金魚cafe

こちらにお立ち寄りくださってありがとうございます。
ぼちぼちのんびりと綴っております。

ねじまき片思い~おもちゃプランナー・宝子の冒険~

2016-07-21 21:50:56 | 読んだ本
柚木麻子著 東京創元社

「ランチのアッコちゃん」、「その手をにぎりたい」でおなじみの柚木センセーの小説。

東京創元社ってミステリーが多いのですがえっ?これもミステリーなのか??

業界最大手の玩具メーカー「ローレライ」に勤める富田宝子さん(おもちゃメーカーの名前が二つも入ってます)は企画したおもちゃがヒット作をを飛ばしているプランナー。

リバティプリントのふんわりしたワンピースが似合う可憐な容姿と仕事仲間にも恵まれ恋愛以外は順調そのもの。

そんな彼女が5年間も片思いし続けているデザイナーの西島さん。

せっせと差し入れを届けたりまめまめしくお世話しても彼女の気持ちには全然気づいていない様子。

宝子さんのルームメイトの玲奈さん(彼女がカッコイイのです。^^)はさっさと気持ちを伝えろと言われますがなかなか踏み切れません。

浅草に会社があり(おもちゃメーカーって浅草に本社のあるところが多いのですね。)勝鬨橋のそばに住んでる西島のマンションを眺めるためにわざわざ水上バスで通勤しているほどです。

自分の思いは伝えられなくて西島さんに付き合ってる人が現れたりしても諦めきれず片思いは続きます。

宝子さんは気づかれていないと思っているけれど彼女の職場の同僚皆が知っていて、報われない片思いに「何であんな男がいいのか?はぁ~~。」ってなっている。

数々ヒットを生み出す彼女が失恋で落ち込んだら仕事に影響が~というか「ローレライ」の会社の売り上げにもかかわってきちゃうからです。

彼のマンションからスカイツリーが見えていたのに突然さえぎられて見えなくなった、西島さんの彼女の様子がおかしいなど西島さんのために謎を解決するという限定で彼女は探偵となるのです。

西島さんへの思いがどうなるか?それよりももっと彼女には解決しなくちゃいけないことがありましてその辺が柚木センセーらしいなあと。

読んでいて宝子さんの片思いにじれったいなあとか思わなかったのは彼女がいじいじしたりする人ではなく自分をしっかり持ってる人だったからです。

読んだ後スッキリとした気持ちになりした。