本文に入る前に訂正があります。
前回(6月2日)、(5月28日)、(5月25日)の記事で『アカボシゴマダラ』として紹介した幼虫は、すべて『ゴマダラチョウ』でした。
『アカボシゴマダラ』は外来種、『ゴマダラチョウは』在来種、と異なるのですが、共に『オオムラサキ』『コムラサキ』などと同じ仲間(タテハチョウ科 コムラサキ亜科)です。
ただ卵や1齢幼虫は、見た目が全く同じで区別が付きません。
ここ6~7年の間に都内で私が『ゴマダラチョウ』(成虫)を見たのは、たった2回だけ。
おそらく『アカボシゴマダラ』を100回見る間に『ゴマダラチョウ』と出会う可能性は1回にも満たないでしょうね。
そのためTさんから幼虫と卵をいただいたとき、二人とも幼虫が『アカボシゴマダラ』だと信じて疑いませんでした。
「なんだかゴマダラチョウみたいだけど?まさかね…。」というのがその時の正直な私の感想だったのです。
確信を持ったのは、前回の幼虫が終齢に脱皮した後、背中の突起が明らかに3対しかなかったからです。
『アカボシゴマダラ』なら4対のはず…で、おまけに尾部の先端が開いていたので(アカボシは閉じています)、ここで間違いないと思いました。
4齢に脱皮するとき3対なのは気づいていたのですが、もしかして4齢までは突起の一つが目立たないのかな?と間違った憶測をしていました。
ここからやっと今日の記事が始まります。
今回の終齢幼虫が貴重な『ゴマダラチョウ』だったことは大変嬉しいのですが、今年の課題『アカボシゴマダラ』の羽化は別個体で撮らねばならなくなりました。
となるとピラカンサ池の周りで採取してきた卵を、無事に蝶になるまで育て上げなければなりません。
しかし既にTさんにいただいた卵も含め、既に5個のうち3個が黒くなって…つまり孵らずの卵でした。
残るのは2個。
その内の1個が昨日の早朝、5時に卵の様子を見た時には既に小さな穴が開いていました。(既に孵化が始まっていました。)
『アゲハ』や『ツマグロヒョウモン』なら孵化の時間は30分足らずなので、この時点で幼虫が卵から出てしまっているはずです。
つまり撮影は失敗なのですが、何しろこの蝶は孵化に時間がかかるのです。
昨年は2個の卵を孵化させましたが、共に4時間以上かかったと記憶しています。
…それでも9時頃には終わるはずです。……ところが!!
(去年と同様に、写真を選んで合成したものです。)
卵の変化する様子です。 EOS7D MarkⅡ + MP-E65mm F2.8 1-5× MACRO スピードライト320EX(ディフューザー使用)
孵化しない卵は途中で黒く変色してしまいます。
産卵から孵化まで、およそ1週間です。(右端の写真が、5時に撮った“孵化”1枚目のカットです。)
おそらく卵に穴が開いたのは4時頃だったのでしょう。 ISO200 1/250 f/8
と言うことは孵化にかかった時間は、なんと7時間以上……ちょっと参っちゃうな~。
とりあえず無事に孵化はしましたが、この幼虫は全く落ち着きが無く、うろうろ歩き回るばかりです。
仕方が無いので、朝になってからベランダのエノキに乗せたところ、とりあえず落ち着きました。
今日の昼頃に撮ったものです。(体長、約3mm)
寄生されずに、無事に蝶になれるでしょうか?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます