風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

報道の自主規制

2006-12-15 19:17:04 | 世相あれこれ
風の谷通信 さん農園便りNo.173

 首都圏の知人から連絡が入りました。最近の国会議事堂
周辺は大変な人の波だそうです。しかし、新聞にもテレビ
にも全く現れないので、こちらにいるとさっぱり判りませ
ん。 なにが原因か?「教育基本法改正」の事件です。

 これに反対する人たちがなんでも4~5000人くらい
議事堂を取り巻いて連日意思表示しているのだそうですが、
デモなのか座り込みなのかさっぱり判りません。 それと
東京都の国歌強制への反対行動で処罰された教師達がハン
ガー・ストライキ(または座り込み抗議)を継続している
とのこと。

 こんなことが一切報道されていません。 ちょうど、耐
震設計偽装問題で有罪判決を受けたイー・ホームズの藤田
社長が、偽装設計を見逃した神奈川県担当課職員の問題や
偽装設計に基づいて建築された物件などについて安倍首相
に訴えていることが全く報道されないのと軌を一にしてい
るような印象を受けます。藤田社長の主張はブログ「きっ
この日記」に詳しく掲載されています。

 「官に誤謬はない」とはこのクニの大きな建前ですが、
これに順応するように、あるいはもみ手で歓迎するかの
ようにマスコミが自主規制を進めて行きます。「商業新
聞」という批判に一番敏感な朝日新聞さえもこの自主規
制に参加していて、議事堂前の様子も耐震偽装設計問題
の核心もさっぱり報道しません。私のような復古主義者
からみても、批判的報道に自主規制がかかってしまって
いるということです。右派からは「あんた、朝日新聞な
んて変な新聞を読んだらだめですよ」と言われ、左派か
らは「なんで産経なんか読むんですか?」と叱られてい
るのに、そのどちらもが政府の鼻息を伺いながら報道の
自主規制をしている。いつの間にかこのクニは自分の信
じるところを自由に発言できない社会になってしまった。
またまた「物言えば・・・」の社会、お上の気に入るこ
としか言えないクニになるのでしょうか。

 このクニは先の戦争から何も学ばなかった、というこ
とです。