全く個人的な感覚なのだけど、夏の終わりにはCDを買って夜ゆっくり聞くという、妙な季節感がある。自分でもへんな季節感だとは思うけど。
先日、2セット買ってきた。
CD店に行って、最初に目についたのはラトルのベートーヴェン9CDセット、交響曲全曲と、ピアノ協奏曲1,2、歌劇「フィデリオ」全曲が納められて全部で1,490円という激安価格だった。なぜか交響曲第5番と1番の協奏曲は別テイクが1枚入っている。曲が完全にダブっているのに、一緒のセットになっている理由がよくわからない。
たくさんCDを買っていた10数年前にも、安いCDはあったが、それらはいわゆる「訳あり」で、音源が古いとか、演奏家がスターではないとか、理由が何となくわかったし、安いといっても、1000円以下のものは少なかった。ラトルとVPOは第一流の演奏家であり、録音も10数年前と新しいのに、なんでこんなに安くなって売られているのだろう?安いことに文句を言っても仕方がないが、なんか変だな、という思いは残る・・。
例によって演奏内容そのものにはコメントしない(できない)が、漫然としか聴けない僕でも、ちょっとくせのある演奏だなあ、と言うことはわかる。3番なんかは結構重厚だし、4番も悪くないが、ほとんどの演奏はまだ1回しか聴いていないし、何とも判断がつきかねる。ただ、何となくこのCDは、棚にしまったきり余り聴かなくなってしまうような気がしないでもない。今も口直しにセルの演奏とかを聴きなおして、ほっとしたりしている・・。
協奏曲とオペラの方はまだ聴いていない。
探していたCDが二つあって、一つはRシュトラウスの「アルプス交響曲」、もう一つはシノーポリのシューマン交響曲2番だ。
アルプスの方はカラヤンのCDを持っているが、これしか知らないので別の演奏を聴きたい。しかし、今回はこれはと言うものに出会えなかった。
シノーポリの2番は、ずっと昔に図書館でCDを借りたが、とても良かった。正月、軽井沢の帰りにカセットに入れたのを聞いたが、だんだんはまってきて思わずぶっ飛ばしてしまったのを思い出す。
このときのCDはVPOとの録音だが、今回買ったCDはシュターツカペレ・ドレスデンとの全曲版である。実は買うときに勘違いした。記憶が曖昧で、シノーポリ、シューマンというキーワードだけで選んだのだ。帰宅して聞き始めて初めて違う演奏だと言うことに気がついた。
2番を聞いただけだが、これも結構迫力のある、聞いていて引き込まれる演奏だ。VPOの方はかなりテンポも速く、今聞き直すとくせの強い演奏だが、ドレスデンの方はもっと自然な熱演というか、素直に熱気が伝わってくるような感じがあり、総合的にはこちらの方が上かなあ、という感じもする。
シューマンはわりと好きだが、CDはちょっと変わり種のセムコフ セントルイス響(全曲版。一部で評価が高い)と、シャイー コンセルトヘボウ(2,3番のみ明るくて、これも悪くない)、トスカニーニの「ライン」しか持っていなかった。
左下はシノーポリ2番(VPO)を録音したMD。