うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

過去のなごり

2014年10月16日 | ビジネス

昔は社畜とかブラック企業なんて嫌な言葉はなかった。でも、昔から過酷な労働を強いる会社はあったし、むしろもっときつかったような気もする。こういう言葉が近年聞かれるようになったのは、日本企業のマネジメントが、未だ過去の成功体験に縛られていることの現れではないかと思う。

日本の多くの企業はかつて終身雇用、年功序列が原則で、それが、日本企業の強さの秘訣であると論じられていた時代もあった。ほんの30年くらい前の話だ。日本企業の社員たちは共同して過酷な労働に耐え、共同体の厳しい人間関係に絡め取られていたが、その見返りとして生涯にわたる生活の安定を保証されていた。

高度成長がおわり、世界的な景気後退に見舞われた後も、日本だけは好調を維持し続けたことが、学者達に日本の良好な労使関係に目を向けさせた。80年代を通じて、欧米社会はそれまで自分たちがやっていた方法に自信を失いつつあった。そうした風潮も日本が脚光を浴びることに貢献していたと思う。

もうその頃既に、一部の構造不況業種ではその兆候が出ていたのだが、バブルが崩壊して企業が勢いを失い、更に日本全体が勢いを失ったとき、この日本型の労使関係はほころびを見せはじめる。若い頃、懸命に働いてきた人たちは、終身雇用、年功序列というはしごを外される。他方、社員を酷使し、縛り付けるという習慣は昔のまま、あるいは社会の厳しさを受け更に強化される。

昔はそうやって会社を大きくしてきた、という記憶が今でも社会全体に残っているのだろう。しかし、一言で言ってしまえば、もはやそれはシステムとしては「片手落ち」であり、昔うまくいったようには機能ないことに気がついていないのだと思う。

などと、柄にもないことを書いてしまった・・。「社畜」って、僕のイメージから言うと草食系の羊みたいな社員たちで、別に社長のとりまきである牧羊犬型社員がいて、その犬の指示に黙ってついていく、という感覚だったのだけど、ウェブをみているとどちらかというと「犬」の方を社畜というみたいですね(企業に飼い慣らされて一般的な倫理観と自由意思を失う)。

10/17舌足らずな表現を加筆修正しました。

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