風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

心の隙間

2006-08-23 20:32:17 | 文化・文芸
風の谷通信 さん農園便りNo.105

 盲児の塑像展示会も中日を迎え、残るは4日間となりました。
なつかしい人たちが集まってきて感動の波が続いています。

 さて、私はその忙しさに追われて疲れ気味ですが、そんな役目でも
ないと、うっかり落ち込んでしまいます。

    心の隙間       8. 20, '96        

   哀しみは一瞬の隙を衝いてくる
   日暮れて畑から帰り着いた我が家に
   軒下の灯が庭を照らしている時

   自動式点灯なんだよ と判っていても
   時々は・・・ショックに襲われる・・・
         うちには誰もいないんだよ と
         映子も子供達もいないんだよ と

   ぼくはこの歳になっても想いだす
   この灯りを見る度に「谷間の灯火」を
         でも子供達にはこの家の灯りは
         何の想いも呼び起こさない
         二人にとって故里でもなければ
         彼等の母親もいないのだから
 
   そんな時に
   ふっと・・・心に隙間ができて・・・
   そこに落ち込んでしまう
   そして 哀しみがほとばしる・・・
   深い嗚咽となって


 みなさん、「谷間の灯火」という歌をご存知ですか?
 
 ネットで検索すると「心の隙間」には一杯・溢れるばかりの記事が
あります。中には首をかしげたくなるような分野の記事があって、
我ながら「あれ、こんな分野の詩を書いたはずがないよ」と思い直す
ことがありますが、上の詩はごくまともな気持ちで妻や子供達のこと
を詠んだ、自分でも好きな詩です。

 暑さが終わりに向かうこの頃、夏ばての残響が出ませんように。 合掌