蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

50年前の留学 サイト投稿の報せ

2020年01月20日 | 小説
表題で過去投稿を2回しています。
投稿者の渡来部氏が「ホームサイトに掲載する際に加筆したい」要望があって、一部訂正のうえ加筆して1,2を合わせてホームサイト一回分として載せました。
加筆の部分は多いのですが、
>>こんなやっつけ対話でも一つ二つは学べる。
窓口では黒髪パリジェンヌからTu(お前、くだけた呼びかけ)と問われた。こう言われると親しみが湧く。しかし部屋に入って検査官は私をVOUS(あなた)と呼んだ。Vousとtuを「あなたお前」と区分するのも、この呼称の含意を日本語の位置にくみ取れば誤訳となる。フランス語でのそれは「尊敬」と「なれなれしさ」の差ではなく、社会における距離を現す。若い者同士なら、特に互いが学生であれば、初対面でもtuで呼びかける。この用法を学んだ。
一方、社会地位と年の差が歴然とする試験官とはvousで話した。これが2点目であった。

拡大は下に

後に授業に臨むことになるが、学生同士はすぐさまtutoyer(お前で呼びかけ)で話し合い、教師にはながく講義を受けてもvousvoyer(あなたを使う)から離れられなかった。きっと年齢差もあるが社会での地位を互いに意識したのだろう。
さて;
今もって私がこの口頭諮問に「合格」した理由は分からない。答えようにもしどろもどろ、返答の様をなしていなかったとは明らかだった。

写真:渡来部が手に入れた学部(ソルボンヌ)生の証明書と高等学院の学生証。ずいぶん前の写真なので個人として認識される情報などはないが、一応黒線を入れた。

大学院生には国どうしで選考する留学の制度がある。
彼らには受け入れる機関が保証するから、こうした出先での能力確認など検査するのも不要である。私費で「学生」が留学して「学部」に編入するのは建前で可能だが、実数は少ない。なぜなら学部の講義についていくは難しい。多くは「文明講座」なる学級に振り分けられる。
しかし海外大学生が大学の学部「faculté」に編入を求めるが門は狭い。これが半世紀前の私の場合は珍しいケースであろう(今も珍しいかは知らない)。<<

ぜひ部族民通信ホームサイトでご確認を(WWW.tribesman.asia)

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