ちょうど1年前に、同じ指揮者/オケの旧盤を買った。通販だったが、配送時不在だったので郵便局まで夜遅くいそいそと取りに行ったのを覚えている。
そのことを思い出していたら、デジタル録音の新盤(80年代から90年代にかけての録音)も聞いてみたくなった。ちらちらと聞こえる世評は、旧盤に比べると演奏にムラがあるとか、あまり芳しいことは聞かないのだが、そう言われると逆に興味をそそられる。どのみち日本ではこの指揮者はあまり公正な評価を受けていないのだ・・。
そのCDだけど、昨年は店頭にもあって、この時代にそれなりの値付けでセット売りされていた。今回はウェブでさらっと眺めるに、発売から時間が経過したのか在庫切れの店が多そうだ。
ならば中古を久しぶりに探して見るか。いつもの中古店を訪れると、やはりセットものはない。ただ、バラ売りのものを探すと、一応全曲揃うようだ。大半が10年前の、いわゆる「ベスト100」シリーズの一部で、まだ封も切られていない新古盤である。4&5のみ、昨年発売の「ショルティ生誕100年記念」の一部。
で、まだ4&5しか聞いていないが、これ、演奏も録音も立派で、堂々たるものだ。5番を旧盤と比較して聞いてみた。旧盤の方が勢いがある感じがするが、演奏そのものはどちらが良い悪いというのはない、と言うかよくわからない・・。芸術性やら、精神性云々はわからないが、とりあえずオケがとても上手なことは僕でもわかる。スタンダードな解釈の、立派な演奏だ。
録音は旧盤は低音寄りでデッド、個人的にはちょっと低音が出すぎて、長時間聞くのは疲れる。新盤は透明感、奥行き、繊細さ共に上だ。今目の前で4番がかかっているが、手持ちの10枚ぐらいのCDの中では、これが一番演奏、録音のバランスがいいかなあ、とすら思う。
・・おっとっと、うさ耳のくせに、えらそうな蘊蓄をたれてしまった。「個人の感想です。効果には個人差があります。」ということでご容赦を。
去年も後で気がついたのだが、5日がショルティの命日だそうだ。僕がこれを買おうと、急に思い立ったのがその1日前(4日)だが、妙な因縁?だな・。