「3×5の升目にはいくつの四角形が含まれているか」という問題を考えるとき、たいていの人はAのような図を描いて考えると思います。
Bのように縦長の図を描いても良いのですが、横長に描くほうが自然に感じられます。
全体をとらえるのには横長に見るほうが自然で、縦長に見るほうがとらえにくいのです。
同じように5×3×3の直方体を描く場合でも、D図のようには描かずE図のように横長に描くのが自然です。
ところで、実際にこの問題の答えを出そうとするにはどのように考えるでしょうか。
たいていの人は一番小さな升目をまずかぞえ、次に小さな升目が二つ合わさったもの、次に三つ合わさったものと順にかぞえていって合計を出そうとします。
答えは90個ですから、かぞえ方をきちんと組織立ててやらないと、かぞえ間違いが起きてしまいます。
たとえば2個合わさったものは、縦1×横2のものと、縦2×横1のものがありますが、
4個合わさったものは縦1×横4の場合と、縦2×横2の場合です。
また5個合わさったものは縦1×横5だけですが、6個合わさったものは、縦2×横3の場合と、縦3×横2の場合があります。
こうしたかぞえ方は、そのつど具体的にかぞえていくので、升目が増えるとたくさんの計算をしなければならないので、能率が悪く見落としも出てきます。
たとえば10×15などとなってくればとても大変です。
年をとると具体的な考え方に執着しがちで、抽象的な考え方が苦手になるといいますが、具体的な考え方だけではうまくいかない場合もあるのです。
この問題の場合、四角形は二本の縦線と二本の横線で囲まれたものですから、日本の縦線を選ぶ選び方を数え、それに対して二本の横線の選び方を数え、この二つをかければよいのです。
A図では縦線は6本、横線は4本です。
縦線の最初の一本の選び方は6通りで、それぞれに対してもう一本の選び方は5通りですから、全部で6×5で30通りですが、同じ線が1本目にも、2本目にも選ばれているので実際の選び方は30÷2で15通りとなります。
同じように計算すると横の2本の線の選び方は4×3÷2で6通りです。
そこで四角形の数は15×6で90個となります。
これを応用すればE図に含まれている直方体の数は15×6×6で540個となりますが、これを具体的な方法で数え上げるというのはとてもできたものではありません。
数が多いというだけでなく、立体図では見えないところができてしまうので、具体的に眼で見て数え上げるということができなくなるからです。
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