CuniCoの徒然・・・岩下邦子の独り言

日々の暮らしの中で、立ち止まったり、すれ違ったり。私の中のアレコレを思いつくまま、気の向くまま。

いつか見た景色の向こう側

2018-06-10 10:57:01 | 心のささやき
子どもの頃、いろんな窓から眺めていた。
渋谷区西原の窓から眺めた新宿高層ビルのランプの点滅。
中原区井田のアトリエの窓から眺めた眼下に広がる街並み。

少し大人になった気分で眺めていた。
六本木交差点の磯辺焼きの屋台。
その横にはいくつものバケツを並べた花売りのお姉さん。
吉祥寺近鉄裏のスナックのカウンターに毎夜陣取るお兄さん。
赤坂の街の道路に落ちるU字ピン。
名古屋刑務所を出所して、
京都に流れ着いた男性と土手に座って眺めた鴨川。

記憶の奥底にある景色たち。

ふと、
いま自分は、その景色たちを通り抜けた先に佇んでいる。
そんな感覚を覚えた。

景色のその先には、
取り立てて景色があるわけではなく、
ただただ、佇んでいる自分が見える。

窓から眺めた景色を通り抜けたその先の空気は、
とても穏やかだ。
その空気に包まれて、
その空気をまといながら、そこに佇んでいる。

いつか見た景色の向こう側。
私は、そこに、佇んでいる。


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