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金魚cafe

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残穢

2015-09-06 23:34:37 | 読んだ本
小野不由美著 新潮社

これを読んだのはマクベス大千秋楽を観るため小倉に向かう新幹線の中でした。

私は怖がりで遊園地では絶叫マシンNG、お化け屋敷NG、映画もホラー、スプラッターはほぼ見ないのです。

これに蔵之介さんが出演されていて来年公開されると知ってどうしよう~~。

主役じゃないからパスしようかな?と思ったらなんと!滝藤賢一さんと共演されるので怖いけど観に行こうかなと。

図書館で借りられたので旅のお供に持っていきました。

ホラーだからキャ~~~ッってなるのかなあと思っていたら淡々とドキュメント番組のように進んでいくストーリーでした。

登場人物が私(作者の小野不由美センセー)が少女小説のライトノベルのホラーシリーズで読者に怖い話を教えてくださいとあとがきに書いていたのでいろいろと投稿があり、その中で編集の仕事をしているライターの久保さんから引っ越した新居の賃貸マンションで畳を擦るような音がするという内容の手紙をもらいます。

それで済んだならよかったのですが異変は続きます、私(作者)は同じ内容の投稿をファンからもらうのですがよくみるとそれは同じマンションらしく、久保さんと共に謎を追いかけることになっていきます。

家を捜すときに今自分が住んでいるところが前は何だったのか?とか知っておくのは大事なことですよね。

特に賃貸の場合は前に住んでいた人とか気になります。

私や久保さんは仕事柄調べるということは苦にならなかったようです。

それを手伝うのが平山夢明センセーと福澤徹三センセーと実名で登場。

蔵之介さんは映画では名前は違いますが平山夢明センセーの役を演じられます。

平山夢明センセーが出演されてるTVの動画を拝見しましたら、蔵之介さん平山夢明センセーだとわかるアイテムを身につけておりました。

平山センセーからこのマンションの件は「いわゆるヤバイ話」と言われても調査を続けるのですが、ずっとさかのぼって調べていくとえ~~~っというとんでもない話になっていきます。

こんな皆普通に暮らしているところにこんな事実があったのかと。

読んだ後もしかして自分の家の近所のお家もそうなのかと背筋がヒヤリとしました。

霊感があるとかないとか関係なく怪異はやってくるのかと。

映画が原作通りなのかもっと怖くするのかわかりませんが、観に行くとこは朝イチの明るいときに観に行こうと思います。


オラクル・ナイト

2015-08-09 00:22:54 | 読んだ本
ポール・オースタ―著 柴田元幸訳 新潮社。

あといくつ寝ればピロティでマクベス~~~という時に実は私ちくま文庫のマクベスまだ全部読んでおりません。

ほかのでマクベスは読んだのですが、ちくま文庫のマクベスはセリフが現代っぽいというか読みやすいです。(まだ途中ですが)

それなのに図書館で見つけてしまった「オラクル・ナイト」。

これはあの「幽霊たち」と同じ作者と翻訳者。

マクベスも読まなくちゃいけないのに~~と思いつつもこっちを優先。

蔵之介さんの「幽霊たち」を観に行く前に原作を読んでいったのですが、これをどうやって舞台にするんだろう??

というぐらい独特というか映画なら表現できそうだけどこれを舞台にするのか~~と感じました。

でも白井さんのスタイリッシュな仕上げがとてもカッコ良くてもう一度観てみたいと思いました。

マクベスはまだ観ていないのでどうなのかわかりませんが、「幽霊たち」の探偵ブルーもほぼ出ずっぱりでセリフしゃべりっぱなしで一人舞台のような感じでしたので。

あの独特な世界観をまた読めるのかとページをめくると、舞台はニューヨークのブルックリン、主人公は作家のシド、生死にかかわる入院をしたあと療養中(このときなぜ入院したのかはまだ明かされておりません。)

リハビリがてらに自宅近くを散歩していたらある文房具店を見つけます。

そこの主人はミステリアスなMrチャン、作家という職業柄どうしてもノートに目が行きます。

そこで見つけたポルトガル製のブルーのノートに一目ぼれしてしまいます。

ポール・オースターさんってやっぱりブルーが好きなんだろうか??

ノートの魅力に取りつかれたようにストーリーを夢中で書き綴ります。

そのストーリーがニックという編集の仕事をしている男のもとにシルヴィア・マクスウェルという作家が書いた「オラクル・ナイト」という小説の原稿が届きます。

「オラクル・ナイト」というのは「神託の夜」という意味だそうです。

その原稿を持ってきたシルヴィアの孫娘ローザに惹かれていきますが、イーヴァという妻がいる彼はそのことで悩み誰にも知られない土地で人生をやり直し、ローザと共に生きていきたいと思うようになります。

そして知らない土地で過去から現代にいたるまでの世界中の電話帳を集める歴史保存局で働くことになるのですが~~。

と不思議な世界のストーリーが今のシドの生活とシンクロして進んでいくのかと思えばそうではなく、彼にはグレースという素敵な妻がいて他の女性に惹かれることはなさそうでした。

あっちの世界とこっちの世界とシンクロしないのに細かく表現するのは「幽霊たち」と一緒でこれを舞台化するならやっぱりそうかな~~などと考えながら読むのは楽しかったです。

シドとグレース夫妻の友人である同じく作家のジョンと文房具店のMrチャン、とても謎の多い人物なのですが、一番ミステリアスだったのがシドの妻グレースでした。

その原因はアメリカという国は医療費が非常にかかるお国でシドは長い入院生活を送っていたのでその費用はとんでもない(日本人からすれば)金額でシドはまだ働けない、そのためグレースも悩んでいたのだろうか?シドに言えない秘密があるのだなと。

病気になったからこそ今まで見えてなかったものが見えたシド。

その真実を知ってしまったら普通だったらしばらく立ち直れないわ~~となるのですが今まで以上に強くなったシドに救われた気がいたしました。

これを読んだらまた「幽霊たち」が読みたくなり、それよりマクベスがもうすぐだからマクベスを読まなくてはと。
もう今週なので焦ってます。(*_*;










その手をにぎりたい

2015-07-29 00:14:52 | 読んだ本
柚木麻子著 小学館

BSプレミアムで放送されていた「ランチのアッコちゃん」を観て原作を読みたいと図書館に予約をしに行きましたらなんと20人以上も待ちの状態でいつになるやら。

同じ柚木センセーの「その手をにぎりたい」がありましたので借りてきました。

時代は遡って1983年から1992年のバブルが始まって終焉を迎えるまで。

栃木から東京で就職し、家業のかんぴょう農家の跡を継ぐため会社を退社しようとしていた青子、気を利かした社長さんが送別会にと銀座のお寿司やさんに連れて行ってくれました。

丁寧な下ごしらえをされた江戸前のお寿司が今まで食べたことがないほど美味しかった。

そしてお寿司をにぎってくれた職人一ノ瀬さんの手に惚れてしまった。

彼のにぎるお寿司は口に入れたとたんにほろほろとなるようにふんわりとにぎられているので直接手から渡される、そのとき触れた手がひんやりと冷たくて今までこんなに清潔な男の人の手は見たことがないほどでした。

生魚を触る手は冷たいほうがいいかもしれません。

私は手が温いものですからお店で魚のお刺身を買ってきて家で包丁で切るときお刺身を触らないようにするんですがどうしても触ったところが味が落ちてしまったような気がします。

魚の脂は人間の体温より低いので溶けてしまうので余計そうなのかもしれません。

一ノ瀬さんに出会ったがため、一ノ瀬さんのお寿司を食べてしまったがため彼女のその後は大きく変わります。

実家に帰らずお寿司が食べたいがためにバリバリ働く青子、バブルと共にイケイケドンドンの生活がスタートします。

こうやって読んでみるとバブルの時ってすごかったんだ~~。

私の地元はのんびりしたところでバブルといっても実感はなくて「ふ~~ん。東京はすごいなあ~。」とそんな感じでした。

影響がなかったかといえば周りがやたらと海外旅行に行く人が多くてハワイのチョコとおフランスの口紅のお土産をいっぱいもらったような。

そして男性は高級ブランデーをお土産でいただいてましたっけ。

なんであの頃肩パットが入ってる服が流行ったのか?

私に周りのバブルはそんなものでした。

バブルの前は座っただけで3万円も取られる銀座のお寿司やさんなんかに女性一人で食べになんてことはあまりなかったでしょうがあのイケイケドンドンでそういうお店にも出入りできるようになり、青子の性格まで押せ押せモードになっていきます。

一ノ瀬さんは世の中が変わってもひたすらカウンターの向こうでお寿司をにぎっています。

静と動の二人、恋愛ではないけれどお寿司で深~~くつながっていたような。

バブルも始まりがあれば終わりも来ます。

お寿司が食べたいがためがむしゃらに働いてきた青子に何が残っていたのか?

柚木センセーは1981年生まれと書いてありましたのでバブルは体験されてないのですね。

見てきたようにリアルで、バブルのときに全盛期だったトレンディードラマのようでした。

これ映画化かドラマ化していただけたらいいなあと。

青子役は誰でもいいですが、一ノ瀬さんは誰がいいかなあ。

美男子ではないのに目が離せない、空間占有率??

でも一ノ瀬さんは一重瞼なんですよね。




空飛ぶ広報室

2015-07-05 22:19:10 | 読んだ本
有川浩著 幻冬舎

私はドラマは毎週は観ていなかったのですがラブコメと真逆のお堅い仕事というコラボで面白かったです。

原作では柴田恭兵さん演ずる鷲坂室長が渋~~いオジサマではなく、見た目が年齢通りのごくフツーのオジサマだったというところが違っていました。

鷲坂室長があぶない刑事のユージのような軽いかんじだったのがドラマを面白くさせたと思います。

私は高所恐怖症で飛行機もそんなに乗っていないのですが離陸するときのあのいきなり上昇するのと耳がキーンとなってしまうので苦手だわとなりました。

なのでパイロットというのはすごいなあと感心してしまうのです。

ジャンボジェットよりもっとすごいブルーインパルスのパイロットに選ばれるというのは難関中の難関なのですね。

もう少しでブルーインパルスのパイロットになるはずだったのに自分に非のない事故で足を負傷して日常生活には問題ないけれどパイロットとしては問題アリということでパイロットから航空自衛隊の広報室勤務で広報官となった空井二等空尉、警視庁付きの新聞記者だったのに報道番組のディレクターとなった稲葉リカ。

出会いは最悪。

どちらも自分が悪いわけではないけれど希望していた仕事にもう少しで手が届くところで梯子を外されてしまい、どちらも新しい仕事に対して情熱を持てなかった。

そんな2人を見守る鷲坂室長、教育係の比嘉空曹がいい人なのです。

ドラマは空井と稲ぴょん(鷲坂室長がつけたリカのニックネーム)の恋愛に重きを置いていましたが、原作では希望していなかったけれど仕事の大事さと生きがいを見つけ成長していくというさわやかな感じに仕上がってるなあと。

広報室というのはこの本を読まなけれが知らない世界でした。

番組のエンディングで協力とか協賛で名前が出ることにどれだけの経済効果があるかを計算しながらという一般企業のような感覚を持っているというのが意外でした。

東北のあのときどんな活動をされていたのかというのが描かれていて、詳しく報道されなくて知らなかったこともありました。

小説で書かれて知ることもあるので読むというのは大事だなあと思います。





夢幻花

2015-06-24 00:14:35 | 読んだ本
東野圭吾著 PHP研究所

この世にありえない幻の花に翻弄される人たち。

プロローグが昭和37年に事件が起こり、もう一つのプロローグがその何十年後の朝顔市。

これがどのようにつながるのか?

私は西に住んでる人間なので知らなかったのですが、東京では台東区の入谷というところで朝顔市が開催されているのですね。

朝顔は江戸時代から皆に親しまれてきた花で当時から品種改良も盛んであったそうです。

2011年震災が起こった後にこの世にありえない朝顔をめぐる殺人事件が。

この世にありえない朝顔とはどんな花なのか?

追い求めていけない夢幻花そんな朝顔が事件の鍵となります。

その夢幻花をめぐって何組もの父と子の絆が見られます。

犯罪者から身を挺して家族を守ろうとした父、必要以上に厳しい父、息子のために犯人を必ず逮捕しようとする刑事、亡くなった父親代わりになろうとする兄。

東野圭吾センセーはここでもやはり母ではなく父と子なのです。

父の愛が深いほど誤解をまねき息子は煙たがってしまう。

読んでいくうちに子供のときはわからないかもしれないけれど分別つく年頃になればちゃんと説明するべきだったのではないかと。

後で父の思いを知らされる子供はあのときもっと話しておけばよかったとと後悔してしまうのです。


殺人事件の犯人のことよりそっちの人間関係のほうが気になってしまいました。

そして震災後ということで「天空の蜂」でも書かれた原発に対する東野圭吾センセーの思いも書かれていたような感じがいたしました。

小説のなかでこの世にありえない朝顔というのは現在ではバイオテクノロジーのおかげで咲いているそうです。