風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

この1年 内閣支持率

2006-12-31 14:51:36 | 世相あれこれ
風の谷通信 さん農園便りNo.179

 いよいよ年の終りです。21世紀は「みずがめ座」=
「平和と共生の世紀」と言われたのに、いきなりの戦いで
幕開けてそのまま。いまだに20世紀「うお座」=「戦い
の世紀」の残滓をひきずっています。時あたかもフセイン
大統領の処刑が伝えられました。経済思想の異なるイスラ
ム社会を「自由主義市場経済」「カネの一元資本主義」の
世界へ引き込もうとした強者の論理が世界を不安に陥れた
結果です。
 もう一つの論理は「砂漠の一神教」の論理です。宗教的
な批判や中傷は避けますが、どうも我々「森の宗教」の民
とは根本的に違う行動原理をもっているように思えます。
その尻馬に載ってはしゃいだこのクニの有力者達も「大量
破壊兵器が見つからなかった」ことについて沈黙を守った
ままで、責任逃れの頬被りをしています。
 この1年について時に応じていろいろに考えました。
 
 働く者として気になるのは国内の「カネの一元主義」で
あり「市場放任資本主義」の飽くなき貪欲さでした。その
方策は「偽装請負」という卑劣であり、非正規労働者に対
する自由奔放な抑圧であり、自国に失業や非正規労働者が
溢れているのに更に「安い労働力」を非先進外国に求めよ
うとする貪欲さであり、最低賃金以下で以てする外国労働
者からの搾取であります。今や国内には「資本の自制」と
いう規範さえなく国外に向かっては「フェアトレード」という観点
さえ失われた・・・そんな時代になりました。
 支配するのは「カネがカネを産む」というマネー資本主
義であり、結果するのは富の偏在という格差社会です。元
手のない者に残された道は「最低へ向かっての競争」だけ
です。「価格破壊」という旗印を掲げて挑戦した人は、先
ず自らが「破壊されて」しまい、流通の王者の座から滑り
落ちて惨めに世を去りました。それに続く小売業社会の有
為転変は止まるところを知りません。

 自分が関わる農業と食の世界では、先ずオーストラリア
が食糧輸入国に転化するのではないかということで、中国
の立場とともに、末怖ろしい事態になってきました。食糧
輸入と飽食に溺れるこのクニの将来が心配なところです。
食糧が・水が不足する事態が迫っています。食糧に続いて
飲み水が戦略物資という地位を占めるようになるでしょう。


 こんな中で不満と不安を吸い上げるがごとくナショナリ
ズムが頭をもたげ、このクニだけではなく欧州でも国内外
に対する挑戦が始まっています。日本のナショナリズムは
先の大戦に対する見直しと近隣諸国に対する反感で彩られ
ているのが特色です。

 どうも暗い見通しが強いですが、ぜひ「みずがめ座」の
世紀になって欲しいものと思います。私達の仲間はこの田
舎町で「人々が安心して暮らせる町創り」を目指していま
す。まだ人数が少なく、力も弱いですが。身近なところか
らそんな社会を目指します。

 そこで 現在の政治の一片、内閣支持率の動きは;
以下の通りです。

時期 調査主体  背 景   支持率%不支持率% 
9.26 朝日  安倍内閣発足直後  63  18
9.26 共同               65 (記録忘れ)
10.9 中国・韓国訪問直後      63   14
11.11 朝日 若年層の支持率急落  53   21
11.25 共同               56 (記録忘れ)
12.5 共同 郵政反対組復党    49   35
12.9 朝日 男性の不支持大幅増加 47   32
12.9 読売 郵政反対組復党問題  56   30
 
 この他に12月に産経新聞とFNNの共同調査があった
のですがこれは記録を逃しました。朝日新聞を引用すると
反論があることでしょうが、新聞社は調査主体であって
回答者ではないので、問題がないと思います。
 これだけを見ると大勢が変わるとは見えません。搾取
され続けるままの多くの非正規就労若者達や次の時代に
世に出るはずの若者達がこの事態に不満を持っていない
ということは、世の中がこのまま推移するということで
しょう。

 さて、来年はどんなことになるか、楽しみです。