最初に買ったデジタルカメラは、オリンパスのD460という機種だった。ちょうど10年前のことだ。
D460というのはたしか、その前に発売されたC920の海外版だったのが、在庫が余ったのか国内向けにも販売した物だったと思う。この頃のオリンパスはデジタルカメラの分野では結構存在感があって、オリンパス、富士フイルム、ソニーあたりが定番、そこにIXYデジタルでキヤノンが本格参入、という感じだった。
もっとも、これを買ったのはオリンパスへの信頼感(長年のOMユーザーなので)というのもあったが、一番の理由は安かったからだ。近所のコジマ電器で確か2万7千円ぐらいだった(当時の標準価格帯は6万ぐらいか?)。1/2.7インチCCD、131万画素、換算35mm-105mmF2.8-4.4。電池は単三乾電池4本。電池4本でわかるように、そこそこ大きくて重い。フィルムコンパクトカメラと同じくらいだ。メディアはスマートメディア。付属は8Mで、追加で買ったのが64M(6千円ぐらい)。
起動がものすごく遅くて、10秒近く待たされたような気がする。白飛びもかなりひどくて、日中野外では苦労したがが、反面室内はそこそこ良かったし、特にマクロ撮影が簡単にできるのは感動した(今では当たり前だが、コンパクトカメラは近接撮影が不得意な物が多かった)。
最初のデジタルカメラなので、思い出ぶかい。
02年8月末に盗難に遭ってしまい、甥の写真とかも失われてしまった。
盗難後、次をどうしようかと色々迷った。オリンパスではC700シリーズという、当時珍しかった高倍率ズームのモデルがあり(たしか8倍ズーム)、それにしようかと思ったが、店頭でニコンの中級モデルを見て気に入った。カタログを見るとテレコン、ワイコンが使えて、併用すれば高倍率ズームと同じ事ができる(気がした)。ちょうどマイナーチェンジの時期で、新型の発売を待って初日に買ったのがクールピクス4300。
4300で最初に撮った写真。128MBのCFや、予備電池も一緒に買った。クリーニングキットはおまけ。奥の方に飲むヨーグルトとか、お箸が見えるのはご愛敬。
ヨドバシカメラ新宿で、59,800円だった。今ならミラーレス一眼が買える値段だ。38mm-114mm F2.8-4.9、1/1.8型CCD、400万画素、電池はリチウムイオン専用電池(ただし、2CR5も使える)。この頃のニコンはレンズが暗い物が多く、またアダプタを介して全機種に各種のコンバージョンレンズが使えた。クールピクス同士で使い回しができるのが魅力的に思えた(その後対応不能の機種ばかりになってしまった)。
画素数の限界はあるが、今見ても画質は相当に良い。D460の時、デジカメはフィルムカメラには画質面で全く太刀打ちできるような物ではないと思っていたが、このカメラを使って考えを変えた。CCDは今では上級機に使われるようなサイズだが、これはファミリー用というか、一般的なユーザーを対象としたモデルだ。しかし、ニッコール千夜一夜ではニコンの大下氏が私の愛機として取り上げている し、またいわゆるデジスコ(フィールドスコープを使って野鳥などを撮影する)用に使うマニアも多かった。
難点は動作が遅いこと。起動4-5秒、結構もっさりしていて弱った(慣れたけど)。グリップが大きいので持ちやすいが、携帯性は良くはなかった。
コンバージョンレンズはワイコン、テレコン、スライドコピーアダプタを買った。ワイコンは24mm相当から、テレコンは228mm相当までそれぞれ焦点距離が拡張されて、ざっと10倍ズーム相当になる。ねじ込み式だから、着脱は面倒くさいし、ワイコンはフィルター径72mmとばかでかい(カメラを向けると人がよけていた)が、それなりに実用にはなった。今24mm-228mmと聞いてもそんなに驚かないけど、当時はかなり画期的なことだったと思う。スライドアダプタはフィルムホルダに撮影済みの35mmフィルムを入れて、4300でもう一度撮影するというもの。光の加減とかが難しくて、ほとんど使わなかった。
4300は気に入っていたが、動画が音声なしなのと、携帯性に難があったので、それを補うカメラが欲しくなった。あまり遊び物にお金を使うのも気が引けて、なるべく安い物をと探していて見つけたのがミノルタ ディマージュX20だ。
2004年2月末、ビックカメラで19,800円だった。当時のデジカメとしては下限に近い価格だ。普通は銀色だが、これは冬季限定スノーホワイトという白色モデル。
1/3.2型CCD、200万画素、 37mm-111mm相当のズームだが、屈折光学系を採用しレンズは飛び出さない。電源は単三電池2個。このシリーズは廉価版で、ボディはプラスチックでファインダーがない(今や当たり前だが)。カタログも若い女性向けを意識したものになっている。ストラップは珍しくも両吊り可能で、専用ケースは速写ホルダー式。起動は1秒と現代的。原則フルオートで細かな調整はできないが、機能ボタンをカスタマイズできた。僕は露出補正に使っていた。
当時のデジカメは長時間の動画録画ができないものが多かった(せいぜい数分)が、このモデルはカード残量の限り録画できた。一度自転車に30分ぐらい乗っている間、動画撮影をしたことがある(よい子はマネしないように)。静止画撮影も軽快だったが、画質は今ひとつ。
CCDがリコールの対象だったので交換したが、それとは別に電池が異常に消耗する現象が多発(充電式の電池が使えなくなった)、ウェブカメラに使おうとしたが認識されず、2007年頃引退。親を通じて甥にあげたが、何の反応もなかったので、興味を持ってもらえずに捨てたかも。
2005年12月、念願のデジタル一眼を購入した。ニコンD70sである。これについては以前書いたので詳細は省略。買ったのは中野のフジヤカメラで、フィルムのF80Dとレンズ数本を下取りに出した。中級機D200が発売された直後(D200の体験フェアとかにも行ったけど)だったが、D200を買うほどの技量はないと思い、一つ下のこれにした。現在も活躍中。
2006年、それまで使っていたニコン4300を父に譲り(一緒にHPのコンパクトフォトプリンターもあげた)、フィルムコンパクトのコンタックスT3を売却して、代わりにIXY800ISを買った。買ったのはX20と同じビックカメラ。値段は忘れたが4万円台の半ばだった。これを買って帰ったとき、ちょうどワールドテレビでカップドイツ大会(日本-オーストラリア)をやっていた(当時のイメージキャラクター中田も出場)。今見返してみると月曜日なのだが、会社でも少しお祭り気分で、浮かれていたのかもしれない。
色味がそれまでのニコンとはだいぶ違っていて、慣れるのにしばらくかかった。小さいこと、手ぶれ補正がついていることは新鮮で、しばらくの間持ち歩いては夜間撮影を楽しんだ。
2009年7月、リコーGX200(EVFつき)を買った。ビックカメラのポイントがかなりたまっていたのと、商品券があったのでそれを充当し、現金の追加払いはわずかだった。これについてはいずれ詳しく書こうと思う。
購入のきっかけはこの年6月にデビューしたオリンパスペンE-P1だ。店頭で見て大いに刺激を受け、何とか買おうと画策したが果たせず、それなら上級コンパクトをと思い、最終的にGX200になった。
このカメラについてはまともな写真が残っていない。何もこんなにごちゃごちゃした背景で撮ることもあるまいに・・。
1年間活躍したが、翌年念願のペン(PL1だけど)を買うことになり、下取りに出した。
2010年8月、オリンパスE-PL1を購入。これも以前に書いたので詳細は省略。僕はどうもマニアックなカメラより、少しカジュアルなカメラの方が気楽にシャッターが押せそうで、性に合っている気がする。
2011年7月、IXY31Sを購入。これも購入時に書いた。さいきんはS100なんかも出ていて、これは気になる。前にGX200を買ったときも少し後でS90が出て、いいなあ、と思ったけど。600Fはキヤノンらしからぬカラリングに驚いた。色まで含めたデザインは600Fの方が好みかも。32Sは塗装仕上げが少し変わった(つやありにした)が、これは31Sの方が好み。
まあ普段使いでは31Sは結構健闘している。24mmの画角は最初思ったよりも使える。慣れとは恐ろしいものだ。