金魚cafe

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64

2013-06-21 23:41:09 | 読んだ本
横山秀夫著 文芸春秋



かなり分厚い本で読み応えがありました。

D県警シリーズといっていいのでしょうか。

このD県というのは東京に近い県で海の無いところだと限られてきますね。

D県警の広報官三上と同期の二渡。

この二渡が主人公で本が出ていますが、今回は主役は三上です。

キャリアの上司は東京にもどることしか考えず、事実を隠ぺいしてると警察担当の記者とは対立する。

そして家庭は一人娘が家を出て消息不明。

本来ならそんな無茶ぶりは拒否できるはずだったのに娘の捜索のため優遇してもらったため上司の言いなりになるしかなく、自分で自分の首を絞めてる状態。

そんな状況で14年前に起こった未解決の幼女誘拐殺人事件(64という符牒で呼ばれている)に動きがあります。

当時担当していた三上はこの事件に何か隠されてると感じ事件を調べます。

調べると警察内部で隠蔽されていた事実。

広報官としてはこれをどうすればいいのか。

そして三上の行く手には二渡の姿が。

二渡の目的はいったいなんなのか。

事件解決よりお互い都合のいい方に持っていきたい、刑事部、警務部、新聞社。

誰を信用していいかわからない世界。

この64で人生がガラッと変わった人たちの悲しさ、もしあのときああしていればといいたくなる。

最初に間違えるとこんな悲劇になるのかと。

こうなると昔の将軍様直々の隠密とかお庭番的な部署ができないとスムーズにいかないんじゃないかというほどドロドロしてました。

だから最後に刑事としての誇りをみせた人たちにちょっとホッとしました。

これはぜひ映画化して頂きたい作品です。