かなり気が動転していたのだろう、ペンをお医者に連れて行ってくれるといってくださった方に、連絡を取ろうとして果たせず、もう出かけているのではと勘違いして朝途中まで出かけてしまった。
結局、移動中に電話で連絡が取れた。駅の近くに、静かな神社を見つけてしばらくお話をした。
家に戻るとき、一つ前の駅で降りて歩くことにした。
昨夜はすこしだけうとうとしただけなのだが、眠気は感じない。ただ、結果として家を離れたことは自分にとってはよかったようだ。
桜の季節は終わったが、そこにはいつの間にか装いを新たにした春の風景が広がっていた。
歩いてみて思い出したのだが、3年前の地震の翌日、一晩泊めてもらった親戚の家から、従兄弟の車に送られ、ちょうどこのあたりで車を降りたのだった。今日と同じ土曜日、青空がきれいな朝だった。一見、なにも変わらない朝に思えるが、わずかに家々の玄関に割れた食器がまとめておかれているのが、前日の悲劇の面影を示していた。
ペンは地震を知らない。生まれたのは8月だ。しかしこのとき、何となくペンは、地震で旅だった人たちが、たまたま迷い込んでインコに寄り道したのかな?という奇妙な考えが浮かんだ。いま見ている道は、それを知らせるためにペンが導いてくれたのかと。
いろいろな方から、暖かい言葉をいただきました。
取り急ぎ、御礼を申し上げます。