ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

古代国家はいつ成立したか

2011-11-08 05:00:00 | 読書

相も変わらずこういう本を好んで読んでいるのですが、この本の言わんとする古代国家とは邪馬台国とか倭国とか日本国とかという国名が成立したという意味ではなく、国家としての機能、軍事や官制、租税や賦役、地方の支配や王の存在などの諸要件が整ったのはいつ頃なのかを検証しようとするものです。

当然、日本国には記紀以前の書物は現在のところ確認されていませんから、書き残されたものから判断することはできません。古墳や銅鏡の造られた年代や分布などから、そして中国や朝鮮に残っている東方の島国について書かれたものから、真偽を確かめながら考証していくのです。

著者は三世紀、古墳時代の始まりと共に国家は成立し始めたとみています。

             

この本は9月に帰省した頃から読み始めたもの、小説と違って話し言葉がないので600ページに及んでぎっしり書き込んであります。それが2冊ですから読み終わるまでに2ヶ月も要しました。

日本人はどこから来たのかという話から、幕末維新までを199のタイトルで199人の著名な方々がエッセイ風に記しています。1997年の初出ですから、担当された著者の中には亡くなられた方も幾人かおられます。こういう企画もなかなか面白いものです。

             

花窟神社の記事を綴った折、イザナミが火傷を負ってこの地に葬られたことが日本書紀に書かれてると記された案内板があり、読み返してみると神代の段にやはりあるにはありました。でも一書(第五)によるとという但し書きが付いています。

古代についての本を読むと、この日本書紀や古事記を横に置いて読めば、その本の真偽を問うためではなく、古事記や日本書紀の解読にたいそう役に立ちます。記紀はそのものをいくら読んでもなかなか理解することができません。

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