goo blog サービス終了のお知らせ 

金魚cafe

こちらにお立ち寄りくださってありがとうございます。
ぼちぼちのんびりと綴っております。

GWに読んだ本(2)

2018-05-05 00:45:00 | 読んだ本
全部一気に書けなくて一冊ずつですいません。

次に読んだのが「フォークロアの鍵」です。

川瀬七緒著 講談社。

川瀬センセーは本の題名のつけ方が独特のセンスだなあと。

背表紙の題名を見てつい手に取っちゃう、そして読みだしたらその世界にハマってしまう。

「フォークロア」というのはウィキで調べたら「民俗」という意味でした。

民俗学を専攻している大学院生羽野千夏、彼女の専門は「口頭伝承」これは言い伝え、民話、昔話などなどです。


彼女はこの「口頭伝承」を集めるためにはいろんな老人たちから聞きたい、そのため認知症の入居者ばかりのグループホームに協力を依頼します。

施設の経営者側も入居者たちが千夏と接して昔の話をすることで認知症に良い結果が出るのではないかと互いのメリットがあると許可してくれます。


前に読んだのが児童の教育で今回は認知症の老人問題と川瀬センセーも?と思いながら読んでいきますと。

一筋縄ではいかぬ入居者のみなさん、そして経営者側から千夏の研究に協力するよう言われて入居者のケアだけでも大変なのに余計なことをと思ってる現場の人たち。

なかなか上手くいかないけれども自ら彼らから話を聞きとるのだという千夏の辛抱強さとめげなさで入居者の皆様も心を開くようになります。

ただ要介護4のルリ子さんだけは上手くコミュニケーションが取れません。

自分の世界に閉じこもっているルリ子さんは脱走の常習犯で彼女がなぜ脱走しようとするのか理由がわかりません。

ルリ子さんが「おろくんち」という謎の言葉が脱走の原因なのだろうと。

そこに「おろくんち」の意味を知っているという登校拒否の高校生大地。

千夏と大地で謎の言葉の意味を捜していくのですが。

昔話にはなにがしかの意味がありそれは現代(いま)に受け継がれている。

良いことならばよいのですがもし、悪いことならば。

介護の問題と登校拒否の問題とかいろいろ川瀬センセーに思うことがあるのだなあと。


私は川瀬センセーの作品を全部は読んでおりません。

好きな昆虫法医学者シリーズでも感じだことなのですが。

自分たちよりも長く生きていろんな経験を摘んでいる人の話には気づかないけれど大事なことがあるのだと温かい目で見ているように思いました。


GWに読んだ本

2018-05-04 00:11:07 | 読んだ本
GWも後半に入ったそうですが、私はカレンダー通りなので地元をウロウロして過ごしております。

遠くまでお出かけしないので図書館に本を借りに行きましたら読みたかった本が3冊並んでました。^^

これはラッキーと読み始めるとちょっと寝不足に。(^▽^;)

読んだ本は「戦う君の唄を」、「フォークロアの鍵」、「上流階級富久丸百貨店外商部Ⅱ」の3冊。

まずは「戦う君の唄を」から。

中山七里著 朝日新聞出版。

最後まで気の抜けないどんでん返しの名手(私が自分でそう思ってるわけです。)中山センセー。

読み始めは本当にのどかなかんじで埼玉県秩父郡神室町にある私立幼稚園に新任として来た喜多嶋凛。

明るく、曲がったことは大嫌い、たとえそれが上司であろうと先輩であろうとおかしいことはおかしいと気持ちいいほどはっきりと言います。

子供たちが好き、先生という仕事にやりがいを持ち前向きな彼女。

やんちゃな園児、なんでもクレームを入れたがる父兄、運動会は全員手をつないでゴールしようとか学芸会で全員主役にしろとか今いろいろ言われてますね。

凛先生は子供にとって何が必要かということを考え、父兄、同僚、上司とぶつかり合いながらも解決していきます。

あれ中山センセーどんでん返しやめて教育問題について書くのかなと。

やっぱり中山センセーは中山センセーなのでした。

なぜ父兄がそこまで言いたい放題なのかは15年前に園児の殺人事件があり加害者がこの園の送迎バスの運転手だったためでした。

15年たつとその事件も風化され忘れられつつになりそうだったのが園内の小さな事件でまた表に出てくることに。

ここで登場するのが中山七里といえば検挙率100%の渡瀬警部。

彼が登場するということはまだ何か起こるのか。

罪を犯した人は一生許されないのか?永遠の問題ですね。

もう一人の中山七里のダーティヒーローを思いだしました。

題名の「戦う君の唄を」というのは中島みゆきさんの歌からつけたそうです。

2冊目の感想はまた次回に。







御子柴くんの甘味と捜査 、御子柴くんと遠距離バディ

2018-04-10 09:35:27 | 読んだ本


若竹七海著 中公文庫。

短編集です。

ミステリーと甘味をコラボさせた小説は多くありますが長野に限定したスイーツが多く登場するのはこの小説だけかなと思います。

御子柴くんというのは別のシリーズで歩けば災難に当たる探偵の葉村晶と絡んだりしています。

この小説でも誰がゲスト?で登場したりで重いストーリーを軽いタッチで描かれていてどんでん返しで私たちの足元をヒョイッとすくいます。

長野県警に所属の刑事御子柴くんが
長野で起こった犯罪の被害者、加害者が東京にいるので警視庁との連絡係という感じで出向しているのですが、主な仕事は東京の名物を買い長野に送る
、協力してもらった警視庁に長野のスイーツを渡すという刑事らしからぬ仕事でちょっとがっかりしていました。

御子柴くんなかなか有能で警視庁にもお仲間ができて事件を解決?していきます。

これを読むまで長野県がスイーツ王国とは知りませんでした。

そば、味噌、七味、野沢菜、寒天など美味しいものがあるのは知っておりますがスイーツもっと宣伝しても良いかも。

写真は長野県のではありません。

警視庁に熊本県警から犯罪者を追いかけて刑事が警視庁に出張してきます。

本当かどうなのかは別として警察の中に縄張り意識というのがあって熊本で起こった犯罪は熊本で解決する、一応東京で場所をお借りしますみたいなやり取りがありました。

横の連携ないんですかね~~。

熊本からやって来た刑事がご挨拶にと警視庁に配った熊本銘菓のお菓子が警視庁の刑事たちをうっとりさせて一転協力的になります。

協力のお陰で事件は?

そこは若竹ワールドなので。(^^)

たまたま九州フェアを開催されてて買えました。

美味しいお茶と一緒にいただくと小説の通りにうっとりいたしました。(^^)


あなたの隣にいる孤独

2018-03-28 22:43:08 | 読んだ本
樋口有介著 文藝春秋。

年に一冊のペースで文藝春秋さんから本を出版する樋口センセー。

主人公は高校生もしくは十代の男子あるいは女子。

男子はどこか浮世離れしたフワフワした感じで妙に鋭い子、女子だと周りがしっかりしていないので自分がしっかりせねばともうオトナになっている子という設定が多いです。

そして舞台は夏なのですが今回は穏やかな春の川越。


西に住んでいる私にはちょっとどんなところかわからないのですが読んでみると東京にお買い物に行ったりしているシーンがありましたのでそんなに遠くはないのかな?

主人公の十五歳の玲菜という女子。

川越の2LDKで母親と二人暮らし、彼女には戸籍がありません。

母親と「あの人」からずっと逃げる生活を続けているため何度も引っ越しをしています。

戸籍がないというのはこの前終了したドラマ相棒でもテーマに取り上げられていました。

学校に通えなくても勉強はできますが、戸籍があれば当然できることが何もできません。

保険がないから病気になれない。

そんな玲菜は健康に気を付けた食生活をしなければならなくて自分で食事も作るし、生活に必要なことはすべて母親から教えられており同じ年頃の子たちより早く大人にならなければいけなかったような。

あの人というのが父親なのだろうか?それとも何か犯罪に巻き込まれているのだろうかといろいろ考えながら読んでみますとあまり切羽つまったかんじではなく普通に暮らしているのが救いかなあと。

樋口センセーの親子関係は良好ではあるのですが親がフワフワして危なっかしかったり何処か突き抜けた感じの一般的には「変わった人」が多いのですが玲菜に戸籍がないだけで母親はごく普通の人なのかなあと。

いや、普通であれば十何年も逃げ回ることもないのだからやっぱり普通じゃないのかも。

この母親の気持ちは最後までわかりませんでした。

その逃げ回っている秘密や「あの人」の正体もえ~~~~っ!ってなるのですが、彼女たちを助けてくれる正義?の味方が現れたりでその逃亡生活もユーモアたっぷりで孤独も救われたかも。

桜の花びら舞う季節から爽やかな新緑の季節になるまでの一か月の間の出来事、現実はそんなに甘くないけれどこんなふうになってもいいのではないか。

ビミョーな十代がオトナになっていく、その過程を描くのが上手いなあと樋口センセーの小説を読んでいつも思うのです。




秋山善吉工務店

2018-03-19 00:33:55 | 読んだ本
中山七里著 光文社。

あのどんでん返しの中山七里センセーの小説とは信じられない爽快な感じの小説です。

ミステリーなのかと言われればミステリーなのかと思います。

東京墨田区に住んでいる秋山太一、雅彦兄弟と母景子は自宅が全焼し、二階で寝ていた父史親が逃げ遅れて焼死したため史親の実家である秋山善吉の家に住むことになります。

今は懐かしい昭和の頑固なオヤジと想像するとそういう生き方を嫌って会社勤めをする史親とは親子関係が上手くいってなかったようで普段行き来がなかった秋山親子は最初なかなかなじめませんでした。

一番最初に怖いけれどおじいちゃんは正しいと打ち解けたのは10歳の太一、転校したことでいじめの対象になったためそこを善吉がいじめるやつはこういうやつなのだと諭していじめ問題を解決してしまったからです。

学校で暴れまくっている反抗期の兄雅彦にもこのじいちゃんには勝てないと一目置かれるように。


頑固、曲がったことは大嫌い、という町内に一人はいると心強いけれど一家に一人いるとなんだかな~~うるさそう~~。


そんな善吉さんのおかげで秋山親子は今まで見えなかった現実を向き合い逞しくなっていきます。

読んでいくとあの中山七里センセーといえば最後まで読んでみないとわからないどんでん返しが魅力なのにと思いつつなんでこんなに爽やかなのだろうと。

読み進めていきますと、父の死を乗り越えて地に足つけて生きていこうとする秋山家にはある秘密がありました。

やっぱりな~~と、ここで別のシリーズのキャラクターのコラボもあったりでやっぱりミステリーだったのか~~。

どんでん返しさえ爽やかであとスッキリするものでした。