60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

周辺視力を鍛える

2006-05-17 22:36:02 | 視角能力

 左の図を見ると横線は4本とも水平線なのですが、斜めに見えます。
 これは見るときに、無意識のうちに目を動かしているためです。
 視線を動かさなければ水平に見えるのですが、全体をよく見ようとするとつい目は動いてしまうため斜めに見えるのです。
 ここで真ん中に並んでいる数字の一番右にある7という数字を見つめて見ます。
 そうするとほかの数字は6だけあるいは5までぐらいしか読めないかもしれません。
 あとの数字は見えるけれどもはっきりそれとは認めることはできないでしょう。
 あとの数字がはっきりと認識できるとすれば、読もうとして左のほうに視線を動かしているのです。
 7と6ぐらいしかはっきりわからないというときは、ほかの数字は周辺視野にあるためぼんやりとしているのです。
 
 このとき横の線ははっきりとは見えなくても水平に見えているはずです。
 視線を動かさないで見ると焦点距離が変わらないので、見え方が変わらないため、錯視が起こらないためです。
 7の部分は中心視されているのではっきり見えますが、そこから遠ざかるにつれぼやけて見えます。
 もしぼやけている部分をハッキリ見ようとすると思わず視線が動くので横線が斜めに見えてしまいます。
 
 7から視線を動かさないままで、左に並んでいる数字をなるべく多く読もうと注意だけを左に向けてみます。
 並んでいる数字はわかっているので、ぼんやりしか見えないはずでも注意を向けることで、だんだん読めるようになります。
 もし読もうという気が強すぎて視線を左に向けてしまうと、横線は斜めに見えてしまいます。
 横線が水平に見える状態で左の数字がハッキリ見えればそれだけ周辺視野での認識範囲が広がったということになります。

 つぎに、左のほうへ認識範囲を広げるだけでは片手落ちなので、右のほうへ認識範囲を広げる練習をします。
 この場合は一番左の1という数字を注視し、右側に注意を向けます。
 横線が水平に見える状態で右側の数字をなるべく遠くまで認識しようとするわけです。
 
 左右の周辺視野だけでなく上下の認識範囲を広げる場合は右側の図を使います。
 今度は縦線が垂直に見える状態を保ったまま、上または下に注意を向けてその先の数字を認識する練習をします。
 周辺視野を鍛えて、認識範囲を広げるといっても、その結果視力が向上するということではありません。
 視力が向上したように感じたとしても、判断力が鍛えられたからハッキリ見えるように感じられるのであって、光学的に眼の組織が変化したわけではありません。
 網膜の視細胞や、脳の視覚神経細胞は加齢によって減少するので、少ない刺激量からでも判断できるように練習するわけです。


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