風の谷通信No.10-127
またまた暗いハナシです。先日の「ジュンク堂展示」が圧力によって中止に追い込まれた事件に続く同類のハナシです。
日野市の(おそらくは公用の)封筒に印刷されていた文言『憲法の理念を守ろう』という言葉が『墨塗り』で消されました。地方自治体の公用文具から「現行憲法を尊重しよう」という呼びかけが抹消されたのです。
これは小さな出来事ではありません。大事件です。ある人が日野市役所に問い合わせましたら「単なるミスです」という返事でした。そこで新たに作り直した封筒に記載し直すのかと思いきや、新しい封筒からはこの文言そのものが消えているのです。つまりは不採用にした、ということです。なんじゃ??
この国の現行の根本法である憲法の理念を尊重しようという文言が抹消されるとはどういうことですか!?「イヤいままで載せていたことがよけいなことだったんです」というのかな?
憲法を尊重しようと言う思想が時代によって否定されているのであろうと思います。そもそも誰がそんな考えを拡げているのですか。だれがその風潮を先取りしているのですか。改憲されるまでは現行憲法を尊重すべきだし、改憲されればその新しい憲法を尊重するのが筋道であろうと思いますが、どんなですかね?
今このクニでは憲法を大切にしようという考えが否定されています。なんだかコワイ話です。憲法は単なる一例に過ぎないでしょう。辺野古・TPP・標的の村・フクシマ・薩摩川内・高浜・伊方等の国内問題、「イラク派兵」の裏で起きたこと、シリアの各勢力の陰でうごめく大国の思惑・シリアで行く方不明になった日本人のこと・などなどなど、なんだか我々大衆の眼には見えない陰の世界で恐ろしいことがどんどん進んでいるような気配が強くなる一方です。戦争を体験した人間が減って行くにつれて「二ホンは悪くはなかったなんだ」という声が高くなってゆきます。あんなに酷い目にあわされて310万人も死んだのに「このクニが悪くなかった」とは?その言葉の勢いも世相をますます暗くしています。恐ろしいですね。私の年代はもう死期が近づくだけですから関係が薄いとは言え、次の世代にとってどんな時代になるのかと暗澹たる気分になります。
今黙っている若い人達よ、それでいいのかな?