成熟脳 黒川伊保子 新潮社 平成30年
「三十年ほど前、人工知能エンジニアとして、ヒトとロボットの会話の設計をしていたとき、私は、男性と女性の対話形式が異なるのに気がついた。
女性は共感のために対話を紡ぐ。ことの経過について時系列をなぞるように話し、気持ちに共感してもらうことで、真実を見つけ出す脳だからだ。
男性は、問題解決のために対話を紡ぐ。このため、相手の話の中から、何が問題かをいち早く切り出して、解決を図ろうとする。
この二つの対話モデルは、まったく相いれないもので、混ぜることができない。(『くのいちの術』)。」
本書では繰り返し触れられている男女のものの考え方、話の仕方の違い。なにかが違うということは薄々とわかっているから、身につまされるというか納得ががいくところもあるが、ちょっとだけ、こんなにはっきりと断言されるとちょっと抵抗を感じなくもない。
ただ、なにかを説明するために延々と語り続ける女性は身近に何人もいることは事実だ。
そして僕は、時にはそれを中断させてしまう。
なんとも厄介なものだ。