晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

米国の隠れ植民地に甘んじているとしても、せめて領土の保全ぐらい真面目に取り組め。

2012-04-18 21:44:17 | 世界に置ける日本
日本でも、指折りの愚劣な政治家が居る。

石原慎太郎と言う。




ところで、日本には領土に対する、保全の意識に欠ける所が有る。

『尖閣諸島』
『竹島』
『北方四島』

そして。

『日本海』呼称。



領土の保全すらまともに行えない、日本の情けなさは、一体何処から来ているのだろうか。


政府見解として、「北方領土」以外に、日本には領土問題は存在していない、と言う事になっている。

例に依って、官僚の大好きな「建前論」である。

「領土問題が存在していない以上、問題提起など日本側から行動する事はあり得ない…。」



『北方四島』と『樺太』に関しては、サンフランシスコ平和条約の解釈上、日本にやや不利になるという「説」もある。

しかし。

『竹島』と『尖閣諸島』との扱いは、どう考えてもダメだろ。

「金持ち喧嘩せず」
と、言いたいのだろうが、「アホか」である。


国際的認知を確立する努力をしないで、領海線を犯され、天然ガスや石油を好きな様に採掘されるまま。

竹島には韓国人が住み着いて、日本の「実行支配」が聞いて呆れる。


自分だけで「問題は存在しない」などと言っているだけでは、自慰行為に過ぎない。

国際的に認知されて、始めて現実となるのだ。



そこへ持って来て、石原慎太郎が思いがけない事を言ってのけた。

『尖閣諸島を、東京都が買います。わが国の領土を買うんです。なにか問題有りますか?』



▶<尖閣購入> 波紋広げる 石原都知事「政府にほえづらを」(毎日/見出し)

>東京都の石原慎太郎知事が沖縄県・尖閣諸島の一部を都が購入すると表明し、都庁内外に波紋が広がっている。野田佳彦首相が国が購入する可能性に言及したことで都庁内には「国が買えばいい」との声もあるが、多くの幹部職員は「知事は本気だ」と受け止めている。

>尖閣諸島の一部を所有する男性(69)=さいたま市=と石原氏を仲介したのは自民党の山東昭子参院議員。山東氏によると、男性は山東氏と30年来の知人で、昨年9月1日に初めて石原氏と引き合わせた。石原氏は衆院議員時代、個人で尖閣諸島を購入しようと男性の母(死去)と会ったことがあったという。

>男性は10年に起きた中国漁船衝突事件など尖閣諸島を巡る問題に触れて「個人で管理するには限界がある」と売却の意向を伝えたところ、石原氏は購入に前向きな姿勢を示した。その後も交渉を続け、今月になって売却の意思を固めたという。

>一方、石原氏は購入を表明した16日、報道陣に「面白い話だろ。これで政府にほえづらかかせてやろう。何もしなかったんだから、連中」と語った。藤村修官房長官が、国が購入する可能性に言及した17日には「いつごろ決断するのか。こっち(都)は取引、もうすぐ終わりますから」と話した。
【毎日新聞/04月19日00時09分配信】



この件に関して、ツイッター上では、かなりの批判が起きている様だ。

しかし私自身は、今回のこの石原慎太郎の「暴挙」を『是』としたい。

淀んでいた水の中に、一石を投じて「波紋を引き起こした」という意味で。


上記記事の続きの「解説」も、以下に転載しておく。



▶◇「寝耳に水」の都庁

 「しばらく前、知事周辺から都外での土地購入について財務担当に問い合わせがあった。まさかこんな話だとは……」。都幹部の一人が打ち明ける。尖閣諸島の買い取り交渉は、都庁内の根回しなしに極秘裏に進められていた。

 都は知事の特命事項があると、知事本局など部局が横断的にプロジェクトチームを作って対応に当たる。石原氏の表明を受け、都は購入の準備を進めているが、関係者によると、ネックになりそうなのが(1)購入の事業目的(2)現地調査--だ。

 (1)について石原氏は漁場としての活用や自然エネルギー開発、自然保護などを示唆している。都幹部は「小笠原の世界遺産登録などが参考にならないか検討する」と話す。ただ石原氏に近い都議会自民党の宮崎章幹事長は「都民の利益につながるのかなど、知事に聞かないと判断できない」と慎重姿勢だ。公明党の中嶋義雄幹事長も「購入理由の説明が難しい。東京も地方自治体の一つで、外交問題に踏み込んでいいのかという問題もある」と話す。

 また、土地購入の際は面積確定のための測量が必要だが、所有者と貸借契約を結んでいる国は第三者の上陸を認めておらず、方法は定まっていない。年度末までは国との契約が残っており、それまでの売買も可能かどうか「これから調べる」(知事本局)という。

 財務局によると、99年以降に都が都外の土地を購入したのは、千葉県八街市の児童養護施設の1件のみ。価格が2億円以上で面積2万平方メートル以上なら、都議会の議決も必要になる。民主党の山下太郎幹事長は18日の総会で「6月の第2回定例会で関連予算案を組んでくる可能性もある。情報収集をして(対応方法を)シミュレーションする必要がある」と話した。

【同上】



勿論、あの石原慎太郎の事だから、本気なのだろう。

何の根回しもしないまま、しかし「本気「なのだ。


だが、実際問題としての「手続き上」のネックなど、この際大した問題では無い。

石原発言の翌日に、藤村修官房長官が国が購入する可能性に言及した、この事実が重用なのだ。


つまり、「ここは自分の所有地です」と独りで納得しているだけでは、普遍的な事実の共有はなされない、という事を再認識しなければならない、という事実を「国に突きつけた」事が、肝心なのだ。


反発は、広範囲で厳しい。


「税金で買うな!」

「自分のカネで買え!」

「『尖閣を買う』石原慎太郎に迷言を吐かせた米シンクタンク <横田返還>はどうしたのか」

「中国と武力対立に発展しかねない行動は国のためと言いながら己の自己満足を満たそうとしているにすぎない」

「地方自治体の長が「自分が買いたいもの」を勝手に税金で買っていいわけがないだろう! マスコミもおかしいものはおかしいと言えないのか」

「石原都知事の、尖閣購入発言。国にひと泡吹かせるのが本意とか。『領土問題はちょっとした気持ちで取り組むべきではないし、取り組ませるべきでない』と語った故高坂正堯教授の言葉を思い出す」

「東京都が買っても何も解決しませんよ。石原のパフォーマンスだけ」

「自民党時代の中国との尖閣領有問題への棚上げ約束を政権交代で民主党が引き継いでおらず(外務省の問題か)、当時の前原国交相が問題化してしまったと言う話をたびたび聞くのだが、石原氏はこれを知らなかったという情報弱者だったのか」

「まあ、石原の「買取発言」は、中国との緊張を煽るようなことを言えというイルミのリクエストに答えたものだろうが」

「国がだらしなからなのはわかるが、これは石原知事の趣味みたいなもので、別の都知事になればこんなことは言わないと思う。都民の税金であることを忘れた”私物化”の最たるもの。やるなら私財でやるべき⇒尖閣購入『都議会通るとは思えない』外務省幹部」

「石原都知事が尖閣諸島を都が購入すると発表。すでに島の所有者も合意済み。石原知事は宿敵の中国と一戦交えるつもりらしい。最近の中国は「この問題は孫の代に解決を委ねましょう」(小平氏)の言葉を忘れたように挑発が続いている。しかし外交の失敗を安易に軍事力で解決しようと思わないで欲しい」これ石原都知事の間はいいとして、将来リベラルで中国寄りの知事が選挙で選ばれたら却ってリスク要因じゃねーの? 」



なかなか、壮観である。



確かに、彼の個性を見れば、「卑劣」なパフォーマンスの側面は否めない。

税金を使う事の問題も大きい。

おそらく、都議会で通らないでしょう。


しかし、『横田基地返還』問題を、この発言に被せても、余り説得力は無い様に思う。

彼が、横田基地返還と言う公約を実行出来てもいないうえ、「アメリカ」での発言という事では、批判されて当然では有る。

しかし、それとこれとは、違う次元の事だと思える。



『東京都が買っても、何も問題は解決しない』

それは、その通り。

しかし、「何もせず、ただ中国人の領海侵犯の繰り返しを見逃し続け、海洋資源を奪われ、海底ガス田と油田の乱開発を続ける」ことを、座して見過ごす事と、罪深さは同じなのでは無かろうか。


「中国を刺激する」
「中国と一戦交えるつもりか」

これも、批判する為の批判にしか、受け取れない。

中国は、日本を刺激していないのか。

そして。
「たかがこのような発言」で、中国が軍事行動をとるのか。


日本は、この問題では中国側にやられっぱなしで、指をくわえて見ているだけであった。

領海侵犯や、領空侵犯に、その度ごとに「外務省が遺憾の意」を示した所で、それこそ屁のツッパりにもなりゃしない。

それで中国が「悪うございました」と謝ったか。

実効的に何ら効果の無い、形だけの抗議を繰り返すだけで、それこそ「実行支配」を進められてしまうばかり。


何より、「国民に上陸を禁止」している外務省の姿勢が、納得出来ない。


『この問題は孫の代に解決を委ねましょう』(小平氏)との「日中なあなあ」のお約束に従っての措置であろう事は、疑う余地がない。

しかし、それでは中国は「その約束」を遵守しているのか。

国際的に、そんな約束が「認知」されているのか。

国際的には、現実が総てである。


しかも、この約束自体が、相当中国側に譲歩した結果である。

尖閣諸島周辺の東シナ海の海底に、地下資源が見つかった1970年代から、「領有権を主張」し始めた中国に対して、日本側の正統性は「沖縄返還条約」の際『尖閣諸島』も沖縄列島に含まれる事は、明記されている事からも明らかである。


「日本は、約束は守ります。」

お行儀よく戯言を言っているその間、相手は好き放題に「領土」をかすめ取ろうと、勝手な行為を続け、為す術もない。


小国にはやたら強いが、大国には何も出来ずにへいこらする「日本外交」は、日本人の民族的DNAの発露そのものなのだ。


正統な主張は、しなければばならない。

特に、それが国家の主権や領土の保全に関係する事、で有ればなおの事。


人類史上、有る民族の領土を、別の民族の方から認めてくれた事など、存在しない。

自分達で主張し、自分達の行動で示して、別の民族に認めさせて始めて、領土は対外的に承認された物となるのだ。


ハチャメチャの、老害を振りまくばかりの都知事が行った、彼独特の無責任なパフォーマンスと、切り捨てる事は簡単である。

しかし、日本は「国として」自分達の領土の確保に対しての外交的行動が、あまりにも幼稚であった。



『竹島』など、日本が実行支配している等と言っているだけで、実際には韓国人が居住している。

記念切手を発効し、世界中の切手マニアに売りさばいている。

「日本海」の呼称問題とリンクさせながら、莫大な予算を投じて、国家プロジェクトで派手に行動している。


国際地理学会に於いて「日本海と<東海>との併記」の働きかけに失敗するや、「東海」単独表記を主張し始めた。

その直後に「日本海を『韓国海』と記した古地図が見つかった」という、例に依ってのお笑いである。

「韓国」と言う固有名詞の国際的登場は、第二次大戦後、朝鮮戦争による南北分断以後の事に過ぎない。

過去に存在していない固有名詞を使った「古地図」と言う、拙さはさておいて、彼等の「行動力」は、学ぶべきでは無いのか。



地球物理学や地質学的に言って、『日本海』は日本列島が存在しなければ、『太平洋』である。

日本列島有っての日本海。


韓国人が『黄海』を、「西海」と呼べと言っているか。

その伝で言えば、太平洋は日本から言えば『東海』になってしまう。


とにかく、日本の固有の領土に関して、外国からイチャモンをつけられて、それが止まないのであれば、国際的に何らかの法的手段をとって、明確に決着をつけるべきである。

領土問題に「なあなあ」は存在する余地は無い。



重ねて言うが、石原慎太郎が気軽に言う様には、尖閣諸島の東京都による購入が、スムーズにいくとは思わない。

法的に、財政的に、外交的に、民意という面からも、問題は山ほど存在する。

しかし私個人的には、今回の石原都知事が引き起こした波紋は、無意味な物では無かったと、評価する。

領土を「購入する」と言う行為では無く、領土問題に今まで何も積極的行動をとってこなかった、日本外交に対して、こくもんが目を向けるきっかけを作った、という事において。


とにかく、国としてはっきりしろよ、という訳だ。





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12 コメント

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Unknown (あつし)
2012-04-19 11:00:44
国を捨てた人間に言われるとはいい面の皮
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考えは似ている (ダンテ神曲)
2012-04-19 13:15:17
私もブログでこの件書いて投稿した。
個人的には文句はないと。
ただ一石を投ずる国を憂いているピュアな気持ちからなのか、次を目指した我欲からなのか、考えた場合後のほうが本心だろうと思った。
今までの数々の発言から、そうみるのが妥当と思った。
領土問題は自己主張しなければならないことは其の通りです。
外務官僚のことなかれ主義が今の領有権問題を更に悪くしていることは確か。
加えて政治かも彼らを上回る事なかれ主義。
日本の病巣は深い、、、
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Unknown (junk_in_the_box)
2012-04-19 13:44:31
>しかし私自身は、今回のこの石原慎太郎の「暴挙」を『是』としたい。
>淀んでいた水の中に、一石を投じて「波紋を引き起こした」という意味で 問題提起したことだけは是としたい。
>つまり、「ここは自分の所有地です」と独りで納得しているだけでは、普遍的な事実の共有はなされない、
>という事を再認識しなければならない、という事実を「国に突きつけた」事が、肝心なのだ。

 問題提起したのはいいのでしょうが、このジジイは肝心なところでいつも逃げる。
 仙ダニや前原を初めとして毅然とした対応ができなかった民主党には
 言い返すことができない上のを見越してのパフォーマンス。
 ただのカッコつけでその後に起こる問題の処理には何ら関わろうとしない。
 口先誠司の進化型です。
 こういうところでビシッと言える、外交という名の喧嘩ができる政治ができない現状が歯がゆいです。
返信する
Unknown (あつし)
2012-04-19 18:03:44
上の2コメント主様たちへ

自己紹介乙。自分らが政治の世界に出る気もないくせに外野から勝手なことほざいているだけのお客様は全くいいご身分ですね殿。おれのように外国に留学して政治の世界に飛び込むぐらいのことを言ってからほざいてください。
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あつし様。 (時々パリ)
2012-04-21 18:31:43
コメントありがとうございました。
相変わらず、支離滅裂ですね(^^;)
私は国を捨てた訳では有りません。
住んでいないだけで、単に物理的な問題ですので、あしからず。
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ダンテ神曲様。 (時々パリ)
2012-04-21 18:35:20
コメントありがとうございました。
石原慎太郎は、国の事なんかこれっぽっちも思ってませんよ。
自己顕示欲、権力欲、ただそれだけ。
本物の右翼なら、アメリカに尻尾振るなってなもんです。
そんな彼でも、時々インパクトが有るのですね。
社会に一石を投じて、波紋を立てる。
後の始末をしないのは、皆同じですが。
ヤレヤレです。
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junk_in_the_box様。 (時々パリ)
2012-04-21 18:40:28
コメントありがとうございました。
> 口先誠司の進化型です。
進化型というか、成れの果て、の様な…。
見ていて哀れですね。
>外交という名の喧嘩ができる政治ができない現状が歯がゆいです。
居ません。
東大法学部が有る限り無理。
人材は出ません。
霞ヶ関を「全解体」して出直す位の荒療治が必要でしょう。
小沢一郎だって、何処までやれるか。
ただ、彼の場合は、他の誰よりその事の本質は分っている様です。
返信する
あつし様。 (時々パリ)
2012-04-21 18:44:29
追コメですが、感心出来ません。
人それぞれ、立場や環境は違います。
それでも、自分の「居る位置」から声を上げる事は、必要にして不可欠です。
でれもが国外に出られる訳では有りませんし、皆が政治家になれる訳でもありません。
>おれのように外国に留学して政治の世界に飛び込むぐらいのことを言ってからほざいてください。
それだって、他の人からすれば、「かってな事ホザイて」居るのと同じですよ。
立場は異なれど、憂える物が同じであれば、精神的に繋がって行く事が肝要かと、信じます。m(_ _)m
返信する
Unknown (あつし)
2012-04-23 23:46:49
時々パリ様
まったくそのとおりでした。
ごめんなさい。
一杯機嫌で天下国家を仲間内で語りその流れで書き込んでしまったのでかくのごとき愚かな書き込みになってしまいました。
これでは海外に行っても政治を学ぶどころかツールとして必要な道具としての語学さえ満足に得られずトラッシュ扱いされてすごすご帰国するのが関の山ですね。
日本でもっと学ぶことを学んで考え直します。
返信する
福祉切捨ての都政 (国民!)
2012-04-25 22:39:26
6兆円の福祉切捨て「弱者切捨て」、
無駄な公共事業、無駄なオリンピック誘致費用、
新銀行東京の赤字の責任を石原慎太郎はまず取るべきです。


3男の馬鹿息子を当選させるために作られた新銀行東京。

パンダは東京にいらない見たければ他の所に見に行けば良い、都の税金だ!
余ったグッズはくれてやれば良い!
とほざき舌の根が乾かぬうちに上野にパンダをまた連れてきた大馬鹿者。

庭に水を撒いているふりをして通学中の小学生に水をかける石原慎太郎。

地権者は自民党政権時から国は信用できない国には売りたくないそうです。

週に2日しか都庁に出勤しないそうですよ。

裕次郎の兄貴だと理由だけで投票した都民は反省してください。

石原家の金で買い後から国に交渉すれば良いでしょう。
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