちでした。
それは否定いたしません。
私財を投げ打って、国の為に政治を行っておりました。

所で、鳩山家も、相当の<私財>を注いでいらっしゃいます。
旧自民党政権の、各領袖様達、リクルート事件の際、どれだけの私服を肥やしておいででしたっけ?

特に、監督官庁の長<大蔵大臣>職に有った、宮沢某氏は、かの有名な『バブル経済』を引き起こしながら、その後<総理大臣>にまでご出世あそばして、恐悦至極でございました。

その他の領袖様たちも、以下同文でございましたな。


一疑獄事件ダケで、この有様ですが、その間<私財を投げ打った>話なんぞ、これっぽちも聞こえて来た試しは、御座いませんでしたなあ。

ロッキード事件またしかり。

その間、貴殿の先輩方は、何をされておいででしたっけ?

巨悪を追求する論陣をお張りになったとでも?

C.I.A.の意を受けた<検察>が、スケープ・ゴートに決めた田中角栄氏(日中関係をアメリカ抜きで決めた彼こそが、目的であった訳だが)のみを、最初から<大悪人>扱いした記事を、垂れ流して、真の巨悪<中曽根某>には、全く何の批判もしなかったのは、どなた達でありましたか?



>福沢は演説の創始者で、政治の役割を認める一方、政治熱に浮かれる政治家をひどく嫌った。政治家を口実に家産を持ち崩し、自身の家計さえままならない政治家病を軽蔑(けいべつ)した。



ちなみに、<福沢翁>は、自身の生計の困難に困り果て、散々政府に無心をされておられましたっけ。



>当時、この詩は政界で有名になる。福沢が生涯訴えた<独立自尊>の気風が、政治家を志す者の精神的な支えとされた。草創期の政治には、そうした潔癖さや初々しさがあった。

>120年が過ぎている。いわゆる<井戸塀政治家>がかがみとみられた時期もあったが、それを飛び越え、カネをめぐって次第にうさん臭くなっていった。



120年はさて置いておいても、この60年の<政治とカネ>を、どのくらい追求された上での御発言か、お伺いいたしたいものです。



>鳩山と小沢はタイプがまったく違うが、2人はともに億単位のカネで国民の不信を買った。



不審をかわせる様に報道し続けた、の誤植ですよね。

偏向報道で、庶民の<不信>を形作った。
うまくいきましたね。

金額が大きい、即<悪いやっちゃ>では、あまりのゲスな発想では、と老婆心ながら、御社の内情が心配になります。

旧政権のように、収賄の金では御座いませんし、多少の記載のとちりは有った物の、全てクリアーに報告されておりますよ。

それとも、国民の不審をかったって、<国民>とは貴殿が代表されているのしょうか?

 
>「ご迷惑をかけた」
とわびるだけですむのか。


だって、鳩山氏に取ってはは、贈収賄に関するお金では無いのですから。

それでも、紳士たるもの、お詫びいたします。
礼儀を知っていますから。

 
>福沢はいまも1万円札の肖像画に収まっている。1億円積み上げると約1メートルになるそうだ。諭吉の札をあまりもてあそんではいけない。(敬称略)=毎週土曜日掲載


どこまでも、大金にはヒガミが有るような。。。

国民は、既に<マスコミ>を見限り始めておりますよ。
冷静に、それこそ<マスコミの批判精神>をもって、ご自身達の<自己分析>をなさいませ。



以上、取るに足りない<ツマラナイ>記事を全文掲載してしまったが、署名の上で<こんな記事>しか書けない以上、ますます読破離れに、弾みがつくと言うものです。


どいつもこいつも。。。


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『ヤルタ会談65周年』の今、日本と世界との関わりを考え直そう!

2010-02-06 23:37:14 | 世界に置ける日本
1945年2月4日から11日の8日間、20世紀後半の世界の枠組みと、その中に置ける日本の運命とが、わずか3人の人間の<きわめて個人的>な集まりで、取り決められた。


フランクリン・ルーズベルト。
ウインストン・チャーチル。
ヨシフ・スターリン。


この、たったの3人が、世界を決めた。

スターリンが大嫌いで、全く信用していなかった、病身のルーズベルト。
アメリカとイスラエル建国の事しか考えていなかった、胃痛に悩むチャーチル。
アメリカとイギリスを憎み、全く信用出来なかった、独裁者スターリン。


かくして<喜劇>は開始され、<悲劇>が造り出された。


ベルリンは、ソ連<赤軍>の手で陥落直前であった。
つまり、<ナチス・ドイツ>の崩壊は、既に決定的となっていた。


この会談の主要議題は、<ポーランド問題>であった。

ナチスとソヴィエトとの共同作戦で国土を奪われた、在ロンドン<ポーランド亡命政権>を支持し、ポーランドに置ける共産主義政権が認められない<イギリス>と、<カティンの森の大虐殺>を行ってまで、共産政権たる『ルブリン政権』を擁護する<ソヴィト政権>との対立を解消すべく、落としどころを決めたかったのであった。


その<主要議題>のツマとして出て来た、対ソヴィエト懐柔策の<えさ>が、日本であった。



ヤルタはクリミア半島の南端、ロシア有数の保養地であり、会談は旧ロシアの最後の皇帝ニコライ2世の離宮で、行われた。


ポーランドにとっては、かって<ハプスブルク=オーストリ>と、<プロイセン>と<ロシア>による(勝手な)分割という悲劇を2度も体験し、さらにこの3度目の国土喪失から立ち直るべく、国民の悲願である<国土回復運動>の行方を定めた、結果として<功績>という側面もある会談であった。


しかるに、我が<日本>に取っては、軍部の暴走とマスコミの全面協力により<突入>した大戦の悲劇に次いで、敗戦の中で受け入れさせられた、<新たなる悲劇>のスタートとなった。


しかも『秘密協定』である!


太平洋戦線の早期収拾を望むアメリカは、『日ソ中立相互不可侵条約』を一方的に破棄させ、対日参戦に踏み切らせる為に、『千島列島』『樺太南半分』、及び<満州>に置ける(日本が施設した)鉄道と港湾施設戸を、ソヴィエト連邦に(勝手に)引き渡す。

条件として、ベルリン陥落から90日後に対日参戦する、というもの。


結果としては、1945年5月8日のナチス・ドイツの<無条件降伏>から正に3ヶ月後、同年8月9日、ソヴィエト連邦は<対日宣戦布告>し、<満州>に侵攻する。

広島と長崎とに原爆が落とされた後、日本の敗戦は決定的となっていた時点での事であった。


戦争継続を望んでいなかった<鈴木貫太郎内閣>は、8月10日『ポツダム宣言』の受諾を連合国側に通告、同15日には例の『玉音放送』となる。

つまり、たった1日の<差>で、より正確に言えば、<降伏文書>の調印の9月2日までとしても、たった23日間で、ソヴィエト連邦は日本の合法的領土であった『千島列島』と『南樺太』のみならず、さらには『北方四島』までもを奪いさってしまった。


この<密約>を決めた3人のうち、実際にサインしたのは<スターリン>ただ一人、チャーチルは<病欠>、アメリカ側はルーズベルトの<委任状>を受けた外交官であった。

つまり、それほど<日本>はどうでも良い存在であった訳だ。


言い換えると。

ドイツとの戦後処理に時間を取られるアメリカとしては、なんとか太平洋戦線での消耗を押さえたかったが為、対日本戦を、ソ連に押し付けてしまいたかった、ダケの事であった。

ヨーロッパ戦線と、太平洋戦線という<二正面作戦>の、両方でかなりの消耗を強いられていたアメリカとしては、ソビエト連邦にも、アジアでの戦いに引き入れて、膨張する<共産国家>の力を、少しでも弱めたかった。


この取り決めの、日本の<領土割譲>に関して、同会談により取り決められた、その他(東欧諸国など)の例と同じく、<当事国>が一切関与しない所での<領土移転>の決定は、明らかに<国際法違反>である。

この点では、世界中(安保理常任理事国5カ国をのぞいて)の国際法学者の見解は、ほぼ一致している。


ところで、<世界の自由の擁護者>を自認するアメリカの、<ブッシュ大統領>が、2005年に<対独戦勝60周年記念式典>の際の演説で、ヤルタ協定を東欧諸国の圧政を生んだ<諸悪の根源>で有ると断じ、ヨーロッパ分割の責任はアメリカにもある、と認めた。


にもかかわらず。


極東問題、つまり日ソの国際法上の違法行為としての、日本の国土割譲問題には、一切触れていない。




全ては、ここから始まった。

<ヤルタ会談>により戦後処理に加わった、米英ソ、及び連合国側の侵攻で国土を回復したフランスと共産中国が、『国際連合』の<常任理事国>となり、ドイツと日本とは『敵国条項』に明記されたまま、今日まで至っている。


この<密約>(ヤルタ協約)は、65年を経て未だに日本人の生活に大きな影を落としている。


先日の<国後島>沖での、日本漁船へのロシアからの銃撃事件も、どうやら漁船側が<越境>していたらしい雰囲気も有るが、あくまで<日本領海水域>で起こった事件である。


65年前、『ヤルタ会談』の行われていた<今>この時期に、<戦勝国クラブ>に過ぎない『国際連合』の改組と、欧米のエゴで奪われた『北方四島』(ヤルタ協約にすら明記されていない!)の奪還とに向けて、日本がいかなる<有効>且つ<決定的>な外交が行えるかえを、真剣に考え、模索し、追求する事は、日本人としての義務である。


そして、そのような外交政策を遂行出来得るのは、族議員のしがらみと、前例のない事は何も出来ない、頭に悪い<霞ヶ関>の官僚から距離を置いて、政治主導で政策を決定しようとしている、<民主党政権>にして、始て実行し得る事であろう、と期待せざるを得ない。

日本人に取っての<最重要課題>の一つである、これらの外交政策は、対米等距離外交を模索する<民主党政権>にしか、なし得ない事であろう。

<国連至上主義>を標榜して来た自民党旧政権こそが、まさしく<ヤルタ会談>の申し子、そのものであったのだかから。



国家の安全保障も、経済の自立も、外交的存在感の拡大も、<他国頼み>では駄目だ。

世界から尊敬を受けられ、世界にイニシアティヴを発揮出来る、自主性のある国家の国民でいたい。


何が何でも<アメリカ>に追随して、かの国の52番目の州になったかの如き発言しか出来ない<政治家>と、アメリカ政府の広報紙の如き報道しか出来ない<マスコミ>は、もうご退場願おう。


<国家の品格>とは、そういう事です。


早く、安心して<タバラ蟹>や<ウニ>の漁に打ち込める様に、なって欲しいと、切実に願う者であります。

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「議員辞職勧告決議案」に連なる議員達の馬鹿さ加減。。。それとも検察は<自公み>の側である事の証明?

2010-02-06 07:49:02 | 政治と社会
とりあえず、何も立証出来なかった、特捜部のドジの事はさておいて。


石川議員に対し「議員辞職勧告案」等を考えつく<議員>サン達は、今回の出来事の<本来の意味>の深刻な重要性が把握出来ていないのであろうか。

今の日本の国会という所が、そこまでの<バカ>ばっかりの集団だったとしたら、心が凍えてしまいそうだ。


それとも、<自民公明みんな>の諸氏は、<検察>が自分達の味方だ、と公言なさっておいでなのか?

それならそれで、<正直>でよろしい!
昨年8月までであれば、それも一概に否定出来ない面が多いに有った。

だが、政局は転換しているのだ。

それに<未だに>気がついていない<おバカ>なのか。
それとも、未だに<元に戻る>と信じていなさるんですかい?


それならそれで、国民の心を捉えられない<もっとお馬鹿>だし。



散々語られて来た事であるが、今回のごたごたは、そもそも『衆議院議員』石川知裕が、<逮捕>されなければならないような次元の事ではなかった。


もちろん<大手マスコミ>は、正確に伝えないが、経過を注視すれば誰でも解ること。


小沢は金権体質だ。


<検察>側は、全てをここからスタートさせた。


億単位の金を、右から左へ動かす<悪いヤッチャ>、という単純なる理不尽。

なぜ<小沢>を失脚させたかったのか、は置いておいて、そのプロセスが酷い物だった。

<政治資金>の記載事実の不備。
2004年の金額が、2005年度の収支報告書に記載されていた。


ただそれだけ。

これまでの60年間の自民党政治の中で、毎回のごとくに繰り広げられて来たストーリーに過ぎない。
今までは<記述訂正>をして、再度報告書を提示すれば、それで終わりであった。


ところが、どうしても<剛腕小沢>を失脚させなければならなかった<官僚側>としては、ダムに開いた針の穴から、ダムを崩壊させるテクニックを、再びやり始める。


事の推移は、ご存知の通りであるから繰り返さないが。


確実な証拠を積み上げていって、立件出来る事を確信した後に<逮捕>と<起訴>にいたるのが、本来のルールである。


しかるに。


「あいつは悪いやつだ。たたけばホコリは絶対出て来る。」
という前提で、先ず<起訴>ありき、で捜査をスタートする。

そのためには、世論を味方につける為の<誘導>が必要で、全国5大新聞、及び全国ネットの6大テレビが、一丸となって協力した。


狙った証拠が出ないと、無理矢理別口を考えだす。

年間利益5億程度のサブ・ゼネコンが、1億の<賄賂>を贈ったという筋書きで。
(秀才ぞろいの高級官僚は計算も出来ないらしい)

直接の証拠なんかなんにも出てこない。

そうすると、資金管理団体が購入した<不動産>に目をつける。

そこに、購入資金の一部が<賄賂>で有った<はず>という前提を作り上げる。

その証拠が出てこない。
どうも駄目だと、次にはその資金の記載漏れに目を向けて。。。。



その仮定の基で、現職国会議員が、国会開会の直前に<見込み逮捕>されるなんて、先進国ではあり得ない。

かつて秘書時代に政治資金収支報告書に虚偽の記載をした容疑だと言う。
こんな乱暴な容疑で現職議員を逮捕する

(言い換えると、<不正なカネ>はどこにも無かった、という事です。)


後は、特高警察以来のお家芸で、一気呵成に<筋書き通り>に検察側が用意した既成の「自供調書」にサインを迫る。

この辺の不条理な暴走ぶりは、同じ目に有った<鈴木宗男議員>、や旧リクルート会長<江副浩正氏>、さらには元福井県知事<佐藤英佐久>氏らの回顧録に、詳しく書かれている。
先日の、石川議員の<新人女性秘書>の子供を<人質>に取ったかの如き、理不尽な<強制監禁>状態での事情聴取事件を取ってみても、明らかである。


世論を誘導し、悪人のイメージを作り上げ、本来<身柄>を拘束などできない単なる<形式犯(直接被害を被った相手のいない事犯)>に過ぎない容疑で、現職国会議員を<逮捕>してしまう。



この行為は、『民主主義』の根底を否定する物である。


国民の審判(選挙)を経て、国政を国民から<託された>国会議員は、国に対する重要なる罪状でもなければ、逮捕されたり出来ない存在である。

そのくらい、『選挙』とうい物は<重い>意味を持っているのだ。

言い換えると、旧政権の汚職議員を<繰り返し>当選させて来た、その選挙区のかっての<センセイ>の支持者達も、重大なる<無責任>な事では有りましたな。

グチはさておいて。


その辺の<民主主義>の原理をどうしても理解出来ず、数々の「でっちあげ」を積み重ねて来た検察の判断を鵜呑みにして、有罪かどうかも分からない政治家を<辞職勧告>する。

しかも、同じ<国会議員>達が!!

馬鹿か!


彼らは、次は自分も何か些細な事で、同じ立場に置かれる<可能性>が有る事、に気がついていない。


呆れ返った<判断力>の欠如である。


元来、石川議員が逮捕された時点で、超党派の議員連名で、逮捕無効の請願をすべき所で有るというのに。

自分たち<国会議員>全員に対する<権利の侵害>である事が解らない。

ただ、党利党略だけで、反民主主義的動きを示す<検察>の側、に立ってしまった<意味>を、彼らは理解出来ないのだろうか?




もちろん、率先して<クリーン>でいなければならないのが<政治家>である。


小沢さんは、旧田中政権以来の手法を継承している、というイメージが確立している。

しかも、党内に<盤石>の勢力を築いて、独裁者のイメージも確立している(らしい)。
動かしているお金の桁が<半端>では無い。


これらの断片を組み合わせて、一挙に「小沢は悪ダ」という結論を作り上げる事は実に簡単だ。

その片棒(どころか全棒?)を担いではしゃぎ回った<大手マスコミ>の醜さ。


改めて記すまでもないが、<有罪>判決が下りるまでは、誰しもが<推定無罪>なのです。

ところが、今回の騒ぎに有っては、前述した何件かの事件の犯人にされてしまった方々の例と同じく、検察もマスコミも、一般大衆の多くもが、先ず<有罪ありき>で突っ走ってしまった。


実に恐ろしい<社会構造>だと、つくづく思わせられた<1年間>であった。


小沢サンが、100%クリーンかどうかは、知りません。

しかし、彼程の<経験とキャリア>を持っていれば、直接自分の首を締める事になるような事はやるはずが無い。

そんな<バカ>な人ではあり得ない。

間接的に<影響力>を行使する事で、沢山のお金を集めた事でしょう。

ただ、表面はきっちりと<形は>整っているはずだ。

形式主義社会の日本にあっては、それで良いのだろう。

その<彼>に、使えた秘書(総勢70名いるそうですから、寮も必要ダ!)としては、<時効寸前>の<政治資金報告書記載事実>の不備などと言う<微罪>でいちいち逮捕されていた日には、体が幾つ有っても足りないに、違いない。


それにしても、国会議員を微罪で逮捕する<暴走検察>、そのやり方をチェックするどころか、お先棒を担いで偏向一辺倒の報道を垂れ流すメディア、その大本営発表ダケを鵜呑みにして<衆愚政治>に突き動かされる、一般国民。


どこか、<アフリカ>か<アジア>の軍事独裁国なみの、日本であります。
中南米ですら、こんな国はもう無いんではなかろうか?

国民性だろうか。。。

少なくとも、<国会議員>になるような方々が、自分で自分たちの首を締める様な<決議案>を、国会に提出しようなぞ、心の底から情けない!


それに加えて、「説明責任、説明責任」と、まるで<鸚鵡>のごとくに繰り返す<マスコミ>と<自民党>にも、正直言ってうんざりである。

(表面上)は何も不正をやっていなければ、「何も不正は有りません」というしかないでは無いか。

それ以上、何をどうやって<説明>しろというんだろうか。。。?



幸い小沢さんは、「石川議員の面倒は、ちゃんと見る」とおっしゃっているらしい。

<リクルート事件>の時、いの一番に最も儲けた自民党議員の代表、<宮沢某>が「秘書が。。。」と言って<本人>は起訴も何もされずに<シャーシャー>としていた姿が、思い出されるなア~。

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検察裏金疑惑との相殺で? 小沢幹事長<不起訴>決定 / 今後『特捜部』には仕事が沢山待っている

2010-02-05 05:15:36 | 政治と社会
小沢氏の2度目の事情聴取は、それまでの様に<リーク>しなかった検察。


どれだけコジツけて<ムリ筋>はっても、公判を維持出来るまともな<証拠>など、何も無かった事が明らかだ。


もし<起訴>に持ち込むつもりであったら、これまで通り<マスコミ>のカメラが待ち構える演出し、イメージ悪化をさらにだめ押しするはずダッタのに。

せいぜい、マスコミも問題にするまい、と高をくくっていたか?

ところが、当の<剛腕>の方から記者会見で、<不起訴>を前提の様に堂々と、聴取内容を発表されてしまった。


悔しかったでしょうね。


身内からの告発を食い止める為<冤罪>にハメた、元大阪地検特捜部<公安部長検事>三井環氏の、刑期終了による出獄に合わせて、<検察裏金問題>の再燃をもみ消す<手打ち>が、きっと有ったんだろうな~。



しかし、丸1年間もかけて、次々と<スジ>を変えながら、なんとか落としたかった<剛腕小沢>に代表される、<民主党政権>との<戦争>に、全て空振りで求める結果を得られなかった以上、政府の打ち出す『公務員改革/検事総長以下の政治任命制度』は、さけられなくなったと考えて、間違いないと思われる。



かくなる上は、なんとか<民主党政権>と折り合いを付けて、今年8月に迫った退官後の<再就職>をなんとか<予定通り>に確保すべく、樋渡検事総長は<検事長>以下<特捜部長>らの尻を叩いて、<やる事を>やって見せねばなるまい。



という事で、『特捜部』に以下に<宿題>を出す。
(『ライジング・サン(蘇る日本)』ブログさんから転載させていただきます)


【検察が全く捜査しない件】

なぜ検察やマスゴミが小沢氏や政権側に不利な捜査や報道をするのか。
それはみなさんも耳にタコができるほど聞いて、見て理解していると思います。
民主党の疑惑が1とすれば、それに対して自民党は10以上は明らかにしなければならない疑惑と事実がある。
忘れてはいけないので、再度、検察が近年でほとんど手をつけていないものを載せます。

●オリエント貿易からの迂回献金を与謝野や町村が受けていたにも関わらず捜査すらしない検察

●大久保秘書は逮捕したのに二階の秘書は略式起訴で済ます検察

●中川秀直のグッドウィルグループから180億円サギった事件への関わりを全く捜査すらしない検察

●石原伸晃の歯科医師連盟からの4千万迂回献金疑惑や、地元の区議からの政務調査費ピンハネ疑惑を捜査すらしない検察

●安倍の政治団体安晋会の数々の疑惑を全く捜査しない検察

●森の異常な蓄財と、せがれの数々の疑惑(時々パリ注: 押尾関連?)を全く捜査しない検察と警察

●小渕優子や小泉進次郎の、親からの政治団体間の献金に見せかけた巨額な実質相続や実質贈与を全く捜査しない国税と検察

●麻生の事務所が談合企業から献金貰ったりパー券買って貰っても全く捜査しない検察

●社会福祉法人「全国精神障害者社会復帰施設協会」への補助金(税金w)が自民の厚生族議員に渡っていたにも関わらず、社会福祉法人は強制捜査しながら自民議員は捜査しない検察

●河村前官房長官が指名停止業者から献金貰っていたのに、捜査しない検察

●河村・麻生が総選挙の敗北で下野が確定したにも関わらず、2億5千万もの官房機密費を引出しているのに、捜査すらしない検察

●竹中平蔵が毎年暮れになると住民票をアメリカに移動して1月1日に日本に在住していない事にして毎年住民税を脱税していた疑惑を全く捜査しない東京都と検察
●森田健作迂回献金を告発されているのに、ほとんど進展していない検察

●町村が政治資金1000万円で個人名で不動産を買い、翌年600万円で買い戻した事実と(脱税)、収支報告書の記載日が小沢氏同様ずれているのに、町村本人も秘書も聴取、逮捕しない検察

●平沢勝栄が不動産購入をすでに禁止されている平成20年に政治資金で買っている疑惑を捜査しない検察
(以上引用終わり)



検察側は、石川議員の裁判を通じて<小沢>関与を、あぶり出したいと考えているのだろうが。


<剛腕>も、黙って見ている訳にはいかないでしょう。


▶司法・検察は徹底的に攻撃される(日刊ゲンダイ見出し)

>不起訴となった小沢、民主党政権が今後、法務・検察に対してどう反撃に出るのか。これも注目だ。
>なにしろ、検察は昨年の“選挙妨害”から始まり、1年間も民主潰しを仕掛けてきた。最終戦争といわれたように、当然、彼らも返り血は覚悟していたはずなのだ。

>注目は8月初旬に定年を迎える樋渡利秋検事総長の後任人事だ。

>慣例なら大林宏・東京高検検事長だが、民主党は検事総長人事について国会の承認を求める可能性がある。民主党の中島政希議員は論文でこう書いている。

>「民主党は今後、検察改革にも取り組むべきだ。日本の司法行政は、外部の監視を制度上、徹底的に排除されている。検察も行政官である以上、その権力は国民の信任に基づくものであることを明確化しなければならない。検事総長以下の検察幹部は国会承認人事とするべきで、検察が政党政治の監督下に置かれることは民主主義体制にとって当然のことなのだ」
 
>実際、検察の暴走を止めるには、現在の司法制度では法相の指揮権発動しか手段はない。しかし、これは究極の禁じ手とされているから、事実上、検察の暴走は止められない。民主党政権は検事総長人事に検察OBの弁護士や民間人を起用すべく動くかも知れない。
 
>人事の次は取り調べの可視化だ。小沢事件では逮捕された石川議員に対する過酷な取り調べの様子が報じられ、これを機に可視化論議が活発化した。
>民主党の「取り調べの全面可視化を実現する議員連盟」が先月28日に設立総会を開いたほか、警察庁も有識者研究会を設置するなど導入論が一気に動き出している。
 
>検察の暴走のツケは大きい。
【日刊ゲンダイ2月4日】


まあ、検察と違って<民主党政治家>は大人ですから、露骨な<制裁>ではなく、疲弊している制度の<近代化>という、誰もが納得出来るやり方で、彼らの<利権>をヒッペガシて下さると、信じます。


『三権分立』と言うが、<立法>と<行政>とは、<選挙>という国民の信任を受ける。
<司法>も、<最高裁判事>と<高裁判事>とは、国民による<信任投票>を経て決まる。
ただ、司法の単なる1部局にすぎない<検察>だけが、国家公務員1級採用試験に合格すれば、公務員という単なる国から雇われた事務方でありながら、その後は一切<誰にも>責任を問われる事無く、検事長と検事総長とは、<法務事務次官>より上位に置かれ、いかなる公権力も介入出来ず、一切国民の信任を経る事も無い。


これは絶対におかしい。

誰しも、そう思いますよね。


『菅谷さん冤罪事件』も明らかになり、『横浜事件』冤罪に対する65年ぶりの<国家賠償>が認められた事でもある。


正に、<期>は熟した。
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トヨタの問題と航空機事故に見る<ハイテク>への<信頼>と<不審>/煽るだけのメディアの姿勢も?

2010-02-04 04:03:08 | 社会問題
よくも悪くも<日本型モデル>の代表選手であった<トヨタ>の、今回の大リコールの問題は、出口の見えない<日本経済>に、新たにネガティヴな牽引車になる気配である。


下請け企業、出入りの業者、部品メーカーを<絞りにしぼって>、季節工や派遣従業員を<消耗品>扱いして、<本社>だけ発展に発展を続けてきた、『大トヨタ』の、実にあっけない躓きだった。


ある意味で<いい気味>とも言いたい所だが、何しろあれだけの<恐竜>規模の企業ともなると、波及効果を考えると、暗澹たる気分にさせられる。


▶経営への影響、見方分かれる=トヨタのリコール問題で系列各社(時事通信)
▶日本車への影響懸念=トヨタのリコール問題-他メーカー(時事通信)
▶<トヨタ>グループ各社に危機感 受注「二番底」懸念(毎日新聞)
▶「プリウス」ブレーキに苦情=日米で112件、人身事故報告も(時事通信)
▶トヨタ逆風一段と、苦境は長期化か(読売新聞)


やれやれ。。。


ところで、この所航空機時事故のニュースも、続出の状態である。


▶航空トラブル NZ機が離陸滑走中に急停止し煙 成田空港(読売新聞)
▶<NZ機トラブル>操縦かん動き鈍く 離陸中止を決断(毎日新聞)

▶AFコンコルド機の炎上、墜落 裁判開廷へ 事故から10年(CNN)
▶コンチネンタルが責任なしと主張、コンコルド機事故の裁判開廷(CNN)


極めつけは、というと。

▶日航機 羽田空港へ引き返し 「左エンジン不調」(毎日新聞)
▶日航機が羽田に緊急着陸=「エンジンから出火」と連絡(時事通信)

>3日午前8時20分ごろ、羽田空港を離陸した北海道・女満別行き日本航空 <9205> 1183便ボーイング737―800型機(乗客乗員127人)から、「左エンジンから出火したので引き返したい」と、羽田空港の管制官に緊急着陸の要請があった。
>同機は二つあるエンジンのうち左エンジンを停止した上で、同8時40分ごろ同空港に無事着陸した。
>けが人はいなかった。
【時事通信】



そもそも<自動車>という物は、数年の開発期間を経て、数週間の耐久テストの後に生産化が決定し、およそ1万個の部品から出来ており、組み立てに5時間を要し(部品製造の時間は含まず)、製造ラインを出て<20分>程のテスト走行の後に<出荷>される。

自重1トン半、時速100キロ程で走行し、およそ10年、10万~20万キロを走って廃棄される。

耐用年数25年前後が想定されて、設計されている。

交通事故死は、日本で年間6千人前後、フランスで4千人台。



しかるに<航空機>は、開発の10年以上を要し、数億回に及ぶコンピューター解析を経て設計され、およそ100万個の部品からなり、組み立てに2~3日かかり(内装の艤装は含まず)、試験飛行は数百時間をかける。

自重300トン、時速マッハ0、8で空中を飛翔し、年間2000回の離着陸をへて、10年~15年で下請けに出され、30年くらい飛び続ける。

耐用年数50年~80年を想定。

年間の航空機事故死者数は、全世界で500人~1000人。

ゼロの年も結構ある。




つまり、ヒコーキという物は、途方も無く複雑かつ精巧、強靭にして繊細に造られている。

何かの不具合が有れば、即座に<警告>される<探査システム>が張り巡らされており、トラブルを回避する、2重3重のバックアップ体制が施されている。

その<巨大>にして<複雑>なシステムは、最高度のコンピューターで管理されており、有事の際の対処も、全て2重3重のリカバリーで保護されている。


あまりに複雑で高度なシスエムのため、極端に言えば<人間>は必要ない、程なのだ。

もちろん、<機械>がすべてを行えるはずも無く、最終的には<人間=機長>の判断が決定するのだが。。。

いずれにせよ、<不完全>なる存在である<人間>が造った<機械>が、<完全無欠>であるはずが無い。


従って、時折トラブルが発生する。

しかし、そのトラブルは、コックピット・クルーの冷静で的確な操作で<危機>を回避されて、空港へ無事降り立つ。

そこには、長時間に及ぶ訓練と、たゆまぬ精進とが作り上げた<職人技>のような、機長の<腕>が働いている。


だから、エンジン・トラブルで引き返したフライトは、乗員の<おかげ>で悲劇を免れた訳で、しかもその<乗員>に取っては、別に超人的な技をふるった訳でもなければ、幸運が重なった訳でもない。

あくまで、彼らの<職務範囲>の出来事なのだ。

別に<褒められる>必要も無いし、ましてや<責められる>筋合いなど全くない。


現在、世界の航空機マーケットを2分する、『ボーイング社』と『エア・バス社』とでは、その点で<設計理念>が、正反対であるのが興味深い。


『エア・バス』は、<人間はミスを犯す>という発想で、設計されているそうだ。

だから、全てのイレギュラリティーは、自動操縦システムがリカバリーする様になっている。

『ボーイング』は逆で、「機械は不完全なもので、人間が最後は解決する」という理念。


という事は、想定外の緊急事態に陥ったとき、エア・バスは機長の操縦桿より、自動操縦システムが優先する。
それに機長が抵抗して、操縦桿を操作し続けようとすると、機体はときに事故につながりる動きをしてしまう。

ボーイング機は、想定外の状況には<自動操縦システム>は的確に対処出来ないので、機長が<手動>に切り替えないと、事故につながる。

<恐妻家>に徹するか、<じゃじゃ馬ならし>を敢行するか、って所です。。。


この話は、以前から聞いてはいたのですが、先日パリの空港で、エール・フランスの航行保安責任者に、直接聞いて確かめた結果、ちゃんと事実であった事が確認されました。


<ハイ・テク>の固まりである航空機で、ハイ・テクに頼って運行するか、人間の勘に頼って飛ばせるか。。。

難しい所では有ります。

どちらの理論も、ある意味では<正解>なのだろうし。。。


ところで日本では、何かトラブルが起こり危機を回避して帰還したりすると、ことあるごとに<非難>口調で報道され、最後は必ず「けが人は無かった」と結ばれる。
(あの<マスコミ>の上から目線は、何の根拠が有っての事なのだろう?)


だいたい、<けが人>が出る訳が無いでは無いか。

事故を<回避>して帰還した訳だから。


数年前、離陸後<エンジン>が火を吹き、片肺で緊急着陸した<日航機>があったが、乗客のインタヴューは<怒りの声>で渦巻き、メディアは日航を<鬼の首でも取った>かのごとくに、責め立てていた。


もしそれと同じ事が、フランスで起こっていたら(ヨーロッパの他のどこの国でも)、着陸と同時にキャビンは乗客の拍手でオベーションが起こる。

そこには、「機械は故障して当たり前」という観念が普遍的に存在しており、それを回避する<プロの仕事>は賞賛される、という価値観が行き渡っているのだ。


先日の、<ハドソン河>に緊急着水したアメリカ機の出来事が、もし日本で起こっていたら、<機長の賞賛>以前に、全国的に<避難ごうごう>の航空会社に対する<攻撃>一色に塗りつぶされていたと、思われる。


そして、そういった状況は、全てにおいて<完璧>を求めるという<日本人>の気風も有るだろうが、加えて<マスコミ>の力が、非常に大きいと思われるのです。


何もかも、センセーショナルに、煽り立てる。

演出に従って、一方的な<映像>だけをつなぎ合わせ、<非難する>被害者の様子だけを差し挟み、都合のいい<インタヴュー>のみを紡ぎ合わせる。

ニュースの<受け手>は、そのようなやり方でないと満足しないのだと、かってに思い込んでいるフシがある。

思い上がりと、自身の頭に悪さの発露も良い所。


次の事件が起こるまで、執拗に責め続ける、日本の大手メディアの<右へ習え>の動きは、<百害有って一利無し>だ。


ヒコーキ事故(事故というのも大げさな出来事にすら)に、声を荒げて非難の論調を繰り出す記者諸氏は、果たして<航空機の特性>や<設計理念>やら、<製造過程>や、<整備の実態>等を、勉強した上で書いているのだろうか。



まして、(たかが)自動車くらいで、完全を信じていた消費者も<幼稚>な話だし、<完全>を売りにしていたメーカーも、驕りの極み。

せいぜい、一企業が<日本全体>の経済を左右するなんて事に、おいそれとならない様に、宣伝と報道との裏表を良く理解出来る位には、消費者もしっかり勉強する必要が有ります。

自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分の頭で解釈しましょう。


このマスコミの幼稚さは、現在の日本社会の報道のフィールドでは、ジャンルを超えて全てについて当てはまる、と思われる。


あれほど<悪人>と決めつけて、世論を誘導した<小沢>問題は、不起訴らしいとなると、とたんに第1面は<貴乃花>と<安治川>と<朝青龍>という、馬鹿みたいな何の意味も無い出来事で、埋め尽くされてしまった。



要するに、マスコミは大衆をナメテいる訳ですな。

『特捜部』の暴走ぶりに<疑問>を抱く様になった人々が、だんだん増えて来た。
一般大衆を、あまり甘く見ない方がいいですよ。。。


ほんまに、アンタら<アホ>やね~!


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「何事も<遅すぎる>事は無い」とはいうが、やっと! 『自民政権官房機密費』持ち逃げ事件が告発された

2010-02-03 03:47:46 | 政治と社会
一体なぜ、誰も言い出さないのかと、不思議で仕方なかった。



やっと!

本当に<やっと>としか、言いようが無い。

なぜ<今日まで>誰も言い出さなかったのかが、理解出来なかった。



▶大阪の市民団体が河村前官房長官を背任で告発(日刊現代見出し)


>小沢問題よりも重大



当然です。

一個人の<政治とカネ>の問題どころでは無い、<政党ぐるみ>の犯罪ではないか。



>東京地検はなぜか消極姿勢

>小沢疑惑よりも、こっちの公金“横領”の方がはるかに重大問題だ。

>自民党の河村建夫前官房長官が昨年9月、2億5000万円の内閣官房報償費(官房機密費)を引き出したのは背任罪か詐欺罪に当たるとして、大阪市の市民団体「公金の違法な使用をただす会」が1日、東京地検特捜部に告発状を出した。



<なぜか>消極的な『東京地検』は、これでどうする?



>この機密費をめぐっては、別の市民団体が昨年10月、使途開示を求める情報公開請求を内閣官房に出したが、詳細は不開示。このため、市民団体は今年1月、処分取り消しを求める訴えを大阪地裁に起こしている。


>「市民団体がこの機密費を執拗(しつよう)に問題視するのは当然です。本来は政策推進や調査情報対策などに充てられるカネだが、河村が引き出したのは昨年8月30日の総選挙後で、しかも、それまでは1カ月1億円程度の支出だったのが、たった2週間で2億5000万円を引き出したのです。目的外支出は明らかで、仮に幹部で山分けしていた場合は小沢問題どころではない」(政界事情通)
(検察側のリークでは絶対ありませんネ)


これを<犯罪>と言わずして、一体何を犯罪と呼べるのだろう?

選挙結果判明後、<野党転落が決まった>前政権に、『官房機密費』が必要な訳が無い。

しかも、通常の金額を大幅に上回る大金を、政権の座を失った直後に引き出すなど、<公金横領>意外の何者でもない事ぐらい、子供でも分かる。

元来、事実発覚直後に、民主党としてすぐさま<告訴>するべきであった。


ヒラの官房長官(ブログに流通している愛称で申し訳無いがピッタリなもので。。。)は、事実を公表した後、なんら<手>を打つでもなく、逆に自らの政権下に於いても<非開示>にしてしまった。

もしかしたら、官房長官<同士>の<連帯>でも存在するのか、と勘ぐりたくなる程でありました。



>原告代理人のひとりで、弁護士の辻公雄氏はこう言う。

>「今回の支出は明らかに違法です。野党に転落した自民党が当時、機密費を使う必要性は全くないし、使途を明かさない性格のカネだからといって、“横領”していいはずもない。


>東京地検は告発状について『検討させてほしい』と言っているが、小沢事件では市民団体の告発をあっさり受理したのだから、こちらも同様に受理して捜査するべき。仮に受理しなければ、不受理を理由に提訴するし、受理しても不起訴や起訴猶予にした場合は検察審査会に不服申し立てするつもりです」




どんどんやって下さい。

もし未だに<検察>に<正義>が存在するのなら、告発されて<却下>で出来る訳も無かろう。



>検察の「恣意(しい)的」な捜査手法が追及されるのも時間の問題だ。
以上引用は【日刊現代2月2日】



やっと、面白くなって来た。

さあ、『特捜』の<暴走族>諸君、国民を裏切らないですよね!


民主党の『司法改革』に抵抗するのも良いですが、仕事はきちんとやって下さい。




(写真は「気弱な地上げ屋」さんのブログ『ラ・ターシュに魅せられて』から無断転載させていただきました)

コメント (2)
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真面目も良いが、石頭では<次期リーダー>は無理じゃないのか岡田さん! 鳩山さん、貴方もですよ!

2010-02-02 06:08:50 | 政治と社会
まったくもう!

どこまで<バカ>なんだこの人は。



▶岡田外相、普天間の現状維持「あり得る」(琉球新報見出し)

>【東京】岡田克也外相は1日、東京都内の日本記者クラブでの会見で、米軍普天間飛行場の新たな移設先を政府与党で話し合う沖縄基地問題検討委員会の検討対象として「ゼロベースということは、普天間のほかになければ今のままということもあり得る。首相も明確に否定したわけではない」と述べ、現状維持も選択肢だとの認識を示した。名護市辺野古への日米合意案も含まれるとの考えも重ねて示した。【琉球新報電子版】


こんな時期に、こんな事言うかね。。。


この方は、まともな秀才らしい。

たとえ<バレンタイン>のチョコレートすら、受け取らない程の<清廉潔白居士>らしい。


大いに結構。


<剛腕小沢>の、旧体制的金銭感覚を勝手に想像される人物は、やはり<これからの日本>にとっては、既に<時代の要求>からは外れている、と言わざるを得ない。

そんな中に有って、この人の堅苦しいまでの<清潔さ>は、貴重であろう。

でも。

政治家たるもの、<時と場合と>を考えるべきです。


彼にしてみれば、<正論>を述べる事は、正しい事なのだろう。

あくまで、<普天間>飛行場の移転先に関して、未だに候補地を決めかねている(らしい)からには、<原則論>としてはどことは言えない。

である以上、「ゼロベースということは、普天間のほかになければ今のままということもあり得る。首相も明確に否定したわけではない」としか言いようが無いのだろうなあ。


でも、<言語学的>正論を、今この時点で<記者会見>で言うべき事では無いだろう。

今の時点で<何を成すべき>か、何を<成さざるべき>か、が解っていないお人のようだ。


そのような、<場を読む>能力は、残念ながらこの方には無い。

場を読む、というよりも、むしろ<政治家>としての<能力>に関わる資質なのではないか。



ところで、渦中の<剛腕小沢>さんの実力は、<ヒヨコ>の民主党に取っては<余人に変わり難い>貴重な財産であります。

彼無くして、ここまでの議席が取れたか。

しかし、現在も<検察>に代表される<官僚>陣営による、民主党がなさんとしている、<司法改革>を含む一連の行政改革への<クーデター>は、党にとって、大げさなしに、日本の政治構造の改革への正否に関わる<最重要な>障害となって来ている。


その意味で、彼について回る<金権体質的イメージ>は、<日本再生>を目指す民主党にとっては、決してプラスにはならないに違いない。


それはあえて承知で、あるいはそれだからこそ、今このときこそ、党一丸となって<小沢防衛>に立ち上がらなければならないのでは無いか。

さもなくば、官僚による政治支配が、普遍的な物として永久に変える事あたわざる事態に落ち入ってしまうだろう。


ここは、官僚達の抵抗に、<勝利>しなければならないのだ。



その事も理解出来ていないかのごとき、党内の不協和音。


▶小沢氏進退に言及、前原国交相「自浄能力を」(読売見出し)

>民主党の小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件について、小沢氏と距離を置く政府・民主党の有力議員から31日、小沢氏のさらなる説明責任だけでなく、進退に言及する発言が相次いだ。

>枝野幸男・元政調会長はさいたま市内で開いた自身の会合で講演し、「刑事事件として区切りがついたところで、しっかり説明していただかなければならない。国民の理解、納得を得られなければ、一定のけじめをつけていただかないと(いけない)」と述べた。小沢氏が説明責任を十分に果たせない場合、辞任を含めて対応すべきとの考えを示唆したものだ。

>前原国土交通相も京都市内で開かれた党の会合で、「新たな局面が生まれた時は、我々も厳しく自浄能力を発揮していかなくてはいけない」と述べ、今後の展開によっては小沢氏に辞任を求める考えを示した。

>野田佳彦財務副大臣はNHKの番組で、「最終的には参院選で連立与党が勝利し、安定政権を作ることが大目標だ。そのためにどういう判断をするか、その都度考えていく」と強調した。
【読売新聞】


今こそ、支えなくてどうする。


辞任を求めるのは、彼を<検察>から奪還して、<参院選>に勝利してからでも遅くはない。

むしろ、その方が、ずっと<カッコイイ>のでは無いだろうか。
それこそが<自浄作用>という物だ。



▶民主七奉行の小沢氏批判 声上げた途端に…(産経見出し)

>小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入事件で逮捕された小沢氏の元秘書ら3人の勾留(こうりゅう)期限が4日に切れるのを見据え、有権者の不満を和らげたいと考えたようだが、同調する動きは広がらず、7人の声は早くも尻すぼみに…。小沢氏の強力な支配力を逆に見せつけた形となった。

>七奉行の一人である岡田克也外相は「今はいろいろ言わず自制して外相の職責を果たすことで割り切った」と釈明。別の1人も「週末は支持者に説明しなければいけなかったが、現段階ではあまり話さない方がいい」と困惑の表情を浮かべた。


それなのに、このていたらく。
 

>どうやら七奉行はこのまま沈黙を続けていると埋没しかねないとの危機感から発言しただけで、本気で小沢氏と敵対する腹づもりはなかったようだ。
【産經新聞】


民主党の幹部議員達には、自らの政権を自ら守り抜くには、何が必要かが<全く解っていない>。


情けない。


鳩山さんも、「戦ってください」と言った事を<陳謝>する必要など、どこにも無いのに。

野党に攻められると、すぐ謝ってしまうなんて、不甲斐ないったら有りゃしない。

「何が悪いのか。これまでの<特捜部>の暴走ぶりを見るに、検察が批判される事こそあれ、私が批判されるいわれは無い。自党の幹事長を守るのは、党首として当然の務めです。」

と、堂々と<反論>すれば良いだけの話。

そんな発言が、司法に対する政治の介入であるはずが無い。


むしろ、選挙で国民に信託を受けている国会議員を、単なる行政の<執行機関>に過ぎない一官僚部局が、国会開会日直前に<別件逮捕>する如き<行き過ぎた>権力の行使が出来る事の方が異常なのだ。


それなのに、そのような<毅然とした>哲学も無く、敵対勢力にすぐ反応して<前言を翻す>ような、筋の通った方針のなさ、こそがこの政権の<獅子身中の虫>なのであろうか。



重ねて言う。
情けないったら有りゃしない!

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EU諸国の財政悪化 / ギリシャ、ポルトガルに次いでの<スペイン>の例と、その対策と展望

2010-02-01 05:59:19 | 国際関係
今日の社会にあって、健全財政国家は、果たして世界でどれくらい有るのだろうか。


昨年の<アイスランド>の破綻に続いて、今年に入ってからの、<ユーロ圏>国家の緊急事態が、大きな問題点となっている。

EUにとどまるには、<財政赤字がBIP3%未満>という厳しいルールが有る。


フランスも、ここ2年連続でこの基準を大きく割り込んで5%台をさまよっており、EU委員会から<厳しい>勧告を受けて来ています。


この<BIPの3%>という数字は、特にリーマン・ショック以後の世界経済に取っては、<非現実的>とすら言えるほどの、厳しい規定である事は、お解りでしょう。


特にここ2週間の『ギリシャ』の<破綻>寸前の状況は、当のギリシャのみならず、救済を噂されたドイツその他のクングにを始め、全EU加盟国を震撼させて来た。

それに続いて『ポルトガル』の深刻な状態が明るみに出て、さらに加えて『スペイン』までもが、緊急の<抜本的改革案>を上程するに及んでしまったのです。


政府原案は次の通り。

☆2013年度に、財政赤字のレベルをBIPの3%のレベルに戻す。
☆公務員給与総額の4%削減。
☆付加価値税(日本の消費税相当)を、16%から18%へ引き上げ。
☆その他諸々。。。


ところが、現状はというと。

★2009年度の<完全失業率>は18,8%にも及んだ。
★2009年度財政赤字は、BIP換算9,5%の当初予測を大幅に上回り、実に11,4%にも及んでしまっている。

前述した<付加価値税>引き上げによって、向こう3年間で税収の増加分が<4百億ユーロ>と見込まれている。

スタンダード・アンド・プアーズによる国家格付けが、AAA から<AA+>に引き下げられたスペイン政府としては、単にEU加盟条件を満たす、という事以上に、ギリシャ、ポルトガルなど連続している財政不安から、『ユーロ』通貨の信用継続の為にも、BIP比3%に引き戻す事は、至上課題と言っても良いのだ。


そこで、究極の<禁じ手>を持ち出した。

☆退職年齢を、65歳から67歳へ引き上げ(70歳も視野へ)。


日本では、「元気なうちは仕事をしたい」という方が、実に多いと聞く。

退職して<無職>になってしまうと、自分が社会に必要とされていないのでは、と感じてしまう人が多いらしい。

かねてより、日本では<労組>の最大の要求項目の一つが<退職年齢の引き上げ>であった。

もちろん、、年金制度の不整備、による<老後の生活不安>も、大きな理由の一つであろう、と思われるのですが。

ここでは、官僚の<天下り>の渡りによる、「稼げるだけ稼いでやる」という側面は、話題にしない。


だが、ここヨーロッパでは、事情がまったく逆なのです。


ヨーロッパは、社会の発祥以来一貫して<階級社会>であります。

アンシアン・レジームに於いては、国民の10%の支配階級を形成する<王侯貴族と聖職者>に対し、90%が被支配階級(そのうち80%は農民)で、その両者の関係は、<搾取>する側と、される側で有りました。

この両者の立場は、生まれながらに決まっていて、覆す事はあり得なかった。

この関係を打破しようとしたのが、歴史上各地で見られた<革命>という動きである。


現代に有っては、支配階級は<特殊な学歴を持つ>エリートで<管理職>を形成し、被支配階級は<一般大衆>であります。

比率は依然と変わっていないと思われる。


この両者に有っては、教育に対する姿勢も違うし、教育を受ける環境も、その経済的可能性も異なるため、やはり両者間の垣根は互いに越えない。

越えられない。


日本の様に、3年間不登校でも<卒業証書>がもらえる、などというナンセンスな事は無く、ましてや<高校全入>など問題外で(第一子供達夫々おつむの中身が違うでしょう)、さらに言えば<偏差値ごとに>大学(!)が用意されている、というような<意味不明>な状態は、あり得ないのです。

従って、大衆とは<低学歴>で、仕事に対する<責任>は極端に薄く、低収入。

だから、「生きる為に働く」以上、なるべく早く退職して、年金で<本来の>自分がやりたかった生き方をして、老後を楽しく過ごしたい。

9時5時しか働かない。


管理職階層は、とんでもなく高度な学問に時間を費やし、高度な<資格>を持って実社会にはいると、最初から<高級管理職>で、社会人としてのスタートをきる。

最初から、一般大衆の3~10倍の収入が、補償されている。

そのかわり、与えられた責任ははなはだ大きく、1日15時間以上働いている人はざらである。


大雑把に解説したけれど、<退職年齢>を引き上げる、という事は<ヨーロッパ>では、革命覚悟で行わなければならない、大変な作業なのです。

各種<労働組合>が、こぞってストを打ち、国の経済が長期間にわたって<大混乱>になる事を覚悟しなければならない程、の難事業なのです。


以前、60歳前後であった<退職年齢>を、徐々に65歳まで持って来るのに、各国政府はどれだけのエネルギーを費やしたか、を考えれば、おいそれと言い出せない事柄、な訳です。


それをスペインが言い出した。

しかも、平均寿命が日本の様に長くない社会で、65歳まで働かなければ<年金>がもらえないという事は、ほとんど自由な余生は10年も残ら無いのでは、という程の<社会制度の大変革>なのです。


そこまで考えなければならない程に、世界の経済状況は<逼迫>している。


翻って、日本の実情は。。。



現時点での、スペインの累積赤字は、総額でBIPの60%にも及んでおり、しかしそれでも、ギリシャの半分(!)であります。

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