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60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

ズームイン、ズームアウト

2006-03-03 23:26:23 | 眼と脳の働き
 左の内側の円と真ん中の内側の円とは同じ大きさなのですが、左側のほうが大きく見えます。
 左側の内側の円が大きく見えるのは、すぐ外側の円と干渉しあって起こる、同化効果によると心理学では説明されています。
 分かったような分からないような説明で、光学的な現象なのか、脳の解釈なのかあいまいです。
 実際に網膜に映る像が大きくなっているのであれば光学的な現象で、網膜に映る像が同じなのに大きく見えるというのであれば、脳の解釈あるいは錯覚です。
 つぎに真ん中の図の場合は、外円が内円と離れているので、同化現象を起こさず、対比効果が起きるので内円は小さく見えるとされています。
 この場合も光学的な現象なのか、脳の解釈なのかハッキリしません。

 この説明は、同じ平面にある図形についての説明なので、図形を同時に見ていることを前提としていると考えられます。
 そうすると網膜には、同じ大きさのものは同じ大きさの像で写っているはずなので、脳の錯覚だと説明しているようです。
 
 しかし実際に大きさを比較するときは眼が動くので、見る対象によって焦点距離が変われば同じものでも大きさが変わって見えます。
 カメラのたとえでいえば、狭い範囲を見るときはズームイン、広い範囲を見るときはズームアウトをするのですが、自動的に焦点調節が行われるので、自分では焦点距離を変えたという自覚がありません。
 そこで、大きさが違って見えたのは脳の錯覚だと考え、なぜ錯覚を起こすかという説明を試みたのでしょう。

 ところが見方を変えると錯覚だと思われたことが実は錯覚ではなかったということが分かります。
 真ん中の円と右側の円は=でつないでいますが、この=の部分を見ていると、大きい外円と小さな外円がつながっているように見え、同じ図柄に見えます。
 そうすると左右の内円の大きさは同じ大きさに見えてきます。
 二つの円がつながって一つの図としてみたときは注意の範囲が広がって二つの内縁を同時に見ているので同じ大きさに見えるのです。

 二つの内円が同時に見たときはズームアウトしたときのように小さく見えます。
 老眼になると離して見ないとぼやけるので、文字を読むとき離して見ようとします。
 そうすると字が小さくなるので見にくくなり、狭い範囲に注意を向けて文字を確かめようとします。
 そのため毛様態筋を緊張させ続けるので眼がたちまち疲れてしまいます。
 したがって、文字を読むときには、あまり離さなくても楽に文字が見えるように、老眼鏡を使うのが無難です。

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