風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

蟻の兵隊 中国残留日本兵

2006-11-19 20:25:42 | 文化・文芸

風の谷通信 さん農園便りNo.162


 


 きょうは隣接の加古川市で映画「蟻の兵隊」を観、かつその本人


である奥村和一さんの話を聴きました。


 戦争が終わってからも上司の命令で中国に残って山西省の軍閥


のために闘い続けた人達が捕虜になって後に帰国してみると、自分


達が勝手に残ったと判断されて軍籍を抹消vされていた、という残酷


な話です。私が解説するよりも的確な記事がたくさん掲載されている


ブログを紹介します。


 


さて、うまくトラックバックできているでしょうか? 一旦確認のため


中断します。


 


 だめでした。どうにもトラックバックできません。 そこで「蟻の兵隊」


で検索して下さい。いろいろなブログがあり、またホームページがあり


ます。


 


 このドキュメンタリー映画の主役である奥村和一さんが、かつて新兵


訓練で中国人を刺殺「させられた」現地その他を訪問します。強く印象


に残ったのはまず「戦争は人の理性を奪う」「だから戦争はいけない」


という彼の言葉です。 次に「当時の上層部・指揮官は卑怯だ」という


こと。「義勇兵を連れてくる」と言って、部隊の兵士達を放置したまま


偽名で日本に逃げ帰ってそのまま知らぬ顔をした上官です。 次に、


靖国神社参拝に集う人々の狂気ぶりです。日本は戦争に負けたの


ではない。アメリカの物量に負けただけなのだ、という論理であの


敗戦と戦後社会を説明できるのだろうか。先の戦争時代の服装で


偽銃を担いで軍旗を担いで行進して参拝する。あれでは先の天皇


陛下がお気の毒です。今の天皇陛下が悲しまれるだろう。 今の


皇室は、あの時代に帰ることを望んではおいででなかろう、と私は


推測しているのです。


 


 日本の権力構造は江戸時代のままですね。「官に誤謬はない」


つまりは「お上に誤りはないのだ」という姿勢です。これは明治維新


の偉大さの陰にある欠点の一つです。明治藩閥政治の愚劣さです。


そんな欠点が最近の世相でボロボロと明らかになっています。知事


だけでも、警察だけでも、問題の行動が次々と明らかになっていま


す。文部省も「上から教育してやろう」という姿勢ですが、まず自分


達を教育し直すべきでしょう。日本には敗戦後60年経ってもまだ


民主主義が成立していないということでしょう。 先の天皇陛下が


「人間宣言」なされた心を無視するのか、またぞろ「雲の上」へと


祭り上げるつもりではないでしょうか。