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日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

『アビエイター』(2回目)

2006年11月18日 | 映画・ドラマ


劇場でも観た『アビエイター』をレンタルでも観てみました。

うーーん。この映画は二回目だとちょっと退屈かな。筋がちょっと単純すぎるのかもしれない。

ハワード・ヒューズという奇人のエピソードは、初めて見聞きすると度肝を抜かれるけど、二回目だともう知っているからあまり驚きません。だとすると、そうしたエピソードに頼らない物語の力が必要になるのですが、この映画はハワード・ヒューズという人の破天荒なエピソードをダイナミックに見せることに主眼が置かれているので、最初はびっくり仰天しても、二回目の鑑賞ではちょっと退屈してしまうのかもしれません。

あと、やはりスクリーンか大画面テレビで見ないと、この映画で感動するのは難しいかも。

この映画ではケイト・ブランシェットがオスカー助演女優賞を受賞したけど、正直この映画の彼女は他の映画ほどよくない。彼女が演じたキャサリン・ヘップバーンのことを僕は知らないけど、明らかにブランシェットは“モノマネ”をしているのです。それがいつもの彼女の演技の迫力を奪ってしまっている。他の映画では限りなくパワフルなのに、この映画のブランシェットは自分で自分に枠をはめて生気を失っている感じがします。

それに比べればエヴァ・ガードナーという往年の名女優を演じたケイト・ベッキンセールの方が気位の高い女性の気品と気高さをよく表していたと思います。

この映画を見て思うのは、アメリカ映画界の俳優の層の厚さ。無名の俳優でもみなリアルな演技をします。それはドラマ『ER 緊急救命室』を見ていてもいつも思うことです。製作者の腕さえよければ、誰もが名俳優に見えてしまうのです。

その中で主演のディカプリオの演技は上手いのかそうでないのか、ちょっとよくわからなくなりました。まわりの役者があたかもその時代・場面に溶け込んだ実在の人物であるかのようになっているのに対し、ディカプリオはその時代に溶け込むと同時に、そこから浮き上がって“ディカプリオ”というスターの輝きを放ちます。

スターはみんなそうだと言えばそうかもしれません。ディカプリオはたしかに他の人のもっていない輝きをもっており、それゆえに映画の主演をはることができます。単に普通の人をみるためなら、私たちは映画を見ません。

ただディカプリオの場合、たしかに演技がすごく上手い人だと思うのですが、彼の持つアイドル性・スターの輝きが強烈なので、現実のリアルさを表現しようとする映画とどこかでちぐはぐな関係を生んでしまっているように感じました。



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