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音読みの種類

2008-08-31 00:12:41 | 文字を読む

 漢字は字の構成を見れば知らない字を見ても、読み方が類推できるので分りやすいというふうに言われることがあります。
 たとえば「豆」は「豆腐」「納豆」のように「トウ」と読むということを知れば、「頭部」はトウブ、「登記」はトウキと読むことができます。
 さらに「逗留」「天然痘」「橘橙」など少し難しい字でもトウリュウ、テンネントウ、キツトウというふうに読むことができます。
 ところが「豆」はトとつまって読む場合もあり、「登山」はふつうトザンと読みます。
トウザンと読んでもよいのですが、普通はトザンと読んでいます。
 しかし「登頂」「登坂」「登攀」「登城」などになるとトウチョウ、トウハン、トウジョウと読みむ人もいれば、トチョウ、トハン、トジョウと読む人もいます。
 既に読み方が固まっている人は良いのですが、はじめてこれらの単語を見た人は読み方に戸惑うでしょう。
 また「豆」は「伊豆」のようにズという読み方もあって、「頭蓋骨」はトウガイコツとも読みますが、ズガイコツのほうが一般的です。
 全部トウと読んでも間違いではないのですが、慣用が優先し、地名に使われた場合は「伊豆」「小豆島」をイトウ、ショウトウトウとすれば間違いです、

 読み方が一通りでないという例は、他にもたくさんあります。
 図にある「尺」「訳」「駅」「沢」「釈」はふつうシャク、ヤク、エキ、タク、シャクというふうにいくとおりもの読み方になっています。
 訳、駅、沢、釈は旧字体では譯、驛、澤、釋で旁を尺にしているのは略字ですが、尺を共通音符にして略字を作っているのですが読み方は違っています。
 「立」にはリツとリュウの二通りの読み方があり、粒はリュウ、拉の場合はラツでまだよいのですが、泣はキュウでリュウと離れていますし、位はイで似ている部分がありません。
 じつは「位」会意文字で音を表わす部分がなく、旁の部分の「立」は音を表わしてはいないということですが、字を見ただけではそんなことは分りません。
 「勺」は約はヤク、酌、杓はシャク、的ハテキ、釣はチョウです。
 最も変化の多いのは各がカク、落がラク、客、略、路、額はキャク、リャク、ロ、ガクです赤ら、かなり読み方の種類が多くなっています。
 適当は普通テキトウと読みますが、字典を見ると本来の読みはセキトウで、滴、敵、摘はテキですが、嫡はチャク、謫はタクと読むのが普通です。
 
 このように音を表わす部分が同じなのに読み方が違うというのは、もともと違う発音なのに近い発音なので同じ音符にしてしまったのか、あるいはほぼ同じ発音であったものが発音がだんだん離れてしまったのか分りません。
 かんじは文字が即単語なので、単語の意味や発音が変化すれば、文字の形と発音や元の意味からのズレが激しくなってきます。
 漢字の形や意味、発音が整然とした形で結びついていると考えたいところなのですが、実際は言葉というものが変化するためにかなりくずれています。
 原理主義的に覚えようとするとかえって混乱する場合もあるので、基本的には個別に覚えてその後つながりを知るというのが自然です。
 たいていの人は知識が増えれば自然にパターンを見つけようとするので、過度にパターンを一般化しないように注意することが必要のように思われます。
 


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