晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

官憲に守ってもらえない国に駐在する大使に、護衛の武官も付けない日本はやはり茹で蛙だ。

2012-08-27 23:13:23 | 日本人の意識と精神構造
頭上を飛び越えて、日本国大使館に投げ込まれるレンガや石を、笑いながら見上げていながら、デモ隊を規制しなかった大使館警備の中国警察官の姿が、忘れられない。

ほんの少し以前の出来事だった様な気がする…。



そして今回。

北京で、駐中日本大使の車が強制的に停止させられ、日本国旗が奪われた。


予てより大使専用車に、警備スタッフは乗せていなかったそうだ。

馬鹿じゃないか。

『尖閣諸島は中国の領土』等と、任地で妄言を吐いた丹羽大使に対して、個人的には何の同情も抱かない。

しかし、国家の対応としては、馬鹿としか言い様が無い。

軽火器を装着した武官を同乗させるのが、常識だろう。

少なくとも「特命全権大使」なのであれば…。


日本は、自らの特命大使は守らなければならない、という感覚がないのだろう。。。




▶大使襲撃、政府は厳重抗議 中国当局「突発的な事件」 (日経/見出し)


>丹羽宇一郎駐中国大使の公用車襲撃を受け、日本政府は27日に駐中国日本大使館から中国外務省に電話で厳重抗議をし、再発防止と捜査を要請した。28日に大使館員が中国外務省を訪れ、正式に抗議する。

>日本の外務省幹部は「今必要なのは中国政府にしっかりとこの事案に対応してもらうことだ」と説明する。

>中国外交・公安当局は、警備の厳しい北京で事件が発生したことに少なからぬ衝撃を受けている。尖閣問題を巡る一連の反日デモは、広東省深センで一部暴徒化したものの、北京や上海など大都市では大規模なデモの発生を抑制。「デモ対応としてはおおむね成功」(公安関係者)と自信を示していた矢先だった。

>中国当局関係者は「組織的、計画的な犯行ではなく、あくまでも突発的な事件だろう」としている。中国外務省の羅照輝アジア局長は、今回の事件について「極めて遺憾」とし「在留邦人や日本企業の安全を確保する」との考えも示した。
【日本経済新聞/8月28日 01時28分配信】



それにしても、直後の反応のオバカぶり。

>日本政府は27日に駐中国日本大使館から中国外務省に電話で厳重抗議をし、再発防止と捜査を要請した。

>28日に大使館員が中国外務省を訪れ、正式に抗議する。


このような前代未聞の事件に際しては、日本国内に有っても、駐日中国大使を外務省に呼んで、外相から厳重抗議するべきでは無いのか。

第一、日本に対してまともな外交配慮をしない国を相手に、領土問題で係争中にも関わらず、各地で反日デモが行われている状況にあって、警備の武官も同行させていなかった上で、「電話で厳重抗議」って。


>中国外交・公安当局は、警備の厳しい北京で事件が発生したことに少なからぬ衝撃を受けている。

という反応も、自分達の警備上の隙をつかれた「中国公安当局」の、面子の問題に過ぎない。

結局これまでの「反日行動はお咎めなし」状態に、そんな約束はポーズに過ぎないと言われても仕方有るまい。

下手に犯人検挙等しようものなら、逆に中国国民の大反発を受けるハメになって、庶民の日頃の改正への不満を煽る事になってしまうのだから。



▶日本大使車襲撃、捜査どこまで=中国公安、「英雄」摘発を懸念か―愛国無罪の風潮(時事/見出し)

>丹羽宇一郎駐中国大使の乗った公用車が中国人とみられる男に襲われ、車両前方に掲げた日の丸が奪い去られた事件で、北京市公安局がどこまで本格的な捜査に踏み切るかが焦点となりそうだ。

>国民の間では尖閣諸島問題を受けて反日感情が高まり、「愛国無罪」の風潮も根強い。中国のインターネット上で「英雄」視される容疑者の男を摘発すれば、共産党・政府への反発が高まる懸念や、反日感情がさらに強まる恐れもあるからだ。

>大使館側は2台のナンバーを控え、写真を撮影し、北京市公安局に提出しているため「時間を置かずに解明できる」(日本側関係者)と期待している。

>堀之内秀久次席公使も中国外務省幹部に刑事捜査を要求し、同幹部も「法に基づく厳正な対処」を約束。同省報道局も関係部門による「真剣な調査」の実施を強調している。北京市公安局は器物損壊容疑などで捜査を進めているもようだ。

>しかし、中国政府も「ネットで巻き起こる愛国感情を制御できない」(政府筋)のが現実で、ミニブログ「微博」では大使車を襲撃した男を「民族の英雄」とする書き込みが相次ぐ中、共産党大会を控えて社会安定を最優先する公安当局がどこまで「反日」「愛国」を追及できるか不透明だ。 
【時事通信/8月28日(火)6時32分配信】



そもそも、「愛国無罪」等という、超ローカル・ルールを、国際外交関係に持ち込んで来た中国である。

まともな対応は、期待する方が野暮というもの。

それより、大使専用車を強制停止させられて「国旗を奪われる」という事実は、いにしえの道場破りに看板を奪われた剣術道場より、遥かに恥ずべき事なのでは無かろうか。

これが日本でなければ、同乗の警備スタッフがその場で射殺しても、おかしくない事件であると考える。


韓国に於いても、状況はあまり変わりはない。



▶在ソウル日本大使館に汚物入りペットボトル投げ付け(J-Cast/見出し)

>韓国・ソウルの日本大使館の近くで2012年8月27日6時すぎ、40代の韓国人の男が汚物の入ったペットボトル2本を大使館に向かって投げ付けた。ANNなどが報じている。

>ペットボトルは敷地内には入らず中身も飛び出さなかったが、男はその場で逮捕され、罰金を払って釈放されたという。
【J-Cast ニュース/08月27日19時52分配信】



しかしある意味で、中国や韓国が羨ましい。


なぜなら、彼等は「祖国の敵」に対して、それなりの意思表示を実行出来るからである。


東京で、アメリカ大使館前でデモが行われるか?

二つの理由で、あり得ない事である。


一つ目の理由は、日本の国民は「自国を貪り尽くす国」に対して、怒りを示さない。

それどころか、いまだに「世界とはアメリカ」だと思っている人々の、如何に多い事か。

ヨーロッパ、中東はまだしも、中南米やアフリカのニュースなど、求めてもお目にかかれない。

政治家は官僚に、その官僚はアメリカに、完全にリモート・コントロールされている日本の現状を、殆どの日本人は気がつこうとしない。

戦後多かれ少なかれ800兆円以上も、アメリカに吸い上げられている事に、だれも疑問を抱かない。


原発の事も然り。

遺伝子組み換え食品の事も然り。

TPP協定も、また然り。

巡り巡って、アメリカの利益を確保する為に、総てはアメリカが糸を引居ている事に、怒りを覚えない。


オスプレイの件でもそうだ。

岩国と、沖縄の住民だけ、抗議している。

日本全国で、低空飛行訓練をやる事になって居るにも関わらず、東京でも大阪でも、殆ど目立った反対運動は起きていない。


ましてや、「アメリカ大使館」前で抗議集会など、70年安保当時以後、寡聞にして聞いた事が無い有様である。


二つ目の理由は、日本政府側が、そんな事をやらせない。

たとえ「米国大使館」前でデモ申請が為されたとしたら、100%却下される筈だ。

無届けデモなどやろうとしても、近づく事はおろか周辺ですら「蟻一匹入り込む余地の無い」厳重な警備網を敷くであろうから、不可能なことだ。

強硬突破しようなどと試みようものなら、たちまちジュラルミンの楯に押しつぶされ、警棒で殴られ、ブーツで蹴り付けられ、催涙弾で視力を奪われ、高圧放水で骨折させられるのがオチである。



デモは、現代社会に於ける「市民の基本的な権利」である。

しかるに、日本の官憲は過剰警備を常として、絶対に国民の権利を認めようとしないのだ。

自らも国民である事も、忘れたかの様に。


日本大使館に、抗議行動を仕掛けて、実力行使出来る中国や韓国の人たちが、そういう意味で「羨ましい」事限り無し。

日本は、デモすらやれない「後進国」なのだから。。。



それとは逆に。

外国に派遣している自国の特命全権大使を、自らの手で警護しない日本政府の能天気ぶりにも、恐れ入る。


先日、ルーマニアで殺害された女子大生の事件も、結局は同じ線上に有るのではないか。


亡くなられたご本人を、批判などはしない。

ただ、深夜に空港に着いて、空港に宿泊させずにそのまま町に出る様なスケジュールを組ませた方に、多いに問題が有るのだ。

後で分った事は、世の中を知らない学生達の団体が、斡旋していた渡航で有ったらしい。

東大であろうが慶応であろうが、日本の大学生は世間を甘く見ている。

自分の就職活動以外の事に関しては、若さの特権と入っても、やはりおちゃらけ過ぎていると言わざるを得ない。

大学が、社会人になるのをギリギリまで遅らせて、「最後に遊ぶ所」と化しているからの状況であると敢えて言う。

理系は別として。


それにしても、海外で被害に遭う日本人の、何と多いことか。

殺人事件ですら、今年になって複数起っている。

ましてや、盗難事件などいちいちニュースにもならない、日常茶飯事と化してしまった。


NHK BSで『海外安全情報』という番組が有る。

これが、見ていて笑ってしまうのだ。


頻発する事件を例示して、対策を採るように促すのだが、その内容と来たら…。

「大金は持ち歩かない」
「知らない人に話しかけられても、すぐに信用しない」
「現地の人に飲食に誘われても、なるべく(!)付いて行かない」
「白タクに乗らない」
「人ごみや、政府機関の多い地区にはなるべく行かない」
「騒ぎやデモにであったら、すぐにその場を離れる」
「夜間に人気の無い所を、独りで出歩かない」
「公共交通機関はなるべく避ける(!?)」

これって、何歳の子供に与えてる注意時事項なんだろう、と悩んでしまうのだが。

部屋から一歩も外に出るな、と言ってるのと同じ。


しかし、ここまで注意されても、事故は減らない。

女性の操に関して言えば、本人が被害者だと気がついていないケースを考えると、数えきれない程になるだろう。

日本人は、民間もお役所も、ここまで「能天気」なのだ。


そして、世界の常識では「被害に遭うのはその人物が油断しているから」に他ならない。

財布やパスポートの盗難ならば、悔しいがまだ何とかなる。

しかし、命を取られたらどうしようもない。


それと同じで。

国家が国旗を奪われたら。

領土を奪われたら。

それは既に、国家として落第である。



いい加減、目を覚ませよ。




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