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金魚cafe

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白ゆき姫殺人事件

2018-01-16 16:09:54 | 読んだ本
湊かなえ著 集英社。

読んだ感想は小説を読んでるという感覚よりもテレビのワイドショーを観ながら週刊誌を読んでるみたいな感じでした。

ある地方の
化粧品会社の社員が殺害され、灯油をかけられて火をつけられたという残酷な事件。

被害者は三木典子という社内一の美人で性格も良く仕事もできるという社内、友人の間でも評判の良い人物。

疑われているのが同期の神野美姫という同じみきという名前の人物で、三木典子とは対称的にごく普通で目立たないタイプの人物で殺害の動機が最近付き合っていたと彼女が思い込んでいた(周囲はそう思っている)男性が三木典子と付き合っていたからとか。

これは彼女たちの周囲の話を総合して週刊誌に載ったものが広がり、またいろんな事情がでてきてというその様子は、テレビのワイドショーがずっと追いかけているようなそんな感じでした。

証言者は自分の身元がわからないからと実はといろんなことを取材する記者に話すわけです。

嘘は言っていない本当のことなのですがそのニュアンスでこんな風になってしまうのかと。

全く関係ない第三者ならその記事に書かれたままを信じてしまうでしょう。

関係者は皆匿名でも誰がこの証言をしたか特定されちゃうわけでそれがちょっとゾッとしたというか。

さすがイヤミスの女王が描かれた小説だと思いました。

私たちが利用しているSNSも非常に関係していて便利さと間違った使い方をすればとんでもないことになるという怖さ。

私は登場人物の中でこの人はどんな気持ちでいたのだろうとそれがわからなくて事件はまあ解決するのですがそこのところがう~んと心残りなのがやっぱり湊かなえセンセーなのかなぁと。

今度映画の方を観てみたいと思います。


鹿の王

2017-11-24 22:09:53 | 読んだ本
上橋菜穂子著 角川文庫

まだ読書の秋続けております。

これは先輩から面白いと勧められてお借りして読みました。


全4巻読むのに結構かかりました~~。


精霊の守り人、獣の奏者エリン、と続けて読んで今回初めて主役が男性。

詳しくは書かれておりませんがもう若くはない中年の戦士。

設定が隣同士の国との関係が非常にデリケートなところはみんな同じです。

東乎瑠(ツオル)とムコアニア王国に挟まれたアカファ王国。

アカファ王国は東乎瑠との戦に敗れて属国となりました。

その戦士であった主人公の独角のヴァン。

戦に敗れたのち捕虜となり岩塩窟で奴隷として働かされます。

そんなとき岩塩窟に山犬の集団が襲ってきて噛まれたものは原因不明の病で命を落としてほぼ全滅させられます。

狂犬病みたいなもの?と想像してしまいましたがそれが何なのかが解明されていくのですが。

唯一生き残ったのがヴァンと岩塩窟で働いていた女性が連れてきていた赤ん坊のユナ。

これ幸いとユナを連れて脱出するのですが。

東乎瑠の医者であるホッサルが病にかからなかったヴァンとユナに病から助かる理由があったのではないかと後を追います。

それを命じられたのがサエという女性です。

サエという人がカッコよくてヴァンがいなかったらサエが主人公でもいいんじゃないかというそうですね~~。

精霊のバルサみたいな感じの人です。

隣同士の国というのはなかなか仲良くできないもので互いに親戚関係を結んだり忠誠の証を立てたりと難しいです。

食べるもの、信仰するものが違うとこんなに理解するのが難しいのかと。


東乎瑠という国がなんとなく私たちが今住んでるところにちょっと風習とか似ていたり、アカファがどこかの国と似ていたりと子供が読めばすんなりと東乎瑠という国なんだと思うところがオトナはこれはあちらの国なのかと深読みしてしまいます。

物の起こりには必ず原因がありそれを突き止めなくてはならない、昔からの言い伝えもその理由がちゃんとあるというファンタジー小説なのり理路整然としたところが納得がいくお話だったと思います。


壮大なスケールの話と細やかさ(美味しそうなお料理など)が上手く混ざって冒険を楽しめるし、出てくる食べ物も作ってみたいという2つの楽しみができる小説でした。




ヒートアップ

2017-11-20 22:39:29 | 読んだ本
中山七里著 幻冬舎。

リチャードさんの時はあまり本を読んでなくてロスを埋めるように一気によんじゃいました。

ヒートアップの前に「魔女はささやく」という小説が書かれておりまして別々に読んでも続けて読んでもどちらもOKな感じになっております。

渋谷などの繁華街で若者を相手に「ヒート」というドラッグを売られていましたがそれを使ってしまうと狂暴になりそのときの記憶が飛んでしまうほどのハードさと解毒されず最後は廃人になってしまうという最悪なものです。

麻薬取締官の七尾はその売人を追いますがなかなか正体を現さずたどり着いたときには売人は何者かに殺害されており、その容疑が七尾にかけられます。

その七尾とタッグを組んで犯人とドラッグのルートを探るのが敵対する暴力団の幹部山崎。

この山崎がなかなかの人物でどこかで聞いたことがあるなぁと思ったら中山七里センセーの御子柴弁護士シリーズでも登場していました。

この「ヒート」が何処で作られているのかと探っていくととんでもないものが出てきてどうやって解決するんだろうとこんなこと公にはできないしなかったことにもできないしという感じでした。

最初はなんだかドロドロした感じだったのが読み進めると敵対してるのに息ピッタリで良いバディではないかと思いました。

またこの二人で続編あったら読みたいです。

中山センセーは人物よりこの劇薬「ヒート」がお気に入りみたいで別の作品でも出てきています。

喧嘩(すてごろ)

2017-11-03 12:10:43 | 読んだ本
黒川博行著 角川書店

破門のその後映画の破門公開前まで野生時代で連載されていました。

破門のその後で桑原さん二宮く~~ん相変わらず暴れてます。

破門でマカオに行ったり愛媛にいったり殴ったり殴られたり刺したり刺されたりと普通の人が体験できないであろう濃い体験をしたお二人。

一年後は彼らを取り巻く環境はますます厳しく二宮さんはシノギで稼げずお母様に借金するばかり。

桑原さんとも連絡をあえて取っていませんでした。

久々の仕事がサバキではなく選挙関連のゴタゴタを収めてほしいとのこと。

そっち方面に顔が利いてると思われますがそれはやっぱり桑原さんと一緒だからできてたことで。

会いたくないけど背に腹は代えられぬで桑原さんに泣きつきます。

二百万ぐらいのシノギに隠れて大金が動いてるのを嗅ぎつけた桑原さん、二宮さんを引きずりまわします。

前回のことでちょっとはおとなしくなったのかと思えば桑原さんは桑原さんでした。

それを口では「あきません」と言いつつも背中押してるような二宮く~~ん。

互いに疫病神と思っていてもどこかでは信頼してるのですね。

このシリーズを読んでいて思うのはお金に関する法律の詳しさと自分の儲けがどれだけかとすぐソロバンが弾ける桑原さんのクレバーさ。

腕も立つし頭も切れる。

ちょっと損な役回りがもったいないですわ。

今回はいろいろ諸事情で暴れ足りなかったかなと。

破門のその後なので映画でもやってほしいのですが。

これも諸事情があるのでしょうね。

今リチャードさんですがまたイケイケ桑原さんも復活してほしいです。^^

とっぴんぱらりの風太郎

2017-08-21 23:21:03 | 読んだ本
万城目学著 文藝春秋

久々に読んだ本の感想を。

今日テレビで歴史ヒストリアという番組が放送されていました。

歴史は興味があるので時々観ております。

丁度本を読み終わったときにこれを観まして時の権力者というのは自分の都合の良いように忍びを使うのだなあと。

言うことを聞かなければ徹底的につぶしにかかるし。

この本もそんなその時の権力者に使われる悲しさのようなものがありました。

風太郎は「ふうたろう」ではなく「プータロ―」で名前だけだと頼りな~~い感じです。

人より剣が優れているのでもなく、毒薬にくわしいのでもなく、変装の名人でもないごく普通の忍びです。

取り柄といえば肺活量の凄さ。

忍者なのにすぐ顔に出て生き方が不器用な男です。

その要領の悪さと不器用さで忍者を首になっちゃうのですが彼は忍びしか知らないのでやっぱり忍びとしてしか生きていけない。

万城目センセーの主人公ってそういう人「鹿男」しかり「プリンセストヨトミ」などなど多いですよね。

忍者失格と言われるけれど他の生き方ができなくて結局忍びとして生きていく。

時代が大阪冬の陣の前から夏の陣にかけてで大河の「真田丸」を別の角度から見てるようなそんな感じがしました。

「真田丸」は真田幸村の目線から見たドラマですから戦に勝つつもりですからイケイケドンドンで観ているほうももしかしてドラマなんだし勝ってもいいんじゃない?そんなドラマでした。

風太郎から見た大阪夏の陣、冬の陣は戦というのは勝つためならなんでもする、最後に勝った方は正しいというえげつないものでした。

風太郎もその戦に巻き込まれて自分の手を汚していくことがイヤになりました。

侍というのは正々堂々とというのはあれはきれいごとなのだなあと。

「プリンセストヨトミ」書かれた方ですからやっぱりそっちを贔屓しちゃうんですよね~~。

淀君はどうしても好感度あがりませんけれど。

大阪城が落城したときの豊臣方がどうなったのか諸説ありますがこの説を取りましたか~~と。

優れた忍びというのは腕が立つことではなく生きて帰れること。

そんな忍びは100人いても一人ぐらいしかないという厳しい世界です。